| ステランティスがどこからそんなお金を引っ張ってきたのかはちょっと気になる |
おそらくはマセラティMC20と多くを共有するんじゃないかと推測
さて、アルファロメオが「スーパーカーを発表するかもしれない」との報道。
これはちょっとびっくりなニュースでもありますが、現在アルファロメオはステランティス傘下にあり、そのステランティスはアルファロメオやランチアなど主要ブランドに対して「ブランドの収益性を高めるための”時間とお金”を与える」と宣言しています。
実際のところランチアはデルタの発表をアナウンスし、プジョーは高級ブランドへの移行を示したりとそれぞれの新しい方向性を示しているワケですが、今回はアルファロメオが新しい道へと向かって歩きだすということになりそうですね。
なお、アルファロメオではCEOがジャン=フィリップ・インペラート氏に、そしてチーフデザイナーがアレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏へと交代していますが、まだ両名が最初から企画したクルマは登場しておらず、しかしこの「スーパーカー」がその第一弾となるのかもしれません。※画像はCGアーティスト、Ettore Balsadonnaが独自に考えたアルファロメオ・スカリオーネ
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今後のアルファロメオはこう変わる
そこで現在の新しいアルファロメオの路線についておさらいしたいと思いますが、まずは積極的なニューモデル攻勢と電動化ブランドへのシフトを挙げています。
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そして値引きをやめて収益性の高いブランドへとシフト。
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アルファロメオCEO「今までは販売台数稼ぎのため値引きもあったが、これからは違う。台数にはこだわらず、いかに1台を高く売れるかに注力し、BMWと同等の販売価格に引き上げる」
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そのためにはコネクティビティよりもドライバビリティ。
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さらには業界最低レベルだとも評される品質やサービスのレベルを引き上げる、とも。
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アルファロメオの新型スーパーカーはどんなクルマに?
そこで気になるのがこのアルファロメオの新型スーパーカー。
現時点ではほとんど情報はなく、既定路線としてウワサされているのが「カーボンファイバー製モノコックにジュリアGTAの3リッターV6ツインターボ(540馬力)をミッドマウント」。
まずコンセプトモデルのデビューは2023年、市販モデルは2025年に登場すると言われており、電動化されるかどうかについてはわからないものの、「540馬力」ではちょっと心もとなく、そして4Cでの「数字としてのパワーが小さかった」ことが商業的な成功に結びつかなかったという経験から、ハイブリッドシステムを積んでパワーを引き上げるんじゃないかとも考えています(登場時期を考慮しても、そうしないと老い先が短くなる)。
なお、このカーボン製モノコックについては(同じグループにある)マセラティMC20から拝借するのだろうとも考えており、となれば差別化のためにも、なおのことハイブリッド化は必須かもしれません(マセラティMC20はガソリンオンリー、そして後にピュアエレクトリック版が追加されると言われる)。
現チーフデザイナー、アレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏によれば「私たちはあなたを驚かせますよ。たぶんね。どこかのタイミングで。近いうちに必ず」と語っており、その発表が近づいていることも示唆していますが、アレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏は「進歩的」な自動車を作りたいと考えていると報じられ、BAT(ベルリナ・エアロダイナミカ・テクニカ)プロトタイプやガンディーニによるモントリオールを過去のインスピレーション例として挙げ、逆に「大胆さを失った」80年代のアルファロメオを批判していることからも、今後(通常ラインアップに関しても)大きくデザインを変えてくる可能性がありそうです。
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加えて同氏は「レトロ風味を採用し、過去をコピーするような安易な道はとらない」「これからのアルファロメオのクルマは大胆になる」とも語り、アルファロメオ・ザウバーF1チームが、エンジニアリング、エアロダイナミクス、シャシーセットアップに関わること、自身のデザインチームがザウバーと共同にて仕事を進めているとも語っているので、もしかすると相当に過激なクルマとなるのかもしれません。※こういった、モータースポーツ部門と市販車部門とで関わりを持たせる例が最近急造しており、となるといずれのメーカーもモータースポーツに参加せざるを得なくなりそう
インスピレーション元としては「過去のクルマ」を参照?
なお、レトロルックを採用しないといえど、アルファロメオには過去に豊富な名車を多数抱えており、おそらくこれらについては何らかの活用がなされる可能性も。
アレハンドロ・メソネロ=ロマノス氏が言及した「モントリオール」もそのスタイリングが高く評価され、今なお根強い人気を誇ることからもそのディティールが取り入れられてもおかしくはない、と思います。
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そしてアルファロメオの新CEO、ジャン・フィリップ・インパラート氏がスーパーカーのインスピレーションの源になりうるとして示したのが33ストラダーレ。
こちらも高い人気を誇り、多くのデザイナーが「リメイク」を作成していますね。
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アルファロメオ・ティーポ33ストラダーレの現代版が登場したら?独・伊デザイナーチームが「ストラダーレ33ヴィジオーネ」を発表
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アルファロメオは過去にもスーパーカーを計画したことがある
参考までに、アルファロメオは直近でもスーパーカーを計画していたことがあり、8Cコンペティツォーネの後継モデルの開発が進められていたことも。
ただしこれは財政上の理由にてプロジェクトがキャンセルされ、しかし今回その計画がリブートされることになったと考えて良さそうです。
現時点ではまだ発売が確定したわけではなく、どのようなクルマとなるかはわからないものの、新しいデザイナー、そして新しいCEOとして自身の存在感をアピールするにはもってこいの機会でもあり、そうとうに力の入ったクルマになるだろう、と考えています。
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参照:Car Magazine