| コレクターによって大事に保管され、適切に整備・メンテナンスが施されたグッドコンディション |
近年ランボルギーニ・ミウラの相場は上昇中、このミウラも相当な高値を記録しそう
さて、5月にRMサザビーズがモナコにて開催するオークションにて、わずか21台のみしか製造されたなかった米国向けのランボルギーニ・ミウラSVが登場するとして話題に。
ミウラSVは1971年に登場したミウラSの改良版で、ヘッドライトのまつ毛がなくなり、リアフェンダーが拡大され、テールランプのデザインも変更を受けたほか、機能面ではキャブレター、潤滑油系、サスペンションの変更などが行われた「完成形」とも言えるモデルで、総生産台数は150台だと伝えられています。
ちなみに昔から北米市場というとスーパーカーのメインマーケットではありますが、それにも関わらず北米での販売比率が小さいのは当時ミウラが北米に正規にて輸入されていなかったためだと思われます(カウンタックについても、北米へ正規輸入されるようになったのは1982年以降)。
この車両は当時ランボルギーニの広報用として用いられる
なお、このランボルギーニ・ミウラのシャシーナンバーは4884で、ランボルギーニが当時の宣伝用資料やパンフレットに写真を使用した個体だといい、当時北米でランボルギーニのインポーターを努めていたボブ・エステス氏とアルベルト・ペドレッティ氏が輸入を行い、1971年6月18日に納車されたという記録が残ります。
アメリカに上陸したのち、このミウラは、1971年のボストン・オートショーで一般公開され、カンザス州のジャック・ロビンソン氏が最初のオーナーとなり、さらにその後の1977年に走行距離12,275マイル(19,754km)にて次のオーナーであるアラン・ブラウン博士へと売却され、同博士のコレクションとして2005年まで(博士が亡くなるまで)保管されています。
その後、ジョー・サッキー氏がこのミウラを購入してカリフォルニアにあるミウラのレストア業者に送り、ベルトーネのオリジナルシート材を装着して完全にレストアされることに。
そして2015年にはドイツ在住の現オーナーの手に渡ることになりますが、2017年には17万ユーロを投じて美観とメカニズムの再調整も行われており、この過程ではエンジンがオーバーホールされ、ベアリング、シリンダーライナー、バルブガイド、タイミングチェーン、ガジョンピン、エアトランペット、ピストンリング等が新品に交換されています。
そのほかキャブレター、オルタネーター、オイルポンプ、ウォーターポンプもオーバーホールされ、トランスミッションには新しいクラッチ、ベアリング、シンクロナイザーが装備された、とのこと。
ちなみにミウラSVでは(それまでの上下2分割から)縦3分割へとテールランプのデザインが変更。
ヘッドライト周辺のまつ毛がなくなり「ブラックペイント」が施されるのみとなりますが、まつ毛の廃止は「製造コストがかかりすぎたから」だと言われています。
-
ランボルギーニ・ミウラSVは今年で50周年!ミウラSVで「まつ毛」が採用されなかったのは「製造に手間がかかるから」だった!
さて、ランボルギーニが「ミウラSVが50周年を迎えた」と発表。ミウラシリーズ最初の市販モデルであるミウラ「P400」は1966年に発売されており、その後1968年には「ミウラS」、そして1971年には ...
続きを見る
このランボルギーニ・ミウラSVのインテリアはこうなっている
そしてこちらは今回出品されるランボルギーニ・ミウラSVのインテリア。
当時はさほど珍しくなかった「ネイビー」です(ガヤルドの前期モデルまではこういった”オールネイビー”インテリアが設定されていた)。
カウンタックに比較すると足元はちょっと広く、ペダルレイアウトに余裕があるようにも見えますね。
ある意味「衝撃的な」ヘッドレストの位置。
シート中央はこれも当時比較的多かったと思われるモケット張り。
ステアリングホイールはブラックレザー。
ダッシュボードやメーターフードはレザー張り。
いかにもスーパーカーらしい、ゲートが切ってあるシフトレバー。
合わせて読みたい、ランボルギーニ・ミウラ関連投稿
-
ランボルギーニ・ミウラSVが予想を大きく超える4.5億円で落札!「たった一台しか生産されなかった」特別仕様のミウラSVに迫る
| ”イオタ”由来のドライサンプ、リミテッド・スリップ・デフを装備 | Gooding&Companyの開催したオークションにて、1971年製ランボルギーニ・ミウラP400 SVが「予想価格上 ...
続きを見る
-
すんごいランボルギーニ・ミウラが出てきた!40年間放置され、レストア時に「無塗装」にて仕上げられる。SF映画に出てきそうな雰囲気だ
| 競売に出品され、予想落札価格は2億5000万円。だがもっと上がっても良さそうだ | 無塗装で仕上げるという発想はまったくなかった さて、おそらくはランボルギーニでもっとも価値が高いと思われるのがラ ...
続きを見る
-
世にも稀な「ドライサンプ化」されたランボルギーニ・ミウラが競売に。ミウラ史上最高額で落札とのウワサ
| ドライサンプ化したのはランボルギーニのエンジニア | ただでさえレアなランボルギーニ・ミウラの中でも「さらにレアな」ミウラSVがRMサザビーズ開催のオークションに登場予定。最高落札価格は1億700 ...
続きを見る