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マツダCEO自らが「ツインロータリーエンジンを開発中」と宣言。どうやらアメリカ市場の「パワーへの渇望」に対応すべく、発電容量を増やしアイコニックSPをパワフルにする計画か

マツダCEO自らが「ツインロータリーエンジンを開発中」と宣言。どうやらアメリカ市場の「パワーへの渇望」に対応すべく、発電容量を増やしアイコニックSPをパワフルにする計画か

Image:Mazda

| ただし、もともとアイコニックSPは「ツインローター」ロータリーエンジンを搭載するという想定である |

おそらく、市販時にはコンセプトカー段階よりも大きく出力が引き上げられるであろう

さて、マツダはロータリーエンジンの未来に真剣に取り組んでおり、2023年初めに「MX-30 e-Skyactiv R-EV」にてロータリーエンジンを発電機として復活させたのち、2024年初めには専任のロータリーエンジンチームを再結成した、と発表しています。

そこでは現在、36人のエンジニアが「顧客を興奮させる魅力的なクルマ作り」に取り組んでいるとされ、このロータリ-エンジンを活用した”アイコニックSPコンセプト”の市販バージョンの開発に集中しているというのがいまの状況であると思われます。

マツダが新型コンセプト「アイコニックSP」発表。ロータリエンジンで発電して走るEV、リトラクタブルヘッドライト風のヘッドライトなど過去の車へのオマージュも
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マツダは「ツインローター」エンジンの実用化を検討中

今回、このアイコニックSP、そしてロータリーエンジンの最新情報として伝えられるのが「ツインローター」を搭載するロータリーエンジン。

アメリカ市場でますます厳しくなる排出ガス規制をクリアすることが「大きな挑戦」であることを認めつつ、しかし、アメリカではより多くのパワーが求められるため、マツダの毛籠勝弘CEO自らが「ツインローターシステムを開発している」と言及することに。

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そして毛籠勝弘CEOいわく「シングルローターでテストしました。次のフェーズはツインローターです。ローターは1本のシャフトを持ち、異なるチャンバーで別々に回転しますが、より多くの電力を生成する事が可能です。そしてこのツインローターは、アメリカ市場に適した”より多くの電力”を生み出します」。※ロータリーエンジンは理論上、「串に刺した団子」のように、団子の数を増やすことが可能である

このコメントを見るに、ツインローターといえどもこのエンジンが「車輪を動かす直接の動力に使用される」ことはなく、あくまでも「車輪を回転させるエレクトリックモーターに電力を供給するため」に使用されるということがわかりますが、たしかにアイコニックSPはもともと「レッジエクステンダーEV(EREV)」としての提示であったので、この毛籠勝弘CEOのコメントはそれを「裏付けた」ということになりそうです。

マツダ アイコニックSPはこんなクルマ

アイコニックSPコンセプトは初代ロードスターに敬意を表しつつも「マツダの未来」を示したクルマであり、コンセプト段階ですでに「縦置きのツインローターエンジン」が搭載されています。

ただ、上述の通りこのエンジンはホイールを駆動せず、バッテリーを充電する発電機としてのみ機能しますが、エレクトリックモーターは365馬力を発生させ、ほぼ完璧な50:50の重量配分を実現していることが大きな特徴で、つまるところ「いたずらにパワーを追求したクルマではない」というわけですね(ただし北米ではパワーに対する渇望があり、このクルマの発表後に365馬力では到底足りないという意見があったのだと思われ、それが今回のコメントに結びていているのだと思われる)。

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車体重量は1,450kg、全長4,180ミリ、全幅1,850ミリ、全高1,150ミリというかなりコンパクトなスポーツカーではありますが、マツダのデザイナーは「見栄えを良くするため、コンセプト段階では(これでも)大きめに作っている」「市販(量産)時にはロードスターくらいのサイズに縮小することもできる」とコメントしています。

なお、毛籠勝弘CEOは最近発表されたSkyactiv-Zエンジンについても言及し、ターボチャージャーを搭載しないことにも触れています(ただし世界中のマツダファンが望むのはターボ化されたパワフルなエンジンだと思われる)。

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「通常、自然吸気エンジンは、このような厳しい規制に対応するために出力を30%減少させなければなりません。しかし、このエンジン(Skyactiv-Z)は、その理論に反して、出力を維持しつつ優れた環境能力を提供します。」

この新しいガソリンエンジンは2027年に生産車に搭載される予定で、マツダの「究極の」内燃エンジンであり、ここから先の10年間に導入されるであろう”より厳しい”規制をクリアするために設計された全く新しいパワートレインですが、既存のSkyactiv-GおよびSkyactiv-Xに取って代わることとなり、文字通りの次世代パワーユニットというわけですね。

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参照: Automotive News

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