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トヨタがbZ4X専用の生産ラインを国内に設置し2025年から生産を行うとの報道!ただしそれでも現状を打破することはできないだろう

2022/12/31

トヨタがbZ4Xのハブボルト問題をついに解決し3ヶ月ぶりに生産を再開!ただしこれとは別にエアバッグの不具合が見つかり、さらに北米では減税対象から外れることに

| EVほど各社の戦略が分かれ、そして判断によって優劣が決まってしまうセグメントもほかにないだろう |

おそらくトヨタが今後相当な苦戦を強いられることは間違いない

さて、ここ最近EVの方向性について様々な報道がなされているトヨタですが、今回は「EV製造ラインを国内工場に設ける検討に入った」と報じられています。

これは先日報道された「現在のプラットフォーム(e-TNGA)を使用したEVだとコストが高く価格競争力を打ち出せない」というものに関連した内容だと考えてよく、「採算性を高める」「EVの設計を骨格から見直す」「それらによって”出遅れ”ていたEVの巻き返しを図る」というもの。

トヨタは現在のままではほかの自動車メーカーに「置いてきぼり」をくらってしまう

トヨタはハイブリッドカーにて電動化に先鞭をつけながらも、ハイブリッドに固執してしまったがためにピュアEVにおいては完全に他者に置いてゆかれる形となり、かつマルチパワートレーン戦略の推進に加え、「EVはそもそも顧客が欲しがる選択肢ではない」という認識を持っており、これらの理由によって純電気自動車の発売が大きく遅れてしまうこととなっています(成功体験にしがみついてしまった)。

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さらに「どうせEVは一部のアーリーアダプターしか買わず、普及しない」と考えたのか、安価なEVを作る努力を怠ったようで、その間にテスラはじめ多くの自動車メーカー(中国の自動車メーカーまでも)が高い性能を持ち、しかし価格が安いEVを開発し実際に発売するところまで来たわけですね(ここでも目算が狂っており、EVへの移行がトヨタの想定より早く進み、多くの人々がEVの購入を積極的に行うようになった)。

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トヨタbZ4Xは競争力に欠けていた

そしてトヨタが満を持して発売したEV(bZ4X)はサッパリ売れず、そこでトヨタはようやく自社EVの価格性能比や魅力が他者に比較して大きく劣っているということに気づくことになり、bZ4Xに採用されるe-TNGAプラットフォームの採算レベルである「350万台」はどうやっても達成できないという現実を認識せざるをえなくなります。

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そこでトヨタは「このままe-TNGAを採用し続ければ、モトが取れないどころかEVがさっぱり売れず、EV市場における競争力を完全に失ってしまう」という危機が目前に迫った状態となってしまい、よってe-TNGAを捨てて新しく(コストの安い)EV用プラットフォームを開発するしかないという結論を出しつつあると言われているわけですね。

ただ、今から新しいプラットフォームを開発すると(市販までに)5年はかかるとされ、しかし(成長著しいEVセグメントにおいて)ここからの「5年」という空白が致命傷となることは間違いなく、5年後にトヨタがEV市場に”再参入”したとしても、すでにトヨタのためのスペースが残されていない可能性が大きいのかもしれません。

よってトヨタは今後の戦略をいくつかのフェーズに分けて進めることになるとも報じられており、まずは現在のe-TNGAを使用しつつ可能な限りのコストを下げ(そのためサプライヤーに協力を要請するようだ)、これと並行して価格競争力のある新型プラットフォームを開発するもよう。

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そして今回の報道は「第一フェーズ」に相当するものだと思われますが、これによると高岡工場(愛知県豊田市)内にbZ4X専用ラインをつくり、2025年に増産を始めるとのことで、生産規模は最大で年間20万台に達すると報じられています(それでも、この数字は大きくない)。

しかし2025年というと、競合他社がさらに多くのEVを投入している時期でもあり、そこへ新しいラインで製造したbZ4Xを投入したとしてもそのインパクトは大きくないのかもしれず、今となってはどうしようもないのだと思われますが、当初の判断を誤ってしまったのかもしれませんね(トヨタの他にも、急速なEVへの移行について異論を唱える自動車メーカーが存在するが、それらはちゃんとEVを開発した上で異議を唱えている)。

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参照:Asahi.com

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