| このロレアート クロノ グラフ Ti49のフィニッシュはじつに精緻な意匠を持っている |
一体感のあるケースとブレスレットにより腕への収まりが良さそうだ
さて、ジラール・ペルゴが2024年新作腕時計「ロレアート クロノ グラフ Ti49(81020-21-3263-1CM / 2,728,000円)を発表。
最大のトピックはそのモデル名からも分かる通りチタニウムをケースとベルト素材に使用していることですが、ジラール・ペルゴによれば、チタンがロレアートに採用されるのはこれが「初」。
なお、チタンは少し前から腕時計の素材として使用されることが多くなっていて、このロレアート クロノ グラフ Ti49に採用されるのはチタンにアルミニウムやバナジウムを化合したチタン”合金”である「グレード5」。
参考までに、グレード2を素材として使用する腕時計メーカーもあるものの、グレード2とグレード5との違いは「グレード2は純チタン、グレード5はチタン合金」というのが主なところ。
素材としての特性の相違に目を向けると、グレード2のほうがやや色合いが濃く、グレード5のほうが明るくステレンススティールに近い色味を持つというという特徴があり、グレード2だと鏡面加工やヘアライン仕上げなどのフィニッシュを(素材の特性上)行いにくいために高級感の演出が難しく、しかしグレード5だとこういった加工を行うことができるため、多くの腕時計メーカーはグレード5チタンを採用しています(ロレックスのRLXチタンもグレード5である)。
なお、チタン素材共通として「軽い」「強度が高い」「アレルギーを引き起こしにくい」「非磁性体」というメリットがあることもよく知られていますが、ジラール・ペルゴにとってチタン素材が特別であるのは「ジラール・ペルゴの創業者であるジャン=フランソワ・ボットが、自身の名を刻んだ腕時計を発表した年に(ウィリアム・グレガーによって)チタニウムが発見されたから」。
参考までに、発見当初は「チタニウム」ではなく「マナカナイト」と命名されており、これがのちにギリシャ神話に出てくる巨人族「タイタン」にちなんだ名称へと変更されるわけですね。
ジラール・ペルゴ ロレアート クロノ グラフ Ti49はこんな腕時計
そこでこのロレアート クロノ グラフ Ti49について掘り下げてみると、ケース径は42ミリ、そしてロレアートの特徴でもあるブレスレットと一体化したデザインを持つケースの上に円、そしてオクタゴン(八角形)形状を持つベゼル、そしてまた円状の風防が重ねられるといった立体的な構造を持っています。
このチタン製のケースの上面には「横」方向のヘアライン、側面には「縦」のヘアライン、そしてベゼルには「サークル」状のヘアラインという複雑な仕上げを持ち、これにポリッシュが組み合わされているわけですね(プッシュボタンの台座やリュウズのトップもオクタゴン)。
文字盤にはピラミッド状のクル・ド・パリ模様、そしてスモールダイヤルにはサークル状のグルーブが刻まれます。
全体的にカラーを排除したモノトーン調にてシックにまとめられており、上品な佇まいを持つ一本だと思います(公式フォトのようなシックな出で立ちによく似合う)。
なお、搭載されるのは自社製ムーブメントのキャリバーGP03300(パワーリザーブ46時間)。
鑑賞に耐えうる美しい仕上げを持つものの、惜しむらくはケースバックがスケルトンではないことで、そこだけはちょっと残念だと思います。
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参照:Girard-Perregaux