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さよならGRスープラ(4気筒)。北米にて静かに販売が終了されたと報じられ、ボクはGRスープラが成功しなかった理由についてこう考える

トヨタGRスープラ

| クルマ自体は優れているが、いかんせんその価格があまりに高すぎる |

さらにはそのデザインに「スープラらしさ」がないことも問題であろう

さて、北米市場にて「4気筒バージョンのGRスープラが販売終了」に。

これは現地カーメディアが2025年モデルのラインアップから4気筒バージョンのGRスープラが消えていることに気づき、その後にトヨタ広報へと確認を取った後に明らかになったもので、トヨタ広報が正式に「4気筒はGRスープラのラインアップからなくなります」と明言したのだそう。

なお、日本市場向けの4気筒版GRスープラ(SZ / SZ-R)については現在のところトヨタのウエブサイトに掲載が継続され、よってまだ注文が可能であるとは思われますが、トヨタが全世界的にこの4気筒版スープラの生産を終了させてしまう可能性も否定できず、注視を要するところかもしれません。

北米だとGRスープラは「不人気車種」に分類される

この4気筒版スープラに関しては、日本と欧州市場では当初から投入の計画があったものの、パワー志向の北米では当初「6気筒のみしか販売しない」とされており、しかし6気筒版スープラの販売が芳しくなかったために(6気筒版スープラの大幅パワーアップなどを実施したものの効果が薄かったため)急遽”予定外にて”追加されたモデルです。

トヨタの北米法人はGRスープラのグレード別販売構成を明かしていないものの、報道では「4気筒モデルのほうが売れ行きが鈍い」と推測しており、2023年に2,652台のみしか販売されなかったGRスープラのうちの半分以下だとも考えられ、となると販売が終了したとしても「無理はない」のかもしれません。

「スープラ」は映画「ワイルド・スピード」にて一気に人気が拡大し、実際に劇中に登場した80スープラはカルト的な人気を得るものの、その後継たるGR(90)スープラはおそらくトヨタにとって「期待外れ」に終わっており、しかし失敗に終わった理由はちょっとナゾ。

なぜGRスープラは成功に至らなかったのか

ただ、ぼくが思う敗因は2つあり、ひとつはその価格。

トヨタはスープラ復活を狙うに際し、単独ではその開発コストを吸収することができず、よって(スープラにとって外せない)直列6気筒エンジンを持っていたBMWに話を持ってゆくことで(Z4との)共同開発を実現しています。

しかしながらBMWはドイツのプレミアムカーメーカーであり、よって妥協のない品質でクルマを開発することでも知られていて、要はトヨタにとって「格上」の相手です。

そしてその格上の自動車メーカーがクルマを作ると当然のことながら(トヨタの平均的なレベルに比較して)価格は高くなってしまい、さらに北米にはカマロやマスタングなど「より安価でよりパワフルな」クルマが多数存在するため、北米市場にてGRスープラが価格競争力を発揮できないのも当然のことなのかもしれません。※クルマが悪いわけではなく、メーカーのポジションと考え方の違いであり、BMWはそもそも安いクルマを作るつもりはない

先代Z4の販売状況を見れば、トヨタは現在の苦境を容易に想像できたはずではあるものの、当時異常に加熱していた「スープラ待望論」がトヨタの判断を狂わせたのかもしれません。

そしてもうひとつ、ぼくが考える敗因としては「そのデザイン」。

GRスープラはFT-1の市販バージョンとも言えるデザインを持っていますが、正直なところFT-1はスープラとは縁もゆかりもないコンセプトカーであり(むしろスープラよりも上のスーパースポーツをイメージして考案されている)、いったいなぜトヨタがこのデザインを採用したのかもまたミステリー。

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実際のところ、GRスープラ発表時にこのデザインは肯定的に受け止められていなかったとも記憶していて、つまり「スープラらしくなく」、復活を歓迎するどころか、その名を名乗ることがむしろ「スープラに対する冒涜である」と捉えられた可能性もありそうです。

これについても、北米市場にてマスタングやカマロ、チャレンジャーなどが「レトロ路線で」成功しているところを見ると(トヨタは)レトロ路線を採用すべきであったとも考えられますが、なぜトヨタが80スープラとは関連性のないコンセプトカーのデザインをGRスープラに与えたのかについては非常に興味があるところでもありますね。

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参照:Motor1

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