
| 各自動車メーカーとも、過去のモデルを盛り上げることで現在の後継モデル、ひいては自社のブランド価値を高めたいのかもしれない |
それにしても世界的な「オフロード嗜好」の盛り上がりには驚かされる
さて、日産がSEMAショーに展示する布陣を公開。
その内容を見るとかなりオフロード色が強く、これは現在のアメリカ市場の嗜好を的確に反映しているのかもしれません。
ただ、その中で異彩を放っているのが初代フェアレディZ(240Z)のオフロードカスタムで、これは映画「ワイルド・スピード」にてハンを演じたサン・カン氏の製作した車両に影響を受けたとされ、ベースとなるのは1971年式240Z。
SEMAにメーカー自らがレストモッド車両を展示するのは珍しい
なお、SEMAは「アフターパーツの見本市」であり、通常だと自動車メーカーはいくつかのパーツメーカーとタイアップし、直近で発売された新型車のプロモーションを兼ねて(その新型車の)カスタム車両を展示することが大半です。
ただし今回日産は現在販売されていない、つまりセールスにつながらない240Zをカスタムしており、これはなかなかに珍しい例と言えるかもしれません(もちろん、240Zをモチーフにした新型フェアレディZの販促も兼ねているのかもしれませんが)。

ちなみにホンダはSEMAに1996年モデルのアコードワゴンを展示するとも公表していますが、こういった「昔の車」のカスタムを行い、それをメーカー自らが展示することについては「中古市場の活性化」、そしてそれによるブランド価値の向上を狙いたいという考えがあるのかもしれません。
このフェアレディZに話を戻すと、「DocZ」と呼ばれており、2.8リットルにボアアップされたL24エンジンを搭載していますが、カスタムヘッド、トリプルウェーバーキャブ、カスタムエグゾーストなどが装着され、その他にも「完全にリフレッシュされたサスペンション」、「新しいボディパネル」、「16インチの78年式ナナコロビ・ヤオキ・ホイール」などが採用されている、と紹介されています。
タイヤ直径が拡大されてイマ風のタイヤステッカーが貼られ、ルーフにはラックとスペアタイヤ/ホイール、そしてリアウインドウにはルーバーが取り付けられていますね。
日産はパスファインダーとフロンティアのカスタムカーも投入
そして日産はほかにもプロジェクト・オーバーランド・パスファインダーの展示を行うと発表しており、これは比較的簡単な改造でクロスオーバーの性能を向上させることを目的としています。
特にこのモデルには、ビルシュタイン製のカスタムショックを装備した2インチリフトキットの試作品が装着され、Maxxis RAZR ATを取り付けた18インチのNISMOオフロードホイールも。
スタイリング面ではカスタムフロントバンパーガード、フォグランプ、ルーフラックなどを装備し、カスタムロックレール、RIGd社製ウルトラスイング・マルチフィット・ヒッチキャリア、さらにEgoé ネストボックス・キャンパー・コンバージョン社による、キッチンとベッドを備えた改造インテリアも見どころだと紹介されています。

そのほかの一台、プロジェクト・オーバーランド・フロンティアは、2インチのフロントリフトを含むNISMOオフロード・パフォーマンス・サスペンション・キットを装備し、SPCフロント・アッパー・コントロール・アームにxAxisシールド・フレックス・ジョイントを装着して走行性を向上させ、リアだと、リモートリザーバー付きのパフォーマンスショックとカスタムリーフスプリングで2インチのリフトアップを行っています。
加えてヘビーデューティーフロントバンパー、ベッドラック、ルーフトップテント、Maxxis RAZR MTタイヤを装着した17インチNISMOオフロードホイールなどを装備し、アディショナルライト、キャットバックエキゾーストシステム、TruckVaultオールウェザーベッドドロワーシステム、ARB冷蔵庫、ARBエアコンプレッサーなども装備され、「どこへでも出かけてゆき、泊まることができる」装備を持つようですね。

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もちろん日産も、それらに負けじとNISMOからオフロード対応パーツをどんどんリリースすることになりそうです。
