
Image:Audemars Piguet
| アンブッシュはバーバルとユーンが立ち上げたファッションブランドである |
当初はジュエリー中心、後にアパレル中心へと展開を拡大
高級時計界の頂点に君臨するマニュファクチュール、オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)がストリートカルチャーとハイファッションを牽引する東京発のブランド「AMBUSH(アンブッシュ)」の創業者であるYOON(ユーン)氏、およびVERBAL(バーバル)氏との電撃的なコラボレーションモデルを発表。
本作はスウォッチとのコラボ「ロイヤルポップ」熱も冷めやらぬ2026年5月21日に世界初公開され、同社のハイテク&アヴァンギャルドの象徴であるコレクション「コンセプト」をベースとし、その名も「ロイヤル オーク コンセプト フライング トゥールビヨン YOON & VERBAL」と命名されています。
世界限定わずか150本という極めて希少なタイムピースでもあり、さらには表面的なデザインの変更にとどまらず、伝統的なスイスの超複雑時計製造技術に加え、日本の最先端クリエイティビティが融合した”まさに芸術作品”とも呼べる1本を見てみましょう。
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今回の要点(この記事のまとめ)
- 奇跡のコラボ: オーデマ ピゲが、ファッション・音楽・デザインを横断するクリエイターユニット「YOON & VERBAL」とタッグを結成
- ブランド初の“赤”を宿す: 6時位置のフライング トゥールビヨンへとAP史上初となる「陽極酸化(アノダイズド)処理を施したレッド・アルミニウム」を採用
- 宇宙と地球の対比: 星空のように煌めくブラックアヴェチュリン文字盤、そしてマグマ(地球の核)を思わせる鮮烈な赤が織りなす圧倒的なコントラスト
- 絶妙なサイズ感のチタンケース: 従来の大型なコンセプトシリーズを、装着感に優れた38.5mmのチタンケースへとリサイズ
- 完全限定生産: 世界でわずか150本のみが展開される、コレクター垂涎のハイパーウォッチ
なぜオーデマピ ゲがYOON & VERBALとのコラボを展開?
今回のプロジェクト「Crafting Time with Yoon & Verbal」は、足掛け3年におよぶ緻密な開発期間を経て結実したといい、VERBAL氏は2002年に誕生した初代「ロイヤル オーク コンセプト」からの熱狂的なAPコレクターということもあって、今回のコラボレーションは彼らにとって極めて個人的で思い入れの強いプロジェクトなのだそう。
また、Dior Men(ディオール・メン)のジュエリーディレクターとしても世界的に名高いYOON氏は、次のように語っています。
「ラグジュアリーウォッチの、特にオーデマ ピゲのようなメゾンとの仕事は、常にサイクルが速いファッションの世界とは異なり、時間をかけて本質を突き詰める素晴らしい経験でした。私はジュエリーの直感を持ち込み、伝統的な時計製造の言語を学びました」
本作のデザインテーマは「本質への回帰」と「宇宙・地球とのつながり」。星空のように美しい漆黒の文字盤の中心で、最も重要な機構であるトゥールビヨンが鮮烈な「赤」で脈動する姿は、時計の枠を超えた現代アートの風格を漂わせています。

