| 1968年に3台のみが製造され、そこそこの成績を収めるも、なぜか1シーズン限りで撤退する |
残る2台の所在はわからず、おそらくはコレクターが「隠し持っている」ものと思われる
さて、世の中には様々な「知られざるレアカー」が存在しますが、今回グッディング&カンパニーの主催するオークションに「3台しか製造されていない、シェルビー・トヨタ2000GT」が出品されることに。
シェルビーというとあの「GT40」や「コブラ」で有名なあのアメリカの会社ですが、1968年シーズンに向けてトヨタとタッグを組んだことがあるといい、今回出品されるクルマはその際に製作された3台のうちの一つ、ということになりますね。
なお、トヨタによれば、当初はデイトナ・コブラ・ファストバックをデザインしたピート・ブロックとの共同作業を進めていたものの、SCCA(スポーツカークラブ・オブ・アメリカ)参戦直前になりキャロル・シェルビーの手にプロジェクトが渡ることになったのだそう(その後ピート・ブロックはダットサンと手を組むことになる)。
シェルビー・トヨタ2000GTはある程度の成績を収めたが
はたしてキャロル・シェルビーはトヨタ2000GTの防音や断熱材を取り払って軽量化を行い、マグネシウム製ホイールにワイドタイヤを装着し、強化されたアンチロールバーやコニ製スプリングそしてショックアブソーバーを組み込みこととなり、エンジンは148馬力から200馬力へとパワーアップすることに。
そして1968年にはSCCAと参加してポルシェやロータスと争うこととなりますが、ポルシェを打ち負かすことはできなかったものの「それほど悪い結果ではない」成績を収めたと言われます。
そしてなぜかトヨタは1年でプロジェクトを引き上げてしまい、その後シェルビー・トヨタ2000GTがレースを走ることはなく、3台のみ製造されたシェルビー・トヨタ2000GTは「散り散りに」なってしまったもよう。
今回オークションに出品されている一台は1980年以来同じオーナーが所有しているとされ、見ての通り非常に優れたコンディションを持っています。
このシェルビー・トヨタ2000GTがオークションに登場するのは「初」だといい、そのためグッディング&カンパニーはエスティメートを出していないものの、「(トヨタとシェルビーとのダブルネームだけに)軽く1億円は突破するだろう」と見られているようですね。※通常のトヨタ2000GTでも1億円近い価格で落札されている
なお、2000GTは日本のモータースポーツにおいては一定の成功を収めており、1966年の日本グランプリでは3位に入賞しているほか、1ヶ月後の鈴鹿1,000kmではワンツーフィニッシュを飾っています。
トヨタ2000GTはおそらく「日本車としてはもっともコレクション価値が高く、もっとも高額で落札されるクルマ」だと思われ(その次は日産フェアレディZ432R?)、そして3台しか生産されていないこと、現在再評価の機運があるシェルビーが手掛けたクルマということもあり、「想像を絶する」価格での落札となってもおかしくはなさそうです。
今回出品されるシェルビー・トヨタ2000GTを紹介する動画はこちら
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