| ある意味、フェラーリ初のSUV、プロサングエのライバルはウルスよりもこちらかも |
ここ数年、ランボルギーニはニューモデルのラッシュを迎えそう
さて、ランボルギーニは昨年5月に「コル・タウリに向けて」なる新しい事業計画を発表していますが、その中心は2020年代後半に発売されるであろうピュアEV。
これについては今に至るまで情報がなく、しかしヴェールをかけられたその姿は4シータークーペのようにも見え、しかしこれは「資料作成のために用意したひとつの図案」であり、必ずしもその中にある姿が現実となるわけではないものと思われます。
事実として、今回ランボルギーニCEOであるステファン・ヴィンケルマン氏が「ランボルギーニ初のピュアEVについて、なんら明確な決定事項があるわけではない」、そして「最低地上高を上げた2+2もしくは4シーターになる可能性が高い」とコメントすることに。
-
ランボルギーニが2025年までのロードマップを発表!2024年にはガソリン車を全廃し全車ハイブリッドに、そして2025年以降には「初の」EVを発表
| ランボルギーニは新たなる新天地「コル・タウリ」を目指す | ついに「第4の」ランボルギーニ投入計画が具体的に さて、ランボルギーニが予告通り「将来のヴィジョン」について公開。これはランボルギーニC ...
続きを見る
ピュアEVに対するランボルギーニのアプローチは慎重かつ明確
ステファン・ヴィンケルマンCEOによると、ランボルギーニ「第4のモデル」となるピュアEVに対するアプローチは「慎重かつ明確」。
「慎重」な部分に関しては、現在のところ様々な可能性を考慮しているということで、現在メインとなっている考え方としては「ウルスよりも多目的なクルマになる」。
つまりはスーパースポーツではなく、より多くのシーンで使用できる「日常性の高い」クルマになるであろうことを意味しており、スーパーカー的アプローチを取る必要がないため、デザイナーやエンジニアにとっても多くの自由が与えられることになるようですね。
車体デザインについては「すぐれたアイデア」が出てきているものの、まだまだ開発の初期段階でもあり、予定する販売台数、ターゲットプライス、そしてパッケージングについても「今年中に決める」といったスピードで進められている(つまりは急いでいない)もよう。
一般的に、ピュアエレクトリックカーという前提に立つ場合、これまでにないような車体デザインが可能となり、一部の自動車メーカーは「全く新しい」ボディ形状を提案していて、たとえば(計画が潰えてしまった)アストンマーティン・ラゴンダもそのひとつ。
そしてレクサスLF-30エレクトリファイドや・・・。
キャデラック「インナースペース」といったクルマも。
-
キャデラックが完全自動運転、超ラグジュリーな2人乗りの「インナースペース」を発表!次の10年を見据えたコンセプトカー
| キャデラックは他社が難しいとする完全自動運転を目指すようだ | 最終的な目標は「衝突ゼロ、排出ゼロ、渋滞ゼロ」の世界 さて、キャデラックがラスベガスにて開催中の家電見本市、CESにてコンセプトカー ...
続きを見る
ちなみにポルシェは(スポーツモデルを除く)フラッグシップとしてミニバンのようなクルマを検討しているといい、これもミニバンというよりは「全く新しいボディ形状を持つクルマ」なのかもしれません。
-
え?ポルシェがミニバン?SUVラインアップのフラッグシップとして7人乗りの「セダンとSUVの中間のような」クルマを発売するもよう
| ポルシェはクルマが売れない時代に向け、自社のクルマを選んでもらえるための努力を続けている | 現在ポルシェに欠けているのは「3人以上の子供がいる家族がゆったり移動できる」クルマ さて、ポルシェがS ...
