
Image:Bulletproof Automotive
| 一般に「スーパーチャージャーは高回転に向かない」とは言われるが |
その常識を覆すホンダS2000が登場
ホンダS2000の生産終了からすでに15年が経過していますが、このピュアスポーツカーが今なお多くのファンに愛されているのは御存知の通り。
そんなS2000を極限までチューニングしたのが、ロサンゼルス拠点のバレットプルーフ・オートモーティブ(Bulletproof Automotive)です。
同社はチューニングパーツの開発やレーシングカー製作を手掛ける企業でもあり、今回製作したモデルは「S2000 BP25」と名付けられ、創業25周年を記念する一台としてSEMAショー2025に出展されています。
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🔧 エンジン:580馬力&1万回転仕様の2.0Lスーパーチャージドユニット
ボンネットの下には新たに組み上げられた2.0リッター直列4気筒エンジンを搭載し、このユニットはVortech V2-Siスーパーチャージャーを備え、最高出力は580馬力/9,300rpm、最大回転数は10,000rpmにも達します。
なお、スーパーチャージャーは一般に「高回転には向かない」とされていますが、それでもターボではなくスーパーチャージャーを選んだのは「低回転でのトルク不足」を補うことが目的であったのかもしれません。
エキゾーストシステムにはアミューズ製チタンマフラー(マニホールド含む)を採用し、燃料系にはインジェクター・ダイナミクス製インジェクターとScience of Speed製レーシングヒートエクスチェンジャーが装備されています。
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⚙️ トランスミッション&駆動系
トランスミッションはS2000のAP2型6速マニュアルを使用しているそうですが、ショートシフターとACT製軽量フライホイールが組み合わされ、ドレクスラー製LSD(リミテッドスリップデフ)を介して後輪を駆動。
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🦾 サスペンション&ブレーキ
サスペンションはトップシークレット製スーパーダンパーコイルオーバーキットを中心としてJ’s Racing、Spoon、EVSなどのコンポーネントを組み合わせ、ブレーキにはブレンボ製ピスタ(Pista)キャリパーを採用し、フロント6ピストン、リア4ピストンという仕様を持っています(アメリカ製のみではなく、世界中から最適なパーツを選択し組み合わせている)。
🛞 ホイール&タイヤ:和の“槌目(つちめ)”デザイン
ホイールは19インチBP-RWエボリューションで、日本の包丁や金属工芸に使われる「槌目(つちめ)」模様をモチーフにデザインされ、タイヤはもちろん(SEMAだけに)トーヨー・プロクセスR888R(295/30ZR19)。
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🪶 外装:カーボン×ワイドボディの“ダークパンサー”
ボディキットはヴァリス(Varis)製「ダークパンサー」ワイドボディキット、そしてカーボンファイバー製エアロパーツ、ベント付きボンネット、大型ウイング、軽量トランクを備えていますが、ユニークなのはボディカラーにランボルギーニ純正色「バルーンホワイト」を選択していること。
同社の初号車「コンセプト・ワン」と同じ塗装色ではありますが、この「バルーンホワイト」は日本人オーナーがランボルギーニへと特注したことで誕生したパールホワイトで、それ以降ランボルギーニの人気色として定着したのだそう(当時、スポーツカーやスーパーカーに「ホワイト」という選択肢はなかったそうで、しかしこのホワイトがあまりに新鮮で、そしてランボルギーニに似合っていたという理由から)。
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🏁 インテリア:レーシングスピリット満載
キャビン内には、RS-Gリミテッドエディションシート、MUGENロールバー&ステアリングホイール、Willans FIAレーシングハーネスが装備され、ダッシュボードやドアパネル、ヘッドライナーはブラック・アルカンターラ仕上げで統一されています(見たところ、品質はかなり高いレベルにある。オーディオシステムも備わるようだ)。
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🎯 まとめ:S2000の可能性を“極限まで”引き上げた一台
バレットプルーフによるS2000 BP25は単なるレストモッドではなく、ホンダS2000という名車の本質を現代技術で再構築した究極の形であると受け取ることもでき、1万回転まで吹け上がるエンジン、そして美しく仕上げられたボディは、ホンダが誇る”VTEC魂”を現代へと伝える存在であるとも考えられます。
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