![生産わずか1,000台、大型リアウイングを装着した幻の(フェアレディ)280ZXRが競売に。ディーラーが仕入れるもなぜか販売されず、1979年の「新車」のまま](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2023/12/Nissan-280ZXR.png)
| まさかこんな「隠された」希少なフェアレディZが存在したとは |
いったいどれくらいの価格で落札されるのか、オークションの開催を楽しみに待ちたい
さて、モータースポーツのカテゴリによっては参戦するレーシングカーの承認を得るために同様の仕様を持つ市販車を販売しなければならないケースがありますが(つまりホモロゲーションモデル)、その結果としてフェラーリ250GTO、ポルシェ911GT1、ランチア・ストラトス、ダッジ・チャージャー・デイトナ、プリマス・スーパーバードといった自動車史を語るのに欠かせないモデルが誕生しています。
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ダットサン280ZXRはこんなクルマ
そして今回紹介するダットサン280ZXもそういったモデルの一つであり、しかし販売されたのがアメリカ市場のみであったことからほとんど名を知られていない幻のクルマ。
![14](https://live.staticflickr.com/65535/53372286678_b24e192a5d_c.jpg)
これは日産がIMSAおよびSCCA に参戦するに際し、大型のリアスポイラーを装着しようと考えたものの、規定によって「同様のリアウイングを装着した市販車を販売する必要があったため」に特別なリアウイングを取り付けて一般向けに販売したとされています。
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販売されたのは1979年のみ、そして生産台数は1,001台〜1,009台だと言われ、この大型リアスポイラーは時速160マイル(約257km)にて400ポンド(約181kg)のダウンフォースを発生するとされ、実際に1979年のレースでは(この280ZXRを使用した)エレクトラモーティブ チームがGTU クラスの15レースにおいて9レースで優勝したことからもその威力がよくわかろうというもの。
![5](https://live.staticflickr.com/65535/53371191292_812756b20a_c.jpg)
ちなみにエンブレム類は「280ZX」のままで・・・。
![10](https://live.staticflickr.com/65535/53372552275_d7c1fe4f65_c.jpg)
ステッカーにて「ZXR」だということが示されるにとどまり、これらを見るに日産は「急ごしらえ」で当時この280ZXRを用意したのかもしれません。
![9](https://live.staticflickr.com/65535/53372416094_98d1e9b23b_c.jpg)
このダットサン280ZXRは「未走行」
今回出品されるダットサン280ZXRは、マサチューセッツ州バークレーのセント・イヴ・モーター・セールス(おそらく日産の正規ディーラー)が1970年代後半に仕入れたものですが、仕入れた後には検査を実施し準備を整えたものの、なんらかの理由にて販売することがなかったのだそう。
![6](https://live.staticflickr.com/65535/53371191282_4cfdf875f1_c.jpg)
よってメーターはわずか15マイルを指しており、完全にオリジナルの状態を保っています。
![2](https://live.staticflickr.com/65535/53372416104_9c136fcaee_c.jpg)
今回の出品に際し、スペアのストライプ キット、オリジナルのウィンドウ ステッカー(北米で販売時に提示されるもの)、ディーラーによるスペックシートも含まれているといい、コレクション価値はかなり高いと言えるかもしれません。
![16](https://live.staticflickr.com/65535/53372552270_11d8b30a49_c.jpg)
なお、すべての280ZXRはこの「シルバーミスト」にペイントされ、さらにはボンネットと側面に(いずれも同じ)青いストライプが施されていた、とのこと。
![8](https://live.staticflickr.com/65535/53372286613_7b65ceb297_c.jpg)
ホイールやタイヤもオリジナルのままだと考えてよく、同じコンディションのダットサン280ZXRを見つけることは非常に困難であると予想されます。
![3](https://live.staticflickr.com/65535/53372100836_d1ac4ddc62_c.jpg)
搭載されるエンジンは2.8リッター直列6気筒で、しかし当時は規制が厳しかったために発生するのはわずか135馬力。
![1](https://live.staticflickr.com/65535/53371191252_aeb87defc8_c.jpg)
トランスミッションは5速マニュアル、もちろん駆動輪は後輪のみ。
![4](https://live.staticflickr.com/65535/53372552220_c56bf3a01d_c.jpg)
なお、このクルマを落札した人が実際に280ZXRを走らせるかどうかはわかりませんが、製造から相当な年数が経過していることを考慮すると、燃料パイプ系の劣化が想定され、まずは徹底的なレストアが必要になるものと思われます。
参考までに、オークションを主催するメカムでは予想落札価格を出していませんが、「あまりにレアすぎて」算出にかかわるデータがなかったのかもしれませんね。
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