| その外装もEVっぽくカスタムされる |
ここまでうまくカスタムされたEVコンバートはそうそうお目にかかれない
さて、ホンダS2000はトヨタ・スープラと並んでカルト的な人気を誇る日本車のひとつ。
そのためこれまでにも様々なカスタムが施されたS2000がネット上を賑わせてきましたが、今回は「テスラのエレクトリックモーターに換装した」ピュアエレクトリックなS2000が話題に。
この「EV S2000」はライワイヤ・モータースポーツ・エレクトロニクスによって製作されたものですが、細部に至るまでじつによくできており、その内容を見てみましょう。
EV S2000のバッテリーは前後に2つ
このEV S2000に搭載されるエレクトリックモーターは上述の通り「テスラ製」ですが、バッテリーパックについてはシボレー・ボルトからの流用だと紹介されており、前後に1つづ搭載されています。
容量は合計38kWh(マツダMX-30 EV Model、ホンダeよりもわずかに大きい)、そして一回の満充電あたり走行可能距離はおおよそ160~193km程度だそうですが、あまり航続距離が「長くない」のは出力を500馬力に設定しているからかもしれません。
なお、駆動輪は後輪のみで、クワイフ製のリミテッド・スリップ・ディファレンシャルが装着されており、あのほまれ高い高回転型エンジン、F20Cを捨てたとしても「走り」は捨てていないようですね。
そしてリアトランク内にもバッテリーが設置され、前後重量配分が大幅に改善されていそうです(フロントのバッテリーも可能な限り車体中央に積まれている)。
こんな感じでロアトランクの車体中心線上、かつ低い位置にバッテリーが搭載され、運動性能を高く意識していることがわかります(バッテリーの上には安全のため、クリアカバーが装着されている)。
ちなみにリアにはテールパイプが残されており、これが何を意味するのはか全く不明。
ただしパイプは奥の方につながっているので何らかの機能があるものと思われ、もしかすると擬似サウンド発生装置なのかも。
フロントバンパーは「EVらしく」閉じられることになり、しかしフォルクスワーゲンのEVシリーズ、「ID」よろしく、メッシュの中にLEDが仕込まれています。
そしてドアミラーも「EVらしく」もともとの形状からスリムなエアロ形状へ。
ホイールもまたEVらしく「ディッシュ」形状を持つものの、一箇所だけ楕円状にくり抜かれていて、走行時にはバランスの問題が出るんじゃないかとちょっと心配に。
なおブレーキシステムはしっかり強化済み。
シート後方にはスピードスターっぽいカウルが装着されています(S2000 CRの純正パーツを加工)。
EV S2000のインテリアはこうなっている
そしてこちらはEV S2000のインテリア。
キックプレートにはアルミにCNC加工を施し「EV S2000」の文字が再現されますが、このプレートはサイズを変えて車体の数カ所に取り付けられているようですね。
シートはスパルコ製のバケット形状へ。
ステアリングホイールはアルカンターラ巻きの小径サイズ。
ドアインナーパネルもアルカンターラにて張替え済み。
パーフォレイト(穴あき)加工、パディングなど様々な手法が用いられ、ステッチはシートとあわせて「レッド」を採用しています。
メーターは専用品へと置き換えられており・・・。
点灯するとこう。
ポジションセレクターは3Dプリンタによる削り出し。
全体的に見て、ただ単に「ガソリンエンジンを、エレクトリックモーターとバッテリーに置き換えた」だけではなく、S2000本来の性格でもある「スポーツカー」のポテンシャルをさらに引出し、かつEVとしての要件もしっかり満たそうとした素晴らしいカスタムカーだといえ、しかもそこに高い加工品質も加わることで理想的な一台に仕上がっているように思います。
まだまだ現時点ではバッテリー価格やコンバートにかかるコストを考慮すると「現実的」とはいえないEV化カスタムですが、近い将来、こういった例が増えてくると、その改造費用もぐっと下がってくるのかもしれませんね。
ホンダS2000のEVコンバート、「EV S2000」を紹介する動画はこちら
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参照:Hoonigan