| スバル360は軽自動車初の4人乗り、日本初の大衆車だった |
スバル360のパトカーがオークションに登場予定。
このオークションはエルクハートにてRMサザビーズが(2020年5月1日に)開催するもので、その目玉の一つがこのスバル360ということになります。
スバル360は1958年に発売されていますが、その後1970年まで製造され、総生産台数は392,000台。
これはもちろん大きなヒットと言ってよく、そのヒットの理由としては「軽く、パワフルで、安価で、4人乗れたから」だと言われています。
このスバル360が登場するまでの軽自動車は2人乗りのみで、重く、非力で、高価であったそうで、実際のところスバル360は「軽自動車初の4人乗り」だそう。
これを実現できたのは航空機製造をバックボーンに持つスバルならではの軽量車体構造の実現、優れたパッケージングであったからだと伝えられていますが、このヒットがスバルを「技術優先の会社」にしてしまい、その後長らく販売現場や消費者の声を聞かない、技術者ファーストの環境が続く原因になったとも報じられています。
スバル360はこんなクルマ
スバル360のボディサイズは全長2,995ミリ、全幅1,295ミリ、全高1,335ミリ。
このサイズで4人乗りというのはまさに驚異的ですが、開発の成り行きそのものは、ポルシェ創業の理由である「世の中を見回すと、小型で効率的で、経済的なスポーツカーはどこにもなかった。だから自分でつくろうと考えた」というものと通じるものがあり、当時どの自動車メーカーにも実現できなかったことにチャレンジし、なし得たということに大きな意義があると思います。
なお、エンジンは空冷2気筒、排気量は365cc。
出力は15馬力、重量は385kgだという記録が残ります。
トランスミッションは4速マニュアル、ブレーキは4輪ドラム式。
このスバル360は「ニュージーランド警察仕様」
RMサザビーズによると、このスバル360について、「ニュージーランド警察(運輸省管轄)のカラーリング」と表記されているだけで、実際に公務に当たったパトカーなのか、それとも「ニュージランド警察仕様のレプリカ」なのかは不明。
ただ、その程度の良さ、内装のファッショナブルさからするに「レプリカ」なんじゃないかと考えられるものの、無線等の装備を見ると「本物かも」と思ったり。
フロントには一部ダメージが残りますが、それもまたご愛嬌。
ナンバープレートのフレームを見るに「SUBARU SPECIALIST」の文字も確認できます。
ボンネット上の立体6連星は今見るとなんともオシャレ。
リアホイール前には金属製のストーンガード。
ルーフにはランプバー、そしてサイレンにランプ類。
インテリアは現代の基準からしてもけっこうスタイリッシュで、ステアリングホイール上にはパンチング加工されたレザーが巻かれています(昔はこんなデザインが多かった)。
シートはパトカーの外観にあわせたのか、ホワイトとブラックのツートンカラー。
メーターはマイル表示。
左ハンドル、マイル表示というところから見ると「アメリカ仕様のスバル360をニュージランド警察仕様にカスタムした」と考えるのが妥当かも。
2名分の警察官が被る帽子も付属(バッジを見るとレプリカっぽい)。
なお、2010年にも同様の「警察仕様のスバル360」が190万円ほどで落札された記録がありそうですが、今回の出品に関しては予想落札価格が表示されておらず、いくらで落ちるのかはオークションの結果を見るしかなさそうですね。
VIA: RM Sotheby's