| おそらくは多くの部分がオリジナルのまま、そして歴史的な価値も非常に高いものと思われる |
カウンタック LP5000 クワトロバルボーレはめったに売り物が出てこない
さて、意外と「ありそうでない」イエローのボディカラーを持つランボルギーニ・カウンタック LP5000 クワトロバルボーレ(QV)が競売に登場。
ボディカラーはジャッロ・フライ(イエロー)、インテリアカラーはテスタ・ディ・モロ(ブラウン)という組み合わせを持ち、生産されたのは1988年、シャシーナンバーJLA12300、エンジン番号1514だと紹介されています。
ランボルギーニ・カウンタック LP5000 クワトロバルボーレはこんなクルマ
ランボルギーニ・カウンタックLP5000 クワトロバルボーレは1985年に登場し、大きな特徴としてはV12エンジンを「4バルブ化」したことで、これが車名”クワトロバルボーレ=4つのバルブ”の由来に。
生産は1998年まで行われ、631台が製造されたという記録が残り、今回出品されるカウンタックは比較的「最終」に近い、ということになりますね。
なお、4バルブ化に際してキャブレター(ウェーバー製)をサイドドラフトからダウンドラフトへ、そして排気量は5,200ccへと拡大されていますが、北米仕様は(エミッション規制に適合させるため)ボッシュ製Kジェトロニック燃料噴射装置を備えます(欧州仕様は455馬力、US仕様は420馬力)。
トランスミッションはもちろん5速マニュアルで、V12エンジンの前、つまり室内側にトランスミッションが位置します。
そのため、カウンタックのシート左右の間にはこういった大きなトンネルがあるわけですね。
さらにはランボルギーニではじめてコンポジット(複合)素材を採用したクルマとしても知られ、米国ではじめて形式認定を受けたカウンタックとなり、これによってランボルギーニは北米市場での未来を切り開くこととなっています(そのため、生産台数はカウンタックのシリーズ中では、この後に登場する25thアニバーサリーに次ぐ2番めである)。
このランボルギーニ・カウンタック LP5000 クワトロバルボーレはこんな経歴を持っている
工場出荷時の装備としては、15インチOZスタッガードホイール、リアウィング、レザーシート、オートマチックエアコン等で、販売店による改造は、アンサ製マルミット・エキゾースト、ユーロスタイルのフロントバンパー、ユーロ仕様サイドリフレクター、リアだとUS仕様ラバーバンパレット(いわゆる5マイルバンパーだと思われる)を取り外した程度だと報告されています。
このカウンタックは、1988年1月にニューヨークを拠点とするランボルギーニの米国正規輸入代理店、ジョー・ナスタシに新車で納入され、その後2010年にデンマークのコレクターによって購入された際に米国から輸出されることになり、2014年にはドイツのコレクターへと売却済。
これにあわせて登録がドイツに移り(デンマーク人コレクターはアメリカ登録のままにしていた)、当時のオーナーはこの車をヨーロッパ仕様へと変更することに。
2021年になると、オートクレーマー(Auto Kremer)によって新しいクラッチ、バルブカバーガスケット、4本のタイヤセット交換を含む大規模なエンジンアウトサービスを受け、現在に至ります。
そのほか、装備としてはLSD、サイドスカート、アルパイン製ヘッドユニットなどが紹介されていますが、この「サイドスカート」を装着して生産されたランボルギーニ・カウンタック LP5000 クワトロバルボーレは30台にも満たない、とのこと。
なお、カウンタックLP5000 クワトロバルボーレは「フェラーリ・テスタロッサに対抗」したカウンタックのアップグレード版だという位置づけなので、もしかするとこのサイドステップもテスタロッサの「ボディサイドのフィン」を意識したのかもしれません。
そしてこのインテリアカラーは「極めて」珍しく、このボディカラーとの相性もなかなかに良さそう(ルーフライナーなどにはライトブラウンも使用されている)。
シートの一部にはパンチングによる装飾も。
この仕様もかなり珍しいんじゃないかと思います。
なお、北米向けにKジェトロニックを搭載した仕様は66台のみだとされるので、「Kジェトロニック+サイドスカート装着」車の数は相当に少ないと考えてよく、さらにこのカラーコンビネーションを考慮すると、このカウンタック LP5000 クワトロバルボーレと同じ仕様を持つ個体は他にないかもしれませんね。
走行距離は17,286kmなので比較的「少ない」たぐいでもあり、オークション終了まで半日を残して358,000ドル(現在の為替レートにて約4930万円)にまで価格が上がっています。
ちなみに今回このランボルギーニ・カウンタック LP5000 クワトロバルボーレを出品しているサイトには多数の「シャシー裏側」の写真が掲載されていて、今までには見たことがないような角度から様々なパーツが捉えられています。
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参照:Car&Bids