| そこには製造工場の持てる技術が注ぎ込まれていた |
トヨタRAV4は高岡工場と長草工場(トヨタ自動織機)で製作していますが、このうち高岡工場のスタッフが製作したRAV4の80cmストレッチ版、「TAKAOKAスペシャル」なる個体が存在する模様。
これは工場の技術研究のために制作されたもので、販売はしないものの「オフィシャル」と言って良さそうですね。
トヨタRAV4の製造工場は国内では2箇所
高岡工場では工場見学車向けにRAV4リムジンを紹介しているようで、こういった説明用資料も用意。
リムジン製作にあたってはシャシーを切断してセンター部を追加しストレッチしており、ここで溶接や板金、パテ仕上げという様々な技術が使用されています。
実際に延長するとこんな感じになり、ドアの上部ラインが波打っているように見えますが、これはもともとのRAV4のベルトラインがウエッジシェイプを持つためで、フロントドアと後部ドアとをつなげる中間部はどうしてもこういった形になってしまうため(美的なものを追求したための作品ではないからだと思われる)。
ただ、それでもノーマルのドアをそのまま使用するのではなく、ここでも様々な技術を用いており、この車両の製作が技術の研究に役立っているようですね。
ちなみに「走行」することも考え、一定の強度を持つとのことで、リフトで持ち上げては落とす、という厳しい(激しい)耐久試験をなんどか繰り返している、とのこと。
フロントフェンダー、ボンネットには「RAV4 TAKAOKA」というグラフィックが入りますが、これはペイントでもデカールでもなく「NC加工による”彫り”」。
かなり珍しい仕上げだと思いますが、このRAV4には工場の持てる様々な技術を用いている、ということになりますね。
もともとこのNC加工機は工場が保有するものだそうですが、「パネルを削ったのは初」なのだそう。
トヨタRAV4リムジンのインテリアはこうなっている
ちなみにインテリアはこう。
オリンピックをイメージしてダッシュボードには東京2020マークをモチーフにしたチェック、そしてダッシュボード上にはこれもオリンピックモチーフのオリーブ柄が入っています。
トヨタはオリンピックのワールドワイドパートナーですが、もしかするとこの車両をどこかで使用する予定があったのかもしれませんね。
80センチのストレッチは後席足元の延長に充てられ、その分足元が広くなり、テーブルやオットマンが設置されています。
その後は敷地内で試乗(このRAV4リムジンについては登録不可、そして登録する予定がないのだと思われる)。
おもいのほか乗り心地は良いようですね。
なお、実際に走行するためには配管や配線等を(当然ですが)80センチ延長してあるとのことで、見える部分よりも見えない部分での苦労が多そうです。
なお、トヨタは工場見学も受付中。
元町工場・高岡工場・堤工場が対象となっており、詳細はこちらに記されています。
参照:クルマ業界女子部チャンネル, トヨタ自動車
もう一方の長草工場も負けてはいない
そして高岡工場とともにRAV4を生産する長草工場も以前にRAV4のワンオフモデルを発表しており、東京オートサロン2020にて「RAV4アドベンチャーギア」と命名されたカスタムRAV4を公開しています。
山岳救助用救援車両をイメージしたといい、ルーフトッププラットフォーム、リヤバンパーステップ、アクセスグリップ、追加ストレージといった装備が与えられ、ボディカラーも専用色に、そしてオフロードタイヤが装着されており、特別仕様車として(ハリアーとの棲み分けのためにも)発売すればけっこう人気が出そうですね。
参照:Motor Fan