| いかに安全性を確保し記録に挑戦するかは想像するよりも難しい |
自動車史上初の「500km/h」を突破するかどうかに注目が集まる
さて、現在(ギネスに関係なく)実際かつ公式に計測された世界最高速記録を持つのはブガッティ・シロン・スーパースポーツ300+ですが、これは時速490.84kmという、「もうすぐで時速500km/h」レベルのトンデモナイ記録です。
その次はSSCノースアメリカのトゥアタラで、こちらは何度かの挑戦にて474.8km/hを記録しており、その次はケーニグセグ・アゲーラRSの446km/hという順となっています。
参考までに、現在未計測であるものの、今後最高速の座を狙うのはケーニグセグ・ジェスコ・アブソルート、そしてヘネシー・ヴェノムF5であり、両者は現在チャレンジに向けて準備を行っていることも報じられていますね。
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ケーニグセグは最高速に挑戦することを再度宣言
そこで今回話題にのぼっているのがケーニグセグCEO、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏が「最高速チャレンジを行う」と明確に宣言したこと。
もちろん使用するのはケーニグセグ・ジェスコ・アブソルートで、搭載される5リッターV8ツインターボエンジンはE85(レース用)燃料を使用することによって最大1,600馬力 / 最大トルク1,500 Nmを発生し、これに組み合わせられるトランスミッションは9速”ライトスピード”オートマチック。
最高速アタック用にダウンフォースを若干下げており、それでも最高速時には1,400kg、250km/hの時点で800kg、270km/hで1,000kgという強力な数値を誇ります。
クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏はシミュレーション上ではブガッティ・シロン・スーパースポーツ300+の記録を抜き、時速500km/hに迫る(もしくは突破する)ことが理論上可能だといい、「それができることを示さない理由はない」とも。
そして同時に「ものすごく怖い」とも語っていて(これが偽らざる心境だと思う)、上述のケーニグセグ・アゲーラRSにて(2017年に)世界新記録を出した際に使用したネバダ州の公道(もちろん貸し切りにて封鎖)はとんでもなく危険であったといい、今回はそういった危険を可能な限り排除できるエリアでチャレンジを行いたいという希望についても述べています。※このネバダ州の道路は「一本道」ではあるが、道の幅がそこまで広くなく、コースアウトする可能性も否定できない
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最高速に挑戦する環境は各車様々
なお、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏が「理想的」として挙げるのはドイツ・ニーダーザクセン州にあるフォルクスワーゲングループのエハラ・レシエン・テストコース。
ブガッティはここで世界新記録を達成したわけですが、こういった環境が望ましいと考えており、しかしヴェイロン時代から最高速争いにて抜きつ抜かれつを繰り返してきたケーニグセグに対し、フォルクスワーゲンが寛大な心をもって対応するかどうかはちょっとナゾ(よってケーニグセグは別のコースを探すしかない)。
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ちなみにSSCノースアメリカが用いたのはフロリダ宇宙センターの2.3マイルに及ぶ滑走路で、こちらもかなり望ましい環境だとも考えられます。
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参考までに、今回クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏は「最高速を狙うハイパーカーの中には、エアバッグを装着せず、公道走行の許可を取れないようなクルマも存在する」ことにも言及し、「そういったクルマはソルトフラッツ(干上がった塩湖で、専用のマシンで最高速を競う)にでも行けばいい」とも。
クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏は温和な人物なので特定の名称を出していないものの、これは「アメリカ車でありながらアメリカ国内で登録できない」ヘネシー・ヴェノムF5を指しているのだと思われます。
ヘネシー・ヴェノムF5は公道走行用として登録可能な要件を満たしておらず(エアバッグも装備していないように見える)、しかしそういったクルマであってもアメリカ国内には「ショー用の展示車両として、年間走行距離は制限されるがナンバーを取得できる」という抜け道があり、これを使用して登録を行うことになる、と報じられていますね(もちろんケーニグセグ・ジェスコ・アブソルートは合法に登録できる。ちなみにマクラーレン・スピードテール、メルセデスAMG Oneは合法に登録できないので、ショー&ディスプレイ扱いでしか公道を走行できない)。
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参照:Top Gear