| 右ハンドルのランボルギーニ・ディアブロ6.0VTは生産わずか12台のみ |
この希少車をなぜ友人に貸したままにしておいたのか、友人ははぜクルマが消えたことを黙っていたのか
さて、世にも奇妙な出来事というのは往々にしてあるもので、今回は「有人に貸したランボルギーニ・ディアブロが知らぬうちに盗まれ、そして警察によって発見され、さらに無残な姿になっていた」というニュース。
これはイギリスにて起こった事件だと報じられていますが、このディアブロを盗んだ人もしくはグループがパーツや車体を売却しようとしたものの、うまくゆかずに放置したものと見られています。
現在、触媒はじめ各種自動車のパーツが高値で取引されており、一部では「麻薬や強盗よりもリスクが小さくリターンが大きい」として、自動車やパーツを狙った犯罪が増加中だとされますが、今回のディアブロもそういったひとつの例なのかもしれません。
今回のランボルギーニ・ディアブロの1件はこうして起こった
そこで今回の事件についてですが、順を追って説明してゆくと、まずこの2001年式ランボルギーニ・ディアブロ6.0VTの所有者は英国に住むアリスター・マキロップ氏なる人物だと報じられています。
なお、このディアブロ6.0VTはわずか12台しか製造されていない右ハンドル車のうちの一台だといい、まず彼はコロナウイルスのパンデミック前にこのディアブロを有人へと貸し出すことに。
この希少なクルマを貸すということ自体、にわかには信じがたいものの、お互いの仲はそれほど深かったのかもしれませんね。
その後、このランボルギーニ・ディアブロ6.0VTは変わり果てた姿で発見されることに
その後約3年が過ぎ、しかしお互い忙しくて連絡を取る時間がない状態であったものの、アリスター・マキロップ氏がある日警察から受け取った一本の電話によって事態が急変します。
その電話の内容とは「アリスター・マキロップ氏のランボルギーニ・ディアブロ6.0VTを、誰かが別に登録しようとしている」というもので、そこでアリスター・マキロップ氏はびっくりしてこのディアブロを貸した有人へと連絡を取ったというのがコトのはじまり。
そしてその有人は「自分のもとに、いま(借りた)ディアブロ6.0VTはない」と認め、しかしその友人いわく「てっきり、アリスター・マキロップ氏が自分のもとからディアブロ6.0VTを回収していったものだと思っていた」。
ちょっとこれも無責任な話ではあるものの、アリスター・マキロップ氏はひとまずランボルギーニクラブUKの幹事を務めるチロ・チャンピ氏に連絡し、2022年12月にイングランド南西部のサマセットにある廃墟となった農場内の建物にて、変わり果てた姿でディアブロ6.0VTが発見されることになるわけですね(ランボルギーニクラブに連絡したのは、希少車であるがゆえ、なんらかの売買の話を聞きつけた人がクラブ内にいるかもしれないと考えたからだと思われる)。
そして車両を見てみると、エンジンそのものは無事であったものの、フロントフードやドア、バンパー、ライト、グリル、エンジンカバーなど多くの部品が抜かれており、これらはどこかへ販売された可能性が大。
アリスター・マキロップ氏、チロ・チャンピ氏は発見されたディアブロ6.0VTを仔細にチェックした結果、このディアブロを再び路上では知らせるには失われたパーツを「新たに購入する」より「不法に売却されたパーツを取り戻す」ほうが安上がりだと判断し、現在5,000ポンドの賞金をかけて情報提供を募っています。
なお、すでにいくつかの情報提供があったようで、そのひとつは2021年にエセックスにある「カー・キー・ソリューション」にて撮影されたというSNS上に投稿された映像。
このショップは合鍵の作製とコーディングを依頼され、その際にこのディアブロ6.0VTを持ち込んだ人物は「鍵をすべて無くしてしまった」とショップに伝えたといい、この際の映像を見ると、偽造ナンバープレートを取り付け、そしてクルマは原型をとどめたまま。
そしてこの映像に映っているクルマがアリスター・マキロップ氏のものだと断定した理由は、バンパーを「焼け」から保護するために取り付けていたシールド、そしてステッカーなどだといい、そう考えると「自分のクルマだと」判断できる固有の要素をもたせておくことは重要なのかもしれませんね。
アリスター・マキロップ氏、チロ・チャンピ氏がこのショップ(カー・キー・ソリューション)とコンタクトを取ったところ、ショップ側が犯罪に加担したわけではないことが判明し、しかしショップはこのディアブロ6.0VTを持ち込んだ人物の連絡先を教えてくれたため、現在は警察に通報した上で調査を進めている段階なのだそう。
この後にどういった状況に発展するのかはまだわかりませんが、一刻も早く窃盗犯が捕まり、盗まれたパーツが戻ってくるといいですね。
盗まれ、そして発見されたランボルギーニ・ディアブロを紹介する動画はこちら
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