| 現在トヨタは世界中にデザイン拠点を持ち、複数の案をまとめて一台のクルマのデザインを仕上げている |
そのため、現代のクルマでは「誰がデザインした」と明言することは難しい
さて、昨年に50周年を迎え、「ボツネタ」含め様々な作品をアーカイブ経由にて公式インスタグラムへと公開している「キャルティ(Calty Design Research Incorporated=トヨタの北米におけるデザイン拠点)」。
今回は86に関する過去の作品を2点アップしています。
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トヨタの北米デザイン拠点「キャルティ」は今年で50周年。80スープラ企画時のボツ案、そしてMR2対抗案など「表に出なかったコンセプト」が公開される
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トヨタ86シューティングブレーク「サイオン X86Dコンセプト」はこんなクルマ
そこでまずは1つ目の「サイオン X86Dコンセプト」。
この「サイオン」というのはトヨタが北米にて展開していたサブブランドで、主に「若者向け」のクルマを販売しており、86やbBもサイオンからの発売となっています(今は消滅)。
この作品はまだサイオンが健在であった2012年に考案されたもので、FR-Sとして発売されていた86のシューティングブレーク版をイメージしたもの。
なお、ほぼ86の面影はなく、かつ4ドアに変更されるなどのアレンジが見られますが、キャルティが好む(というよりも、当時の北米での嗜好でもあった)丸くプレスラインの少ないデザインが採用されています。
サイドビューはかなり印象的で、フロントフェンダーから続くブラックのラインがリヤのホイールハウスと同化しており、そしてリアフェンダーは大きく盛り上がることで「後輪駆動」を強調。
リアエンドも同様にブラックのエリアが設けられ、その中にテールランプがインテグレートされるといったデザインです。
ちなみにフロントバンパーやボンネット、マフラーのサイレンサー部分にはドット(パンチング)が見られ、このドットが一つのテーマなのかもしれません。
インテリアは比較的「実現可能な範囲」に見えますが、2012年時点では”かなり未来に行っていた”のだと思われ、液晶メーターや液晶サブパネルが特徴的。
ただしこの時点では「タッチ式」という概念が一般的ではなかったのか、センターコンソールやステアリングホイール上には物理ボタンが見えますね。
参考までに、独立系デザイナーによって「GR86シューティングブレーク」がいくつか考案され、ネット上ではいくつかの作品を見ることが可能です。
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「GR86」に影響を与えたキャルティのデザイン案がこちら
そしてもう一つは86がニ世代目、つまりGRへと移行する際に提案されたというデザイン案。
「コクピットコクーン」「マックスフレア」という考え方を持ち、つまり繭のようなコクピット、そして広がった前後フェンダーということになるかと思われますが、たしかにGRへと与えた影響は少なくなさそう。
なお、デザイン的にはレクサスRCにも近く、キャルティはレクサスのデザインにも深く関わっているということがわかります。
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参照:caltydesignresearch(Instagram)