| よくここまでランボルギーニ・アヴェンタドールSVJのサウンドばかりを集めたな |
このサウンドもじきに失われてしまうのかと思うとちょっと悲しい
さて、スーパーカー系ユーチューバー「マイク・スーパーカーズ・トップスピード」がランボルギーニ・アヴェンタドールSVJのサウンドコンピレーション動画を公開。
アヴェンタドールSVJには6.5リッターV12エンジンが搭載されていますが、これはもう少数派となった自然吸気エンジン。
現在自然吸気V12エンジンを積むスポーツカーというとほかにフェラーリくらいしか思い当たらず、よって非常に「希少」な存在ということになります。
そしてこの自然吸気V12エンジンも環境規制によって消滅する傾向にあり、存続できたとしても騒音規制によってそのサウンドも絞られることになるものと思われ、こういったサウンドを聞くことができるのも「今のうち」かもしれませんね。
そのサウンドはイベント会場やツーリング、はたまたサーキットから
そして今回のサウンドコンピレーションに収録されるアヴェンタドールSVJたちですが、これはマイク・スーパーカーズ・トップスピード氏が参加したイベントやツーリング等によってそのサウンドを拾ったもの。
よって低速での走行からタウンスピードでの走行、さらには高速道路での加速やサーキットでの走行など様々な環境にて録音がなされています。
なぜV12エンジンは「音がいい」のか
なお、よく言われるのが「V12エンジンは音がいい」ということ。
サウンドの好みは人それぞれだとは思いますが、多くのカーエンスージアストにとって「V12サウンドの素晴らしさ」については(好き嫌いを別にしても)異論なく認めるところだと思います。
これには大きく分けて2つの理由があり、それらは「爆発間隔」と「周波数」。
まずは爆発間隔についてですが、クランクシャフトを一回転させるために爆発するのは一般に4気筒だと180度、8気筒は90度、12気筒だと60度に一度という計算となります。
つまり12気筒だと、クランクシャフト一回転あたり4気筒の3倍の爆発を行っているということになりますが、爆発間隔が短くなることでサウンドがスムーズになるわけですね。
これはデジタル音源におけるビットレート、動画におけるフレームレート、画像における画素と同じようなもので、「同じ範囲内にて多ければ多いほど」連続性が高まります(それだけ音が詰まっているとも言える)。
別の(極端な)例えだと、気筒数が少なければ「プチプチを潰すような」断続的な音であり、気筒数が多いと(細い糸で織った)絹を裂くような連続音になるとも言い換えることが可能です。
もうひとつの「周波数」についてですが、これも「爆発間隔」と密接に関連していて、爆発間隔の短さが高い周波数を生み出しているということになり、さらには「倍音成分」がこれを際立たせるといいます。
倍音について説明するのは難しいのですが、周波数については、たとえば鳥や虫の羽ばたきや羽音に例えることができ、大きな鳥がバッサバッサと羽ばたくより、蚊が羽根を震わせるように小刻みに高速で動かしたほうが高い音が出るということからも理解ができると思います(V12エンジンは爆発間隔が短いので、蚊の羽音のように高い音が出る)。
なぜ自然吸気エンジンは音がいいのか
そしてもうひとつ、自然吸気とターボの差。
V12を採用するといえど、アストンマーティン、そしてパガーニのV12はターボエンジン、そして上述の通りランボルギーニとフェラーリのV12は「自然吸気」。
ターボエンジンは排気をいったんタービンに入れ、そこで増幅した空気でもって「加給」することになりますが、自然吸気エンジンの場合はタービンを経由せずに排気するため、そのぶん「爆発音」が聞こえやすくなり、かつ音の濁りやこもりがなくなるという差異があって、そのため自然吸気エンジンの排気音のほうが「ピュア」に聞こえるわけですね。
ただ、ターボチャージャーを使用したほうが環境性能が高くなり、パワーも出やすいために(エンジンをダウンサイジングして)ターボを装着する傾向が現在では主流となっており、こういった流れによってマルチシリンダー、大排気量、そして自然吸気エンジンがどんどん減ってきている、ということになります。