| おそらくはアクション大作になってしまった「ワイルド・スピード」シリーズを当初の作品に近づけて収束させるものと思われる |
ワイルド・スピード/ファイヤーブーストでは前作のような荒唐無稽なメカは登場しないようだ
さて、ワイルド・スピード最新作「FAST X」の邦題がワイルド・スピード/ファイヤーブーストに決定し、予告編が世界同時公開となっています(日本での本編公開日は5月19日で米国と同じ)。
米国だと"The beginning of the end of the road "というキャッチコピーがついていて、これは22年前にストリートレースを題材とした同作品のルーツに回帰するということを示唆しているようですね。
しかしそれでも「とにかく爆発」
ただ、原点に回帰するといえども最近のワイルド・スピードシリーズの通例となっている「大爆発」は健在で、それはタイトルにも現れていることでもわかります。
もともとワイルド・スピードシリーズは「(ワイルド・スピード3 TOKYO DRIFTまでは)ストリートレースですべてを決め、負けたら文句を言わない」的な映画だったのですが(西部劇で見られた、銃を用いた決闘が”ストリートレース”に置き換えられたのだと思われる)、その後どんどん登場人物が増え、活躍の場を与えないといけなくなったこと、そして他作品への対抗上なのかインパクトを重視したことからアクション映画へと変貌を遂げています。
さらにはスパイ映画やSF映画的要素までもが取り入れられ、何でもアリの状態になってしまい、はては「ジュラシックパークとの乗り入れ」が関係者によって示唆されたことも。
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とにかくワイルド・スピードの内容は初期と大きく変わってしまっていて、クルマの出番がどんどん少なくなり、そして登場するクルマも現実離れしたものが多数登場するようになっていますが、とにかく「破壊」「爆発」が本作の大きな特徴になってしまったこともまた事実。
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ワイルド・スピード/ファイヤーブーストでも街なかや・・・。
荒野や・・・。
高架道路など至るところで大爆発(ヘリコプターも爆発)。
ポルシェ911(997)も爆発炎上。
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今回も「トンデモメカ」登場?
そして近年のワイルド・スピードにおけるもう一つの特徴が「トンデモメカ」。
これは初期におけるNOS(ナイトラス・オキサイド・システム=ニトロ)を思想的に発展させた映画の見所として取り入れられているのだと思われますが、最近だと「マグネット」「宇宙まで飛んでいったポンティアック・フィエロ」といったものも。
そしてワイルド・スピード/ファイヤーブーストでは「ナゾの鉄球」が登場するようですが、そこまで荒唐無稽なものではないように見え、本作ではこれまでのシリーズ作のいいところを集めつつ「当初の作品に回帰するための」伏線を張っているように思われ、おそらくは最終作にて「第一作目のワイルド・スピードへのオマージュ」となる展開に落ち着き、感動のフィナーレを迎えることになるのかもしれません。
なお、「ファミリー」が強調されるようになったのも最近のワイルド・スピードの特徴ですが、これはスピンオフ作品を作りやすくするためのユニバーサルにおける意向が含まれていると考えて良さそう。※「ファミリー」というワードは、5作目であるワイルド・スピード MEGA MAX以降急増している
シャーリーズ・セロン、ジョン・シナ、デイム・ヘレン・ミレン、ジェイソン・モモア、ブリー・ラーソン、ジェイソン・ステイサム、そのほかおなじみのキャストが集結しますが、内輪もめが報じられたドゥエイン・ジョンソンの姿は見られないようですね。
ワイルド・スピード/ファイヤーブーストにはどんなクルマが登場?
展開の幅広さ、登場人物の増加とともに拡大しているのが「活躍するクルマ」であり、本作ではこれまで以上に様々なクルマが登場するように思われ、こちらはアルファロメオ・ジュリアとランボルギーニ・ガヤルド。
初代フェアレディZ。
ヴェエイルサイドがチューンした新型フェアレディZが登場することも明らかになっていますね。
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ハーレー・ダビッドソンはじめいくつかのバイクも登場。
これらのほか、ダッジ・チャージャーや数々の改造車が登場しますが、最初の頃の3作品を連想させるようなストリートレースの描写もあり、そこでは様々なカスタムカーを見ることができるのかもしれません。
そしてワイルド・スピード SKY MISSIONで好評だった女性同士の格闘シーンも盛り込まれており、見どころの多い作品となるのは間違いなさそうです。
ワイルド・スピード/ファイヤーブースト予告編はこちら
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