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ランボルギーニが「イタリアで最も働きたい企業」1位に選出される。世界を魅了するスーパーカーブランドが選ばれる理由とは

ランボルギーニ・ウラカンのアートカー「ミノタウロス」

| 相変わらずランボルギーニは「ホワイト」「グリーン」企業っぷりを発揮 |

いったい「どれくらい給料がいいのか」ちょっと気になる

フェラーリと並び世界中の自動車ファンを熱狂させ続けるスーパーカーブランド、「アウトモビリ・ランボルギーニ」。

2026年5月、ランボルギーニはイタリアで最も魅力的な企業を表彰する「ランドスタッド・エンプローイヤー・ブランド 2026(Randstad Employer Brand 2026)」において「総合1位を獲得した」と発表し、企業としての魅力がより高まった成果であるとアナウンスしています。

「給与がいいから?」「ブランドが有名だから?」――もちろんそれらも大きな要素ですが、現代の優秀な人材がランボルギーニを「最高の職場」として選んだ理由は、それ以上に深い「働きやすさの改革」にあり、今回の受賞の背景、そしてぼくらがこれからの働き方を考える上でのヒントについて考察してみたいと思います。

この記事の要約(30秒でわかる注目ポイント)

  • 快挙達成: ランボルギーニがイタリアの主要企業150社の中で「最も魅力的な雇用主」総合1位に選出
  • 驚異の支持率: イタリアの求職者・労働者の「79.8%」という圧倒的多数が同社を理想の職場と回答
  • トレンドの変化: 労働者が求める条件として、10年ぶりに「競争力のある給与・福利厚生(59%)」が首位に
  • 勝因は独自施策: 高待遇に加え、心身の健康を支える独自のウェルネスプログラム「ランボルギーニ・フィーロソフィー(Feelosophy)」が高評価
ランボルギーニ博物館にて、エントランスに飾られているオブジェ

なぜランボルギーニは「もっとも働きたい企業」に?

世界最大級の人材サービス企業であるランドスタッド(Randstad)社が実施した「エンプローイヤー・ブランド・リサーチ 2026」は、世界34カ国、17万1,000人(イタリア国内では7,170人)を対象とした、極めて客観的かつ大規模な独立調査です。

労働者が本当に求める「5つの条件」

近年の激しい人材獲得競争の中、働く側が企業に求める期待はどんどん複雑化しており、2026年の調査では過去10年間で初めて「競争力のある給与と福利厚生」が最重視される項目(59%)としてトップに返り咲くことに。

しかし今回、ランボルギーニが1位に輝いたのは単に給与が高いからではなく、同社は以下の5つの要素を高いレベルで循環させる「先進的なワークプレイス」を構築しています。

  1. 適切な報酬と充実した福利厚生(最重視項目)
  2. 心地よい職場の雰囲気
  3. ワークライフバランス(仕事と私生活の調和)
  4. 雇用の安定性
  5. キャリアアップ・成長の機会

これらすべてにおいて求職者から「理想の環境」と認められたことが「79.8%」という驚異的な支持率に繋がったというわけですね。

ランボルギーニの猛牛アート(ランボルギーニ博物館にて)

ランボルギーニの強み・特徴(スペックと独自プログラム)

なぜランボルギーニはここまで人を惹きつけるのか、その組織の「スペック」と独自の取り組みをまとめてみると以下の通り。

ランボルギーニの雇用・組織スペック

詳細・実績
本社・生産拠点イタリア、サンターガタ・ボロニェーゼ(Sant’Agata Bolognese)
従業員数3,000人以上(高度な専門性を持つエコシステムを形成)
主要表彰・認証・Randstad Employer Brand 2026 総合1位
・UNI/PdR 125:2022(ジェンダー平等認証)を更新
近年の労使協定組織的な柔軟性(フレキシビリティ)と勤務時間短縮ポリシーの導入
人材育成デジタル変革(DX)や生成AI、電動化に対応する継続的なトレーニング

独自ウェルネスプログラム「ランボルギーニ・フィーロソフィー(Feelosophy)」

ランボルギーニの働き方改革の核となっているのが2021年から導入されている「Feelosophy(フィーロソフィー)」というホリスティック(包括的)なウェルネスプログラムですが、これは、従業員のパフォーマンスを高めるため、以下の3つの柱(ピラー)からのアプローチを行っています。

  • Body(身体): 心身の健康維持、医療サポート、フィジカルウェルネスの促進
  • Mind(精神): メンタルケア、社内での「アクティブ・リスニング(積極的傾聴)」による意見の吸い上げ
  • Purpose(目的): 企業の未来に向けた共通のゴールの共有、個人のスキル向上とエンパワーメント

さらに、直近の新しい労働協定では、ただでさえ魅力的な環境に「柔軟な勤務時間」をプラスしており、こうした「信頼と傾聴」をベースにした企業文化が、伝統ある“Made in Italy”のモノづくりを支えているというわけですね(ちょっと前には、週休3日を導入したという報道もあった)。

ランボルギーニ・マガジンからの抜粋

なお、実際にランボルギーニ本社を訪れて聞いたところでは、社員食堂に「糖尿病患者用メニュー」があったり、結婚式などの記念日にはランボルギーニ車の貸し出しを受けることができたり等の特別なプログラムがあるといい、とにかく「従業員が大事にされている」という印象(働いている人はランボルギーニに対して強い誇りを持っていた)。

このほか、過去には「男女の賃金格差が基本的に無い」「師弟制度があり教育体制がしっかりしている」「業務とは直接の関係がないものの、新米のパパママに対する情報共有などの支援制度が整っている」などが報じられているのは記憶に新しいところです。

イタリアはランボルギーニ本社併設の博物館へと行ってきた。カウンタック、ミウラなど、どういった展示がなされているのかを見てみよう【動画】
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自動車業界の市場における位置付けと競合比較

自動車業界、特にウルトラハイエンドなスーパーカー・ハイパーカー市場において、ブランドの「格」を守るためには優秀なエンジニアやデザイナー、職人の確保が絶対条件です。

競合(フェラーリなど)との人材獲得競争

ランボルギーニの本社所在地である、(イタリアの)モデナを中心とする一帯は「モーターバレー(Motor Valley)」とも呼ばれ、ランボルギーニのほか、フェラーリ、マセラティ、パガーニなどの名門、そしてアレスなどのコーチビルダーがひしめき合っています。

これまで「ブランドの知名度」や「レースでの栄光」が重視されがちだった(つまりフェラーリが優位にあった)この地域において、ランボルギーニが「最も働きたい企業総合1位」を獲得した意味は小さくはなく、今後はいっそう人材の確保において「有利」な立場となるのかもしれませんね。

参考までに、昔からこの業界においては「優秀な人材の確保」が非常に難しかったようで、それを解消する意味において、エンツォ・フェラーリは「エンジニアを要請する学校」を設立したほどです。

ランボルギーニ本社正面
フェラーリ博物館に展示される「ワンオフの」フェラーリたち
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結び

今回のランボルギーニのランドスタッド賞受賞は、「企業にとっての評判を高めるニュース」にとどまらず、「高い給与」という現実的なベースを満たした上で、「心身の健康(ウェルネス)」や「多様性の尊重(ジェンダー平等)」、そして「最先端スキルを学べる環境」を本気で提供する企業だけが、これからの時代に選ばれるという強力なメッセージなのだとも考えられます。

世界を魅了するV12やV8の爆音、そして未来の電動スーパーカーの裏側には、こうした「働く人々を誰よりも大切にする」という、ランボルギーニの情熱的な組織改革があったというわけですね。

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参照:Lamborghini

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