F1で5回のワールドチャンピオン獲得、24のグランプリで勝利をあげたファン・マヌエル・ファンジオが実際にレースで乗ったマセラティ300S(1956年製)がオークションに登場予定。
これはポルトガル・グランプリとブラジル・グランプリの2つで優勝を飾った個体とのことで、エンジンは3リッター直6、ツインカム/トリプルキャブ仕様。
シャシーはスペースフレーム製でボディ自体はアルミ製となっており、当時フェラーリ250TRやジャガーD-Typeとともにひとつの時代を築いたモデルとされています。
同じマシンをドライブした、かのスターリング・モス卿も「お気に入りのレーシングカーのひとつ」としており、「もっともバランスに優れる車の1台」だとも。
クラシックカーやレーシングカーにおけるオークションだと「フェラーリ」が圧倒的に高額で落札される傾向にあるものの、今回のように優勝経験のある個体はフェラーリでなくともかなりな額にまで落札金額が上昇することも多く、今回のマセラティ300Sも(ファンジオのドライブした車ということもあり)やはり記録的な額で落札されるかもしれませんね。
なおファン・マヌエル・ファンジオは1911年生、1995年没。
アルゼンチンに生まれ、11歳からメカニックとしての経験を積んでレースに参戦。
アルファロメオ、マセラティ、メルセデス・ベンツからレースに参戦し、とくにF1の「ワールドチャンピオン5回」はミハエル・シューマッハーがその記録を破るまで「46年間誰も超えることができなかった」偉業です。
引退後はパガーニの設計に関与し、パガーニ創始者であるオラチオ・パガーニ氏も同じアルゼンチン出身であるファン・マヌエル・ファンジオを強く尊敬したとされており、パガーニ各モデルが「メルセデス・ベンツ製の」エンジンを積んでいるのもファン・マヌエル・ファンジオの推薦(とコネクション)によるもの。