| ポルシェはクルマが売れない時代に向け、自社のクルマを選んでもらえるための努力を続けている |
現在ポルシェに欠けているのは「3人以上の子供がいる家族がゆったり移動できる」クルマ
さて、ポルシェがSUVラインアップのフラッグシップを発売するのでは、という報道。
これはミニバン状のボディ形状を持つとされますが、フォルクスワーゲングループ内における「ランドジェット」プロジェクトの一部だといい、同じような「フラッグシップミニバン」はアウディやベントレーからも登場する可能性が指摘されています。
なお、アウディでは「アーバンスフィア」コンセプトの市販モデルとして登場するんじゃないかと考えられているようですね。※画像はアウディ・アーバンスフィア・コンセプトのティーザーイメージ
セダンとSUVをミックスしたようなクルマに?
この「ポルシェのミニバン」計画はアトランタにて開催されたポルシェのディーラーミーティングにて提示されたものだといい、その場ではイメージ画像が提示されたそうですが、今回はその提示されたという画像は出回っておらず、報じられているのはその「印象」のみ。
この車両はSSP(スケーラーブル・システム・プラットフォーム)を使用するといい、まずはプラグインハイブリッド、そしてその次にピュアエレクトリック版が登場する予定だとされ、ボディ形状としては「セダンとSUVとの中間」、そしてリアセクションはステーションワゴンのように「切り立った」形状をしているといいます。
加えて、この「(SUVの)フラッグシップとなるニューモデル」は若い購買層の取り込みを意識しているといい、7人乗りとなる可能性も指摘されていて、となると「ステーションワゴンのようなリヤセクションを採用する」ことにも合点がゆきますね。
そしてポルシェがこのミニバンで7人乗りレイアウトを採用する理由としては「3人以上の子供がいる家庭であれば、現在のポルシェのラインアップであれば選択肢が限られ、ほかメーカーのクルマへと顧客が流れる」こと、そしてそれを防ぎたいというもの。
ポルシェは「自動車が売れなくなる」と踏んでいる
なお、ポルシェはかねてより「将来的に自動車が売れなくなる」と睨んでおり、そのために様々なビジネスに挑戦しようとしていて、同時に自動車についても最大限の可能性を追求しています。
このままゆくと、自動車は「楽しみ」のために乗るのではなく「移動手段」としての性格が強くなるとも(ポルシェは)考えていて、そうなると、現在の顧客のガレージに「911とカイエン」といったクルマが並ぶのではなく、「(家族すべての要望を網羅できる)1台のみのクルマ」のみが収まると考えているようですね。
そしてそうなったとき、その一台にポルシェが選ばれなければ会社として生き残ることはできず、その答えのひとつが「ミニバン」なのかもしれません。
ただ、ミニバンとはいえど、トヨタ・アルファードのように背が高いものではなく、ホンダ・オデッセイのような、やや低めの車高を持つクルマとなるだろう、と推測しています。
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参照:Automotive Business