| リマックC_Twoのエアロダイナミクス最適化にはスーパーコンピューターが使用されている |
リマックは「世界最速」加速タイムを持つエレクトリックハイパーカー「C_Two」を発表していますが、現在市販に向けて絶賛最終調整中(現存するのはプロトタイプのみ)。
今回はエアフロー改善のための作業を行っていますが、やはり難しいのは「世界中の道路を合法に走れるようにしながらも、エアロダイナミクスを最も効率の良い状態とすること」。
たとえば日本は突起物に対する規制が厳しく、たとえばカマロに装着されるシボレーの「ボウタイエンブレム」の尖り具合も許されず、よって以前はシボレーの日本法人がエンブレムの周囲にカバーを取り付けているほど。
↓現在はエンブレムの周囲がボディパネルに向かってスロープすることで規制をクリア
逆に、日本だと「ミラーレス(ドアミラーの代わりにデジタルカメラ)」はOKではあるものの、今のところその他の国は「アウト」といった規制も。
リマックはとことん細部にまでこだわる
リマックC_Twoは1,888馬力を発生し0-100キロ加速を1.85秒でクリアする「世界で最も速い加速を誇るクルマ」ですが、それは「力任せ」ではなく、こんな感じでエアロダイナミクスをコツコツと突き詰めてきた結果。
なお0-160キロは4.3秒、最高速度は412km/h、一回の充電あたり走行可能距離は650kmというスペックを誇ります。
エクステリアの開発にかけたのは2年で、さらにリマックはこれから風洞実験によって「どんなに小さなパーツに至るまで」その検証を行うとしています。
この風洞設備については「自前」かどうかわかりませんが、もし自社でこれを保有しているとなると、リマックは相当な投資を行っている、ということになりますね。
なお、リマック(リマック・アウトモビリ/Rimac Automobili)はクロアチアのEVメーカーで、2011年に「コンセプト・ワン」にて鮮烈なデビューを飾っています。
当時「1000馬力、0-100キロ加速2.8秒」というのは衝撃的な数字で、このコンセプト・ワンの成功によって一気に名声を獲得し、多額の資金を集めることに成功。
なお、ポルシェもリマックの株式を10%取得し、その技術を自社にフィードバックさせる意向を持っていて、つまりリマックはポルシェですら一目を置く存在ということになりますね。
そしてピニンファリーナは自動車メーカーとして初めて発売するハイパーカー、「PF0」の開発にあたってリマックとの提携を行うと発表しており、これはリマック・コンセプト・ワンの外装デザインが”元”ピニンファリーナのデザイナーによるということからの「つながり」かもしれません。
ちなみにピニンファリーナPF0は出力1800-1900馬力、0-100キロ加速2秒、最高速402km/hというスペックを持ちますが、この数字は「リマックC_Twoとほとんど同じ」。
よってピニンファリーナPF0とリマックC_Twoは多くを共有するのかも、と推測されます。
https://intensive911.com/?p=164521
なお、リマックC_Twoは予定生産台数の150台をすべて完売したと報じられ、これは「コンセプト・ワンが10台しか売れていないことを考えると」大きな進歩で、まさにパガーニ以来のサクセスストーリーだと言えるのかもしれません。
それでは動画を見てみよう
こちらがリマックC_Twoがエアフローに関するテストを行う、「Rimac C_Two Aerodynamic Testing」。
VIA:Rimac-Youtube