| オーナーはジンガーではなくKaegeをパートナーに選択 |
2017年に活動を開始したドイツのポルシェチューナー、「Kaege」。
クラシックポルシェを現代風にレストモッド(レストア+カスタム)するという点ではジンガー・ビークル・デザインと同列に語られることが多く、Kaege自体もジンガーに触発されて立ち上げられたのは間違いなさそう。
ただ、両者にはいくつか大きな違いがあるようで、今回紹介するポルシェ911のオーナーは「それを理由に」Kaegeを自分のポルシェ911のカスタムビルダーとして指名したようです。
そしてこの911最大の特徴は「(バットマンに登場するヴィランの)ジョーカー」をイメージしたこと。
ここでその911を見てみましょう。
Kaegeポルシェは「維持しやすい」
このポルシェ911のオーナーは、香港在住のウィリアム・ライさん。
今回ポルシェ911をレストモッドし、自分仕様のクルマを作ろうと考えたとき、真っ先に思い浮かんだのがジンガー・ビークル・デザイン。
ただし最終的にジンガーではなくKaegeを選んだのは、「ジンガーは964をベースとし、社外パーツを多く使用しているが、Kaegeは993をベースに用いてポルシェ純正パーツを用いてカスタムするため、信頼性が高く、維持やメンテナンスが容易であり、毎日安心して乗れる」から。
ジンガー・ビークル・デザインが拠点を置くカリフォルニア在住であればまだメンテンナンスについては問題ないかもしれませんが、遠く離れたアジア在住だと、たしかに「手軽にメンテや修理」というわけにゆかず、日常性を重視した選択が重要なのだと思われます。
そして仕事を終え、地下のガレージに向かうのは「一日のうちで、もっとも安心できるひととき」だとウィリアム・ライさんは語ります。
クルマに乗り込みエンジンをスタート。
パープル、そしてグリーンというカラーはもちろん「ジョーカー」をイメージしたものです。※トランプの「ジョーカー」がキーシリンダーカバーに描かれている
エンジン始動後はガレージから911を出庫させますが、スロープにさしかかったところでいったん減速し、ゆっくり登る様子は「クルマを愛する人」そのものの行動であり、いかにウィリアム・ライさんがこの911を大事にしているかが分かります。
Kaege911”ジョーカー”はこんなクルマ
そこでKaegeによってカスタムされたポルシェ911”Joker”について、これは上述の通り993がベース。
今回のプロジェクト実行にあたり、ウィリアム・ライさんはまずベースとなる993を購入してきたそうですが、これが「901風の」ルックスへと、ほとんどはポルシェの純正パーツを使用して仕上げられているわけですね。
実際に完成した911を見ると、「もとが993であった」ことが信じられないほど。
見た感じはまるっきり901型。
内外装のイメージはもちろん「ジョーカー」。
リアフードには「Kaege」そして「JOKER」。
エンジンは993のものを使用しているものの、270馬力から300馬力へとチューンされている、とのこと。
ファンはパープルにペイントされ、インテーク等はカーボンファイバー製に。
なお、ハーネス類はすべて新しく引き直されているそうです(993は一部年式でハーネスに問題があったが、その対策かも)。
フロントトランク内も作り直され、シンプルな構造に。
カーボンファイバー製のカバーや、タワーバーが追加されています。
インテリアも基本「パープル」。
レザー、そしてダッシュボードのパネルもパープルです。
ステアリングホイールのエンブレムはポルシェからKAEGEへ。
ヘッドレストにもジョーカーの図柄。
ヒース・レジャー版のジョーカーを模しているようですね。
VIA:Petrolicious,