続きを見る
使用する技術には様々な選択肢
加えて、ステファン・ヴィンケルマンCEOは「プラットフォーム、電気モーター、バッテリー技術について、どのコンポーネントを自社独自に開発し、どれをVWグループの他のブランドと共有するかを自由に選択できる。これは私たちが持っている大きなアドバンテージででもある」と述べ、「しかし、両者の絶妙なバランスを保つ必要がある」とも。
その理由についてはもちろん「どんなクルマであろうとも、それが本物のランボルギーニでなければならない」ためで、フォルクスワーゲングループ内のほかブランドのクルマから「バッジを付け替えた」だけのクルマであってはならない、ということですね。
なお、現時点では「ランボルギーニ初のピュアEV」は、アウディが中心となって開発している「アルテミス」アーキテクチャを採用する可能性が高いと見られており、となると先日報じられた「ポルシェが開発する、アルテミスよりも高性能な電動アーキテクチャ」ではない、ということになりそう。
ランボルギーニに要求される性能を考慮すればポルシェ開発によるプラットフォームを使用すべきですが、ランボルギーニはフォルクスワーゲングループの中でもアウディ直下にあり、アウディを裏切って(アルテミスではなく)ポルシェ製プラットフォームを使用するというのは現実的ではないのかもしれません。
-
ポルシェがVWに対し131億円の違約金?VWの工場で生産する予定だった旗艦EVをキャンセルし、自社工場で生産することにしたためトラブルに
| ポルシェはそれだけのお金を「捨てて」でも、自分たちの思う通りのクルマを作りたい | そこまでしてできてくるフラッグシップEVには期待 さて、現在ポルシェはフォルクスワーゲングループに属し、一見する ...
続きを見る
明確なのは「まったく新しいクルマであること」
上述の通り、ステファン・ヴィンケルマンCEOは、第4のランボルギーニに関して「慎重」な部分と「明確」な部分があるとコメントしていて、慎重な部分が「どんなクルマにするか」ということだとすれば、「明確」なのはエレクトリックモデルであること、そしてまったく新しいクルマであることだとコメント。
そしてこの「まったく新しい」というのは、ランボルギーニにとって新しいというだけではなく、自動車業界的に見ても「新しいセグメント」ということを指しているようですね。
なお、この「第4のランボルギーニ」について、発表されるのは2027年か2028年だと見られており、直近だと2022年にはウルスのフェイスリフトと派生モデル、そして2種類のウラカンの派生モデル発表が控えており、2023年にはおそらくアヴェンタドール後継モデル、さらに2024年にはウラカン後継モデルが発表されることになりそうです(そして、第2世代のウルスはピュアエレクトリック化され、第4のランボルギーニのあとに発表されるようだ)。
つまりここから数年、ランボルギーニは非常に忙しい年を過ごすことになり、電動化に向けて進むことになりますが、ステファン・ヴィンケルマンCEOいわく「少なくともスーパーカーセグメントについては、内燃機関にもまだ希望がある」。
「この先どうなるかはわかりません。スーパースポーツカーのビジネスでは、ホモロゲーションや持続可能性のルール、そして合成燃料によってハイブリッド化が許されるのであれば、ハイブリッド化の期間を延長することもあり得ます。これは、私たちが今のところ開けている扉なのです」。
合わせて読みたい、ランボルギーニ関連投稿
-
ランボルギーニ初のピュアEVはアウディとポルシェとの共同開発、そして2+2となり2027年あたりに発売との報道。プラットフォームはVWグループ入魂のSSP
| ランボルギーニはフェラーリやマクラーレン、アストンマーティンと比較して「VWグループのシナジー効果」の恩恵に浴することができる | おそらくはランボルギーニの今後の展開について、やや方向性が変わる ...
続きを見る
-
ランボルギーニCEOが「2022年はウラカンに派生モデル2つ」「ウルスに2種のフェイスリフトモデル」発売と明言!なおウラカンとウルスPHEVは2024年、ウラカン後継にはV10非搭載の可能製
| ウラカン派生モデルは「オフロード版」「地味なSTO」と言われるが、ウルスのフェイスリフトには隠し玉の可能性も | ランボルギーニは2022年以降も積極的にニューモデルを追加 さて、ランボルギーニは ...
続きを見る
参照: Autocar