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ポルシェの中古車はどうだ。911(996/997)、ボクスター(986/987)、ケイマン(987)を考える

2017/06/05

さて、定期的にぼくが見ている中古車、ポルシェ編。
911、ボクスター、ケイマン、マカンを中心に見ていますが、ここでは911、ボクスター、ケイマンといったスポーツモデルに絞って紹介。
なお911の現行世代については相場があまりに高く、ここでは検討の対象外。
ぼくは水冷以降のポルシェとして986ボクスターS、997カレラ、981ボクスター、と3世代全て所有してきたので、ある程度のまともな判断はできるんじゃいか、とも考えています。

ちなみにポルシェの中古を購入するならばできれば「認定中古車で」と思いますが、認定中古車は(そこへ売却する人の性質上)高年式のものが多く、ちょっと選択肢が狭いのも事実。

まずは911。
カーセンサー上では「810台」の登録があり、よりどりみどり状態ですね。
水冷となった直後、996世代(171台の登録)から見て見ましょう。
後期型の涙目、2001年式だと350万円くらいが相場。
993から996へとスイッチするにあたり水冷化のほか各部が一気に近代的になり非常に大きな変化があったと言え、そこが良くも悪くも「普通」になったために多くのポルシェ・ファナティックの否定的な議論を呼んのがこの世代でもあります。
しかしぼくは「水冷になったからこそ」ポルシェを購入しようと考えた経緯があり(ランボルギーニも同じくアウディに買収されたから購入しようと考えた)、維持費や信頼性といった実用面を重視。

この世代の911において、モデル構成としてはカレラ、カレラ4S、ターボ、それぞれのカブリオレ版、GT3、タルガなどがありますが、タルガはちょっと安めの相場となっているようです。
ただ、「ゆったり走りたい」「とりあえずポルシェ911」というのであればタルガのティプトロニックはなかなか良い選択。

この世代は993の名残かマニュアル・トランスミッションの個体がまだ多いのも特徴。
2002年式、MTで250万円くらいという個体もあり、これは運転を楽しむには最適(86よりも安い!)なんじゃないかと思います。

なお前期モデルになると200万円を切る個体も続々登場。
正直いうと、ぼくはデザインに関しては前期の方が気に入っています。
前期と後期との差異はデザインに加えてエンジンとなりますが、997世代、991世代の前期と後期に比べると大きな差はなく(それらはトランスミッションや灯火類、過給機の有無などがある)、であれば価格の安い前期でもいいんじゃないか、と思います。

なお996世代のターボは一時期けっこう価格が下がっていたのですが、最近は上昇傾向にあり、700万円くらい出さないとならない状態(ターボはチューンすると異常に早くなるので、チューニングベースとして人気なのかも)。
GT3についても同様で、程度の良い個体だと「現実的ではない」価格になっており、ターボ、GT3を検討するのは難しそうです。



次いで997世代の911(234台の登録がある)。
こちらもターボ、GT3は軽く1000万円を超えるので、それらは購入検討対象としては難しい、と思います(991.2の911カレラを新車で購入、またはケイマンGT4を購入した方がよさそう。997ターボ/GT3の方が値下がりは小さいかもですが)。

997世代の中古911はかなり価格の幅があり、300万円台から500万円台まで様々。
カレラSでもカレラより安いものがあったり、と程度に大きく左右される相場です。

997Ⅱになるとけっこう価格が上がり、+150万円(もしくはそれ以上)ほど。
後期モデル(997Ⅱ)は パワーアップのほかオートマティック・トランスミッションがトルコン式からPDKとなり、テールランプやデイライトがLEDになるなど外観が大きくアップデートされるなど、正直「価格差だけのことはある」と考えています。

価格を抑えて前期モデルを狙うか、装備など充実しており売却時もおそらく高いであろう後期型を狙うかは微妙なところですが、購入から売却までの「差額」そのものは(”率”ではなく)前期の方が低そうであり、前期モデルでも十分すぎる性能を持っているので、ここは前期モデルでも全く問題はなさそうですね。

そしてボクスターとケイマン。
ボクスターは327台、ケイマンは211台の登録がありますが、911の方が圧倒的に登録数が多いのには驚き。
さほど「911は海外に流れていない」とも言えますが、元の販売数そのものも圧倒的にボクスター/ケイマンより多い、ということになりますね。
ボクスターもやはり981世代以降は人気が高く高価なので、ここは986(1996-2004)/987(2004-2012)世代に絞って検討してみることに。

ざっと見て驚くのは、986前期だともう「100万円切りそう」な相場になっている、ということ。
ポルシェが100万円でというのは驚きですが、今の水準で見ても986ボクスターは相当に高い動力性能を持っており、これはかなり魅力的な選択肢。

後期だと相場が上がって200万円弱という感じですが、上位グレードの「ボクスターS」でもこの価格で購入可能。
前期モデルとの価格差は大きいものの、ぼくとしては後期モデルを選びたいと考えています。

その理由としては、後期モデルから「ホロのリアスクリーンが樹脂からガラスになったから」。
樹脂製だと耐久性の問題があり、冬季に硬化して「割れる」可能性があって、割れると修理費用が30〜40万円ほど必要に(ソフトトップまるごと交換となる)。
また、「割れない」ように樹脂を(ホロをたたむ時に)綺麗に曲げてやる必要があるのですが、つまりトップを収納する時に毎回車を降りないといけない、ということですね。
ボクスターは電動ルーフを採用していますが、これではその恩恵を十分に受けることができない、という意味でもやはり後期型一択で行きたいところ。

なお986ボクスターの前期/後期での差はこの幌(スクリーン)、そしてエンジンくらいで、他は大きな差はないと認識しています。※996後期ではヘッドライトがボクスターとの差別化のために変更されているものの、ボクスターの前期と後期ではヘッドライト形状そのものの変更はない

そして987世代。
前期だと200万円〜300万円、後期だと300万円台、という感じですね。
こちらも911と同じく後期では出力の変更とトランスミッションの変更(ティプトロニックSがPDKに)、灯火類の多くにLEDを採用、というのが主なアップデートの内容。

ただしこのLEDというのは予想以上にその見かけの差が大きく、「200万円と300万円の差ならば」987ボクスターにおいては後期型を選びたい、と考えています。
911の場合は300万円と500万円、とかなり差が大きく、かつ500万円出すのであれば他の車を買った方がいいんじゃないかということで「前期」を選択していますが、それぞれに(懐事情に応じて)悩ましいところではありますね。

最後はケイマン。
ケイマンは987世代と981/718世代のみですが、やはり981以降は高価なので987世代のみが購入検討対象。
ボクスターと同じく前期は200万円〜300万円、後期だと300万円台といったところ。
前期と後期との変更内容はボクスター同様ですが、ケイマンについても同じ理由で後期の方がいいだろう、と考えています。

なお986世代、987世代ともにボディカラー/インテリアをカスタムするという考え方があまり一般的ではなかったこと、ポルシェが基本で用意する選択肢もさほど多くなかったこと(特にボクスターのソフトトップなど)もあり、中古市場ではよく似たカラーと仕様の個体が多くなっています。

よって購入するのであれば差別化ということを考え、また自分だけの車であるという満足感を得るためにもホイールのペイント、ストライプを入れるなどのカスタムを行いたいところではありますね。

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