トヨタの豪州法人が「レクサスLC500のV8エンジン」へとスワップしたGRスープラを製作しレースに参戦すると発表。おそらく誰もが「市販してほしい」と思うはずだ

｜　この「V8スープラ」は競技ではフォード・マスタングらと戦うことに　｜

「GRスープラにBMWは以外のエンジン」が搭載される例はおそらく「初」

さて、トヨタは現在、BMWから供給された4気筒および6気筒エンジンを搭載したスープラを販売していますが、競技用の「スープラ GT4」もまたBMW製の直列6気筒を使用しています。

ただし今回、トヨタのオーストラリア法人が自然吸気5.0リッターV8エンジンを搭載したスープラを制作すると発表して大きな話題となっていますが、残念ながらこのV8スープラはレプコ スーパーカー チャンピオンシップに参戦するためのレーシングカーとして作られるもので、一般には（当然ながら）販売されないのだそう。

2023年に改定されたルールによって「V8スープラ」が誕生

なお、このV8スープラは2023年に導入された第3世代ルールによって実現が可能になったといい、搭載されるのはトヨタ製の2UR-GSE。

これはアルミニウム製ブロックを持つユニットで、過去にはIS F、GS F に搭載され、現在ではRC F、LC500、IS500 F スポーツ に積まれるほか、2019年のダカールラリーで優勝したハイラックスピックアップトラックにも採用される信頼性の高いエンジンです。

現地のトヨタ法人は”少なくとも5年間”、このスーパーカー選手権に参戦することを目指しているそうですが、競技においてはフォード・マスタング（コヨーテ5.4リッターエンジン）に対抗することに（シボレーチームは5.7リッターV-8を搭載したカマロを走らせてたが、こちらは2023年限りで引退している）。※V8へのスワップには相当なコストがかかるものと思われるが、それでもBMW製の直6から変更するということは、それだけV8のほうがポテンシャルが高いと踏んだのだと考えられる

トヨタのオーストラリア法人はこのGR”V8”スープラを最低でも4台を製造するとのことですが、そのうち2台はウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドチームのチャズ・モスタートとライアン・ウッドがドライブすることが明かされており、しかし「残り」については未発表。

ちなみにこのウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドチームはトヨタと正式に提携を行っており、北米仕様のタンドラを（オーストラリア向けに）右ハンドルへと改造するなどの活動を行っているようですね。

そしてこの報道を見て誰もが思うのが「このV8スープラを市販してくれないものか・・・」ということだと思いますが、現在世界的に見て（とくに主力市場の北米で）販売が芳しくないとされるGRスープラにつき、「もし最初からV8がラインアップされていたらどうだったんだろうな」と考えたりします（もちろんかなり高額であったとは思われるが、現在の直6/直4よりは”割高感”が少ないのかもしれない）。

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参照：TOYOTA Australia