
| トヨタは「マルチパワートレーン」戦略のもと、水素の可能性を徹底追求 |
ル・マンで鮮烈デビュー。トヨタ「GR LH2 レーシングコンセプト」が水素×ハイブリッドで参戦
トヨタが水素エンジン×ハイブリッドシステムを搭載した新型レーシングカー「GR LH2 Racing Concept」を、ル・マン24時間レースが行われるサルト・サーキットにて正式発表。
このモデルは、トヨタ・ガズーレーシング(TGR)が取り組む水素燃料技術の最新成果であり、耐久レースの新たな可能性を示す一台であると紹介されています。
なお、GR LH2 Racing Conceptは実際にレースを走るわけではなく、今回は「展示のみ」にとどまるのだそう。※ル・マンで24時間レースでは、将来的に「水素」カテゴリーが新設される可能性があり、このレーシングカーは新カテゴリーへの参戦をイメージしたものである
GR LH2 レーシングコンセプトとは?|GR010 ハイブリッドをベースに進化
「GR LH2 Racing Concept」は、2023年に発表された「GR H2 コンセプト」の後継モデルであり、ル・マンで実績を持つGR010 Hybridをベースとしていますが、今回発表された「新型」では、シャープなLEDライトや拡大したサイドインテーク、より高いリアウィングが採用され、よりアグレッシブなデザインに進化しているようですね。
主な特徴
- 水素エンジン+ハイブリッドシステム搭載
- 新デザインのエアロダイナミクスボディ
- ホワイト×ブルーの専用カラーリング
- 全長:5,100mm/全幅:2,050mm(GR010 Hybridよりわずかに大型)
Image:TOYOTA
パワートレインの詳細|GR010 Hybridと共通コンポーネントを採用
トヨタは詳細なスペックはまだ公表していませんが、水素エンジンとハイブリッドシステムの組み合わせが確定しており、予想される構成は以下の通り。
- ミッドシップレイアウト
- 水素エンジン(ガソリンエンジン改良型)
- フロントモーター搭載のハイブリッドシステム(GR010 Hybridと同様)
この技術は、トヨタが進める「マルチパスウェイ戦略(複数技術の同時開発)」の一環であり、以下のような複数パワートレーンの一角をなすものです。
- ハイブリッド車
- BEV(バッテリーEV)
- カーボンニュートラル燃料
- 水素燃焼エンジン
Image:TOYOTA
トヨタが水素技術に注力する理由
トヨタはモータースポーツを水素技術開発の実験場として積極活用していますが、トヨタは、単にクルマを作るだけでなく、「水素社会」の実現を視野に入れ、以下のような長期的な技術開発を続けています。
- 市販車では「ミライ」や「クラウンセダン」にFCEV(水素燃料電池車)を展開
- 水素燃焼エンジン搭載の「GRカローラ」で耐久レースに参戦し技術検証
- 水素生産・供給インフラ拡大に向けたパートナー企業との連携も推進
まとめ|トヨタの水素×ハイブリッド戦略は加速する
「GR LH2 Racing Concept」は、トヨタの水素で走る未来”を現実のものにするための次のステップでもあり、水素エンジンカローラ、GRヤリスH2に続くチャレンジということになりそうですね。
- 水素エンジン×ハイブリッドで新たな耐久レースの形を提示
- GR010 Hybridの技術を活用し、レース現場での実証を進行中
- ル・マンでのモータースポーツ活用が水素社会の布石に
トヨタは、水素とカーボンニュートラル社会の実現に真剣に取り組むメーカーであり、今後の動向から目が離せません。
GR LH2 レーシングコンセプトを紹介する公式動画はこちら
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