| パジェロ・エボリューションは25年ルール対象となるためアメリカでも人気が出そう |
時すでに遅し、日本ではもう在庫が枯渇
さて、「エボ」といえばランエボ(ランサーエボリューション)ですが、三菱はかつてパジェロにも「エボリューション」を設定していたことがあります。
これはダカールラリーのT2クラスに参戦するためのホモロゲーション取得用モデルであり、「エボリューションとつけば何でも売れる」という三菱の商業的な考え方をあらわしたモデルではなく、本気のハードコアモデルです。
ただ、当時は「パジェロと名が付けばなんでも売れる」という風潮もあり、パジェロジュニアやパジェロミニといった派生モデルが登場したのも確かですね。
パジェロ・エボリューションの内容はかなり本気
パジェロ・エボリューションの発売は1997年で、搭載されるエンジンは3.5リッターV6、最高出力は280馬力、最大トルクは264lb-ft(358Nm)/3,000rpm、0−100km/h加速は8.1秒。
メタルトップのショートボディバージョンをベースにしており、専用のフロントバンパーにスキッドプレート、前後オーバーフェンダー(90ミリ拡大されている)、まるでツノのようなリアスポイラーなどを装着しますが、外観だけではなく車体も大きく増強されており、曲げ剛性とねじり剛性はそれぞれ44%と33%向上しています。
さらには増加した発熱量に対応すべくラジエター面積と開口部を拡大していて、ボンネット上には大型ダクト、フロントフェンダーサイドにはエア抜き用のエアアウトレットも装備されています。
悪路走破性を高めるためにサスペンションも強化されており、前後サスペンションのストロークは240ミリと270ミリへと向上し、さらにはハイブリッドLSD(ヘリカルLSDとビスカスLSDとの組み合わせ)が装備されるなど「レースに勝つための装備」が満載されているのもパジェロ・エボリューションの特徴(この頃の三菱の本気はスゴかった)。
実際のところパジェロ・エボリューションは1985年から2007年にかけてダカール・ラリーで12勝をあげており、三菱の、そしてパジェロにとっての黄金期を築いた要因ともなっています。
そして当時のパジェロ人気は凄まじく、スキーブームということも手伝い(映画「私をスキーに連れてって」は1987年公開)、パジェロに乗っていればとにかくモテるといった風潮があったのもこの頃ですね。
そしていつも不思議に思うのは、なぜあれほどまでに人気があったパジェロが一気に盛り下がってしまい、SUVブームにおいても盛り返せなかったのか。
その理由は誰にも説明できないのかもしれませんが、これほどまでに人気が出て、そしてこれほどまでに失速し、販売が終了してしまったクルマをほかには知りません。
なお、このパジェロ・エボリューションは2500台のみが生産され、今回販売されている個体は最初に日本で登録されたものなのだそう(その後オーストラリアに輸入され現在に至る)。
ボディカラーはソフィア・ホワイト(ほかにはサテライト・シルバーとパッション・レッドが選べた)、そして走行距離は180,756キロだと紹介されています。
ちなみにシートはモケット張りなのでレーシーな印象はないものの、レカロ製が奢られています。
予想落札価格は最高で75,000豪ドル(日本円で625万円くらい)を見込んでおり、この年式、そして走行距離を考慮するに、かなりの高額落札が予想されているということになりますね。
なお、このパジェロ・エボリューションは今年で「25年ルール」対象となり、アメリカでの登録が可能となるため、相当数が日本から流出するものと思われます。※ちなみにカーセンサー上の登録は1台のみ、価格は「応談」
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参照:SHANNONS