トヨタがNASCAR用「カムリXSE」発表。これまでのレーシングカーに比較して「より市販モデルのカムリに近くなるよう」デザインされる

｜　NASCAR用レーシングカーは基本構造からして「市販車とは別モノ」である　｜

おそらくはトヨタのNASCARレーシングカー史上、「もっとも市販モデルに近いデザイン」を持っている

さて、先日トヨタは市販車としてのカムリを発表していますが、今回は2024年NASCARカップシリーズシーズン用のXSE（レーシングカー）を公開。

このカムリXSEは、2021年に登場し、過去2シーズンで18勝と25回のポールポジションを獲得したカムリTRD Next Genの後継モデルという位置づけで、そのルックスが「より市販車に」近づいたようにも思います。

なお、NASCARに使用される車両はいずれも市販車を模しているものの、実際には市販車をベースにしているわけではなく、スチール製のチューブラーフレームにV8エンジンを載せ、そこへ「市販車風の見た目を持つ”ガワ”」をかぶせたもの。※ヘッドライトやグリル（の多く）はステッカーにて再現されている

エンジンもOHV、トランスミッションも4速に制限され、ハイテクデバイスの使用もほぼ禁止されたシンプルな車両で戦うという「アメリカらしい」カテゴリですね。

ちなみに以前のカムリ「NASCAR」はこんな感じ。

NASCAR用カムリ XSEはこんなレーシングカー

このカムリXSEの開発に際し、（開発を主導する）トヨタ レーシング デベロップメント（TRD）は、トヨタがカリフォルニアにて展開しているデザイン拠点、キャルティ（CALTY）と緊密に協力して「なるべく市販モデルのカムリに近く見えるよう」細心の注意を払っています。

プリウスやクラウンスポーツ、クラウンセダンやC-HRと同様に、トヨタ最新のスリムでワイドなヘッドライト（とデイタイムランニングランプ）を組み込んだハンマーヘッドスタイルのフロントを視覚的に再現し、 ロワーグリルには新しいC型コーナーベント、ボンネット上には新しいキャラクターラインを付与することでいっそう「カムリらしく」。

TMNA（トヨタモーターノースアメリカ）のモータースポーツグループマネージャー、ポール・ドレシャル氏は以下のように語ります。

2024年型カムリXSEレースカーは、新しいストリートバージョンのトヨタ・カムリで示されているように、トヨタの細部へのこだわりを適切に強調するものとなるでしょう。私たちはこのクルマをサーキットに投入し、今後何年にもわたって成功を収め続けるであろうことに興奮しています。このクルマの生産に費やされた労力はどれだけ誇張してもしすぎることはありません。チームパートナーが勝利とチャンピオンシップを競うための最高の車を作成するために努力してくれたTRDとキャルティの全員に感謝します。

実際のところ見た目は（これまでのカムリのNASCAR用レーシングカーに比較して）かなり市販車っぽく仕上がっており、サーキットにおいても「え？市販車が（ほかのレーシングカーに）混じって走ってるの？」的な驚きを与えてくれるのかもしれません。

今のところ、トヨタはエンジンに関する詳細を明らかにしていないものの、5速シーケンシャルマニュアルトランスミッションと組み合わせられた358キュービックインチ（5.86リットル）V8を使用することになるものと思われ、 このエンジンは、リストリクター プレートなしで670馬力を発生することとなりそうです。

北米TRDのCEO、デビッド・ウィルソン氏によれば「NASCARにおけるトヨタの存在感の基盤は、サーキット内外での継続的改善への取り組みです。当社のカムリXSEレースカーはその信念を強化し、まったく新しい量産トヨタ カムリの主要なデザイン的特性を正確にそのボディへと反映しています。2024年シーズンに向けて準備を進める中で、レースチームパートナーと緊密に協力して新設計のカムリレースカーのパフォーマンスを最適化し、ラップをリードし、レースに勝利し、チャンピオンシップを争うという伝統を継続できることを楽しみにしています」とのこと。

このトヨタ・カムリ XSE は、NASCAR Xfinity シリーズ (NXS) に参戦するGR スープラと、NASCAR CRAFTSMAN トラック・シリーズのタンドラ TRD Pro に加わるもので、2月にロサンゼルスにて開催されるコロシアムのエキシビションレース「クラッシュ・アット・コロシアム（レースイベントにしては不吉な名称である）」を皮切りに、8台のトヨタ・カムリ XSEが毎週末サーキットで競い合うことになる、とアナウンスされています。

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