さて、日産は新型フェアレディZプロトを発表したところですが、ネット上の評判は「期待外れ」という声が多い模様。
S30やZ32世代のフェアレディZをフィーチャーした「ネオレトロ」なデザインを持つものの、どうも中途半端という意見が散見されます。
なお、ぼくとしては「コストダウンが著しい」という印象を受けており、というのもインテリアにおいて手動パーキングブレーキを採用していたり、インフォテイメントシステムからいまひとつ先進性が感じられないため。※ただ、試乗の意見を広く集めて改良を行うためのプロトタイプ公開であり、不評であった点は発売までに改良されると思われる。ベントレー・ベンテイガ、アストンマーティンDBXもそうだった
実は日産も迷っていた
そして日産は「実際には採用されなかった」新型フェアレディZのスケッチも公開。
これらを見るに、370Zの延長線上にあるものや、Vモーショングリルを採用した現在の日産らしいデザイン、そしてジュークのような円形ランプを強調したデザインも見られます。
そして日産は「なぜフェアレディZプロトタイプがレトロなデザインになったのか」も公表していて、それによると”これまでの歴史に深いオマージュを捧げるか、未来志向を貫くか、2つの方向性を検討した”とのこと。
つまりレトロ路線採用か、もしくは過去ではなく未来を見て新しいデザインを作ってゆくかということですが、結果的には「幅広い年代のファンとオーナーの間で高い人気を誇った理由を調べながら、検討とスケッチを重ね」、結果的にレトロなデザインに落ち着いた、とのこと。
なお、「未来」という観点においては、過去に「フェアレディZをSUVへとコンバートする」という案があったことも以前に報じられており、ちょうどその頃に作られたのが「GripZ(グリップズ)」コンセプトだと思われます。
ちなみにシボレーは(日産とは逆に)C8コルベットの開発において「過去のファンの意見を意見を聞いていては、客層が老朽化して未来がない」として、メインの客層であるベビーブーマーをバッサリ切り捨てることに決め、”未来”のみを見たクルマ作りを行っていますね。
新型フェアレディZにはATそしてホットバージョンも存在
新型フェアレディZプロトタイプの目玉の一つは、近年のスポーツカーのほとんどが失ってしまった「マニュアル」トランスミッションを持つことですが、いくつかのメディが報じるところでは、日産のフェアレディZ開発責任者でもある田村宏志氏の弁として「ATの投入」「ホットバージョン」がある、とのこと。
ホットバージョンとはすなわち「NISMO」バージョンとのことだと思われ、しかしながらいつ発売されるのかについては言及されなかったようですね。
なお、今回日産はフェアレディZプロトタイプのスペックについて公開してないものの、おそらくは「400馬力」になるだろうと言われており、ニスモバージョンについては480馬力という見方もあるようです。
加えて、「ハイブリッドモデル追加の可能性はある」「しかしオープンモデルはいまだ協議中」だとも報じられています。
新型フェアレディZは欧州では販売されない
加えて日産は公的に「新型Zは欧州で販売しない」ともコメント。
その理由としては「欧州ではスポーツカーの市場が縮小しており、さらに年々厳しくなる排ガス規制に対応しなくてはならず、そのための改良を施すと、到底ビジネスとして割に合わない」というもの。
これには納得ではあるものの、スポーツカーにとっては厳しい時代になりつつある、ということが重い現実として再認識させられます。
参照:NISSAN, Cars Guide, Car Advice, Motoring