| さらにはこの映画のモデル、ヤン・マーデンボロー本人がステアリングを握ってレースに参戦していた個体そのもの |
レーシングカーとしての価値、さらにはムービーカーとしての価値も備えている
さて、新作映画「グランツーリスモ」の撮影に使用された日産R35 GT-R NISMOがシルバーストーン・オークションの開催する競売へと登場。
興味深いのは、このGT-R NISMOはもともと撮影用としてではなく、実際のレーシングカーとして誕生したということで、現在の所有者は(映画でオーランド・ブルームが演じたキャラクターのモデルである)GTアカデミーの生みの親、ダレン・コックス氏だと紹介されています。
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この日産R35 GT-Rはこんな経歴を持っている
この日産R35 GT-R NISMOは(実在する)日産ヨーロッパのワークス・レーシングカーとして生を受け、日産GTアカデミー・チームRJNのファクトリーカーとして、2015年のニュルブルクリンク24時間(総合9位)を含むさまざまなレースへと参戦しています。
当初はホワイトで塗装されていたものの、ニュルブルクリンク耐久シリーズ(VLN)にて、(グランツーリスモの主人公である)ヤン・マーデンボローと別のGT-R GT3ドライバーが巻き込まれた事故、それによって死を遂げた観客を追悼するためブラックへと再ペイントがなされた、という過去もあるもよう。※ヤン・マーデンボローは2011年のグランツーリスモ主催の(ゲーム)大会を制した後にGTアカデミーを通じてプロレーシングドライバーへと転向しており、ドバイ24時間レース、フォーミュラ3、ル・マン24時間レース、SUPER Gt等に参戦し、現在はLMDhマシンのシートを巡って活動中
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映画「グランツーリスモ」が日産R35 GT-Rとともに撮影開始!GTアカデミーへの参戦と勝利、そしてレーシングドライバーとしての成長が描かれることに
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なお、このGT-R NISMOをドライブしたのはヤン・マーデンボロー本人のほかにリカルド・サンチェス、ガエタン・パレトゥ、ルーカス・オルドネス、マット・シモンズなど数々のGTアカデミーの勝者たち。
アレックス・バンコム、スチュアート・ムーア、オートスポーツ賞受賞者のマット・パリーがドライブしてFIA GT選手権にも参戦したという記録も残ります。
レースを引退した後は再びホワイトにペイントされ、ヤン・マーデンボローがビデオゲーマーから現実のレーサーになるまでを描いた映画「グランツーリスモ」の撮影に使用されることとなったわけですが、実際のレースではヤン・マーデンボローがドライブし、そして映画の撮影ではヤン・マーデンボロー演じるアーチー・マデクウィおよびそのスタントマンがドライブしたというユニークな経歴を持つことは見逃せません。
通常、撮影に使用されたクルマが販売されることはめったにない
つまり、このクルマはリアルのレースでの実績に加えて「ムービーカー」としての価値をあわせ持つということになりますが、一般的に映画の製作会社は続編で再び使用する必要がある場合に備えて、ムービーカーを手放すことは少ないといいます。
しかしこのR35 GT-R NISMOの場合、プロダクションの所有ではなく、上述の通り「個人所有」なので今回競売経由にて売りに出されることとなっていて、そしてそれはもちろん「非常に限られた機会」でもあり、よって落札価格は最高で275,000ポンド(現在の為替レートにて約5000万円)という高額エスティメイトが出されることに。
さらに今回のGT-R NISMOは映画の撮影に使用されたとあって、ワークショップにて完全に整備された後に(クランクイン前の)2023年4月24日の最終シェイクダウンに望んでおり、つまりコンディションとしては「いつでも戦える状態」。
もともとがモータースポーツ参戦用車両として制作されているためにFIAの定める要件に準拠しており、このままでも世界中の多くの選手権に参戦することができるほか、英国ではGT CUPやマスターズにも参戦することができる、と説明されています。
各部を見るに、たしかに「本物のレーシングカーしか持ち得ない」凄みが感じられ・・・。
ステアリングホイールには歴戦の証でもある「テカリ」も。
もちろんスイッチ類も飾りではなく・・・。
あらゆる部分がレーススペック。
リアウイングのステーも強固な補強とともに取り付けられており、これが単なるムービーカーにとどまらないことは一目瞭然ですね。
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