日産がSEMAに「1971年にラリーで優勝したダットサン240Zサファリ」オマージュの「サファリ・ラリーZトリビュート」を展示。新型フェアレディZがオフロード仕様に

｜　昨今の「スポーツカーのオフローダー化」ブームに乗り、ぜひともこのラリー仕様フェアレディZを発売して欲しい　｜

ニッチな市場でもあるためか、なかなかこういったクルマは市販されない

さて、日産が今年のSEMAショーにおいて、トミー・パイク・カスタムズが製作した「サファリ・ラリーZトリビュート」および「ダットサン240Zサファリ・ラリーカーのレプリカ」を展示すると発表。

なお、日産はこの「1971年にイースト・アフリカン・サファリ・ラリーで優勝したダットサン240Z”11号車”に対するオマージュを捧げることがたびたびあり、ちょっと前に発表された「GripZ（グリップズ）」コンセプトも同様のカラーリングを持っていて、2021年にもダットサン240Z”11号車”へのトリビュートだと明言されるジューク ラリー・トリビュート・コンセプトが発表されています。

ダットサン240Zサファリ・ラリーカー（レプリカ）はコレクターの所有

今回SEMAに展示されるダットサン240Zサファリ・ラリーカーはコレクター（ランディ・ジャッフェ氏）所有のレプリカを日産が借り受けたものだとアナウンスされていて、同じ車両が（最近日産が公開した）ブリー・ラーソン主演のCM「60 Years in 30 Seconds」にも登場しているのだそう（日産が所有するダットサン240Zサファリ・ラリーカーも日産の有志がレストアしたものだと聞いたことがあるので、日産はこれまで公式にこれを保存し活用しようとは考えていなかったようだ）。

それはともかくとして、日産が新しく製作したサファリラリーZトリビュートにつき、7代目日産フェアレディZが公道とサーキットの両方でファンを獲得したことを受け、その爽快感を”舗装路以外”での冒険にも生かすことができるスポーツカーをイメージして製作されたのがこのクルマ。

製作を担当したのは上述の通りトミー・パイク・カスタムズで、昨今の "サファリ "トレンドを意識し、サスペンションをリフトアップしたほか、スキッドガードや各種ランプ類、オフロード走行に対応したタイヤの装着といったカスタムが施されています。

サファリラリーZトリビュートはこんなディティールを持っている

足回りはKW製の”サファリ”サスペンションとNISMOサスペンションとの組み合わせによって車高が2インチアップされ、17×7.5インチのNISMO製”サファリ”プロトタイプホイールにダート用ヨコハマGEOLANDAR M/T G003タイヤを装着することに。

パワートレインやシャシーの重要部品を保護するため、フロントバンパーガードとスキッドプレートを新たに採用し、NISMOによるオフロードLEDライトを装着することで、ダスティなコンディションやナイトレースに対応できるように改装がなされ、インテリアでは4点式ハーネスを装備したカスタムロールバー、レカロ製ポールポジションシートの採用といったところがトピックです。

なお、助手席にはナビゲーターが使用するクリップやストップウォッチといった装備も取り付けられ、大きく気分を盛り上げてくれます。

サファリラリーZトリビュートのパワートレインには、AMSがチューニングした400馬力オーバーのVR30DDTTエンジンに、NISMO製トラックキャタバックエキゾーストシステム、コールドエアインテーク、カーボンファイバーエンジンカバー、クーラントエキスパンションタンク、ヒートエクスチェンジャー、ストリートツインディスククラッチ＆フライホイール等が組み込まれ、SEMAショーにふさわしい仕上がりとなっているもよう。※SEMAショーはアフターマーケットパーツの見本市である

参考までに、新型フェアレディZの企画段階では「オフローダーもしくはSUVとして発売する」といった案もあったそうで（この話は複数回出ている）、しかし結果的には「初代フェアレディZオマージュ」の姿にて登場しているわけですが、初代フェアレディZの1つのアイコンだと言える「ダットサン240Zサファリ」、そして実現しなかったといえども一時は真剣に議論された「フェアレディZをSUVに」というコンセプト、さらにはポルシェ911ダカールやランボルギーニ・ウラカン・ステラートのような「オフロード志向のスポーツカー」が登場し注目を浴びている昨今、日産にはぜひ「オフロード仕様のフェアレディZの発売」を真剣に検討して欲しいところです。

実際に日産は「ラリーで活躍し、勝利した」という他のスポーツカーメーカーがなかなか持ち得ないヘリテージを持っており、他社との差別化、そしてそういったクルマを発売することに対する動機づけの面においても問題はなく、今後の動きには注目したいと思います。

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参照：NISSAN