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【動画】ワイルド・スピードではなぜ「スープラ」が採用されたのか?三菱GTOでもトヨタMR2でも日産フェアレディZでもなかった理由、そしてその他に"ボツ"となった大量のクルマについて関係者が語る

ワイルド・スピードではなぜスープラが使用されたのか

| スープラは「人力でルーフをふっとばすシーン」を再現できたのが大きな理由 |

さて、映画「ワイルド・スピード」シリーズの多くの作品にてカーコーディネーターとテクニカルアドバイザーを務めてきたクレイグ・リーバーマン氏。

これまでにも「今まで、ワイルド・スピードシリーズに登場した中でのベストなクルマ」「ポール・ウォーカーはなぜ日産スカイラインGT-Rにハマったのか」等の動画を公開しています。

ワイルド・スピードに「登場することが叶わなかった」クルマとは

そして今回同氏が公開したのが「ワイルド・スピード(第一作目、2001年公開)の主役級が乗るために使用したかったが、制作側から拒否されたクルマ」を紹介する動画。

そこで「そもそも、なぜクレイグ・リーバーマン氏がカーコーディネーターとして起用されたのか」ということですが、映画には予算が決められており、しかしカースタントを行なうとなると、主人公や主役級の登場人物が乗るクルマについては数台(クラッシュ用、走行用、アップ用など)を作る必要があって、しかし予算の都合で撮影用車両を多数購入するわけにはゆかず、そのため”個人で多数のクルマを所有する”クレイグ・リーバーマンのような人物からクルマを”借りる”しかなかったという事情があるようです。

映画に使用するクルマには様々な制約があった

まず同氏が語るのは、「使用されるクルマは、それぞれの登場人物のキャラクターに合ったものでなくてはならなかった」ということ。

そして次に重要であったのは「200万ドルの予算に収める必要があった」ということ(ワイルド・スピードは当初、”低予算映画”だった)。

加えて「当時アメリカで販売されているクルマ」「アメリカのチューニングシーンを反映できるクルマである」という制約があったといいます。

つまり「ロシアの車」「オーストラリアの車」といった、アメリカにはほとんど輸入されていなかったクルマ、ポピュラーではないクルマはNGということになり、一部のスーパーカーのように「新車でアメリカに輸入されなかった」クルマもアウト。

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そうなると必然的に日産フェアレディZ(Z32)やトヨタ・スープラ(80)、三菱GTOといった選択肢となり、実際に同氏が制作側に提案したのもこれらのクルマ。

なお、脚本を書いている初期段階だと三菱GTOが「ブライアンのクルマ」として登場したそうですが、その後GTOはスープラへと置き換えられることに。

この理由としては、ルーフをふっとばすシーンが脚本上必要であったと言われ、これができるのが「フェアレディZ、スープラ、GTO」の3車で、しかしフェアレディZは「Tバー」なので候補から外れ、GTOについては(北米で設定された)電動リトラクタブルハードトップがあったものの、実際に撮影の際にキャストに見せたところ「GTOを気に入らず、スープラが選ばれた」のだそう。

ちなみにMR2が選ばれなかったのは、ポール・ウォーカーの身長が高く(188センチ)、車体に収めるのが困難であったため。

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そのほか、ホンダS2000、日産シルビア、MR2、ホンダ・プレリュード、レクサスGS、ホンダ・インテグラ(DC2)、三菱エクリプス、トヨタ・スプリンタートレノ(ハチロク)、ホンダCR-Xデルソルを提案した、とも動画中にて語っています。※これらについては、メインキャラクターが乗ったり、メインで使用されることはなかったものの、多くは何らかの形で作品に登場している

これらに加えてレクサスISを使用したかったとも述べていますが、映画の制作時点では(発表はされていたものの)発売されておらず、こちらも使用に至らなかった一つの例。

採用に至ったクルマの影には、実に多くの「却下」があった

同様に、すでに日本で発売されており人気の高かったスバル・インプレッサWRXについても「2002年まで」アメリカには輸入されておらず、これもNG(ただしのちの作品で使用されている)。

ランサーエボリューションについても「2003年まで」アメリカに入っていなかったので、こちらも却下となったようですね。※こちらの後の作品で大きく扱われる

なお、ヒュンダイについては「足グルマ」としての印象が強く、チューナーがあまり扱っていなかったこと、ヒュンダイのカスタムがなされている場合でも「見かけだけ」で走りがさっぱりだったことからこれも却下。

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メルセデス・ベンツも当時は「チューンして乗る」傾向が見られずこれも却下、フォルクスワーゲン・ビートルやBMW Z3も検討されたものの、「やや女性的イメージがあり」これらも却下。※違法ストリートレースが題材のひとつであったため

面白いのは「オープンモデルに対してユニバーサル映画が難色を示した」というもので、その理由は「スタントマンを起用すると、すぐにそれとバレてしまうから」。

こうやって見るととにかく「却下」の嵐といった感じですが、アメリカの自動車メーカーの製造するコンパクトカーについても「当時誰もチューンしなかった」ことから却下、またマツダのセダンやハッチバックも「チューナーが見向きもしなかった」ために却下。

マツダと言うと「ロードスター」がありますが、これについては当時「マッスルさが足りない」「女性っぽい(もともとが女性ユーザーをイメージして企画されたとも伝えられていた)」ということから却下。

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参考までに、「ジェスのクルマ」は当初、フォルクスワーゲン・ジェッタではなく、BMW M3もしくはアウディA4にて進められていたというこぼれ話も(”オタク”という設定だったので、VWのほうがマッチするという話になったようだ)。

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当時、右ハンドル車の使用は難しかった

なお、同氏は熱烈な日本車のファンであり、まだアメリカには入っていない、しかし日本で成功を収め、アメリカでもJDMマニアに人気の高かった日産スカイラインGT-R(R32/R33/R34)、そして上述のランサーエボリューションやスなるWRX STIの使用を推したものの、これもやはりメインキャラクターが乗るとなると「数台づつ」用意する必要があり、となると日本で買付けて輸入するなどのコストがかかり、予算という側面からも仕様が許されなかったとのこと(後の作品でこれらが主役級にて登場するのは、ワイルド・スピード第一弾のヒットによって予算が潤沢になったこと、ヒットの背景に同氏の貢献があり発言力が増したためだと思われる)。

さらに、当時ワイルド・スピードはカーマニアのためではなく「一般的なアメリカの若年層」をターゲットにしていたため、こういった右ハンドルの使用は「観客の混乱を招く」という制作側の意向もあったようですね。

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ワイルド・スピードに「使用されなかった」クルマを語る動画はこちら

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参照:Craig Lieberman

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