Image:Audemars Piguet
AMBUSH、そしてYOON と VERBALとは?
AMBUSH は、YOON氏と VERBAL氏が共同で立ち上げたファッションブランドで、2人の関係は、ビジネスパートナーであり夫婦でもありますが、YOON氏がデザイン面を担当し、VERBAL氏が音楽・カルチャー面やブランド戦略に関わる形で2008年に東京にてAMBUSHをスタートさせています。
もとはVERBAL氏のステージ用ジュエリー制作が(ブランド誕生の)きっかけだったと言われていて、実際にブランド展開初期はジュエリー中心として展開され、特に“POW!”モチーフのアクセサリーで注目を集め、その後アパレルへ拡大するという流れを経ることに。
ナイキ(Nike)やディオール(Dior)などとのコラボによって世界的に知られるようになった後、最近では、YOON氏とVERBAL氏が再びAMBUSHの全株式を買い戻し、ブランド初期の完全な独立体制に戻したことも話題となっています。
Audemars Piguet × Yoon and Verbal come together through a shared way of thinking, driven by intention, clarity and cultural exchange. Crafted in titanium and anchored by a vivid red flying tourbillon, this limited edition Royal Oak Concept Flying Tourbillon expresses purpose… pic.twitter.com/8RQB3vMWnF
— Audemars Piguet (@AudemarsPiguet) May 21, 2026
ロイヤル オーク コンセプト フライング トゥールビヨン YOON & VERBALの特徴
1. AP史上初、鮮烈な「レッド・アルミニウム・ケージ」
デザインの最大のハイライトは、6時位置で静かに、しかし圧倒的な存在感を放ちながら回転するフライング トゥールビヨン。
オーデマ ピゲ史上初めてトゥールビヨン・ケージの上部プレートに陽極酸化(アノダイズド)処理を施したレッド・アルミニウムを採用していますが、これはVERBAL氏が「地球の核(コア)、エネルギーの源、そして時間の計測の始まり」と表現するもので、複雑なオープンワーク(肉抜き)メカニズムに圧倒的な視覚的インパクトを与えています。

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2. 星々が煌めく「ブラックアヴェチュリン」の文字盤
ベースとなるダイヤルには、職人が細心の注意を払って切り出したブラックアヴェチュリン(砂金石)ガラスを使用。
光の角度によって細かな結晶がまるで宇宙の星々のように煌めき、中心の赤いトゥールビヨンを美しく引き立てるかのようですね。
3. ハイパーカーのパーツを思わせる立体的なチタンケース
ケース素材には、軽量かつ極めて強靭な航空宇宙グレードのチタンを採用。表面にはサンドブラスト(艶消し)、サテンブラシ、そしてミラーポリッシュ(鏡面仕上げ)という3種類の異なる仕上げを組み合わせることでロイヤル オーク コンセプト特有の彫刻的で力強い多面体ジオメトリーを際立たせています。
サイズは従来の44mmクラスからユニセックスで腕馴染みの良い38.5mmへとダウンサイジングされており、現代のラグジュアリーにふさわしい軽快な装着感を実現することに。

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「ロイヤル オーク コンセプト フライング トゥールビヨン YOON & VERBAL」:仕様一覧
| 詳細・スペック | |
| リファレンス | 26630TI.GG.D002CA.01 |
| ケース径 / 厚さ | 38.5 mm / 11.4 mm |
| ケース素材 | チタニウム(ブラックセラミック製リューズ) |
| ダイヤル | ブラックアヴェチュリン(オープンワーク構造) |
| ムーブメント | 自社製手巻きキャリバー 2982(フライング トゥールビヨン搭載) |
| 部品数 / 厚さ | 212部品 / 6.0 mm |
| パワーリザーブ | 約72時間(約3日間) |
| 振動数 | 3 Hz(21,600振動/時) |
| 防水性能 | 20 m(日常防水) |
| ストラップ | 交換可能システム搭載、ブラックおよびレッドの「マイクロモザイク」パターンのラバーストラップが付属 |
| 限定本数 | 世界限定150本(オーデマ ピゲ ブティック限定販売) |

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市場でのポジショニング
オーデマ ピゲは近年、現代アートのKAWS(カウズ)やポップカルチャーとのコラボレーションを積極的に展開し、時計業界の常識を塗り替え続けていることが知られていますが、今回のAMBUSH(YOON & VERBAL)とのタッグは、ラグジュアリーウォッチ市場における「Z世代・ミレニアル世代の富裕層」、および「スーパーカーや現代アートを好む高感度なコレクター」を確実に狙い撃ちにした戦略的マイルストーン。
さらにはスウォッチとのコラボレーションによる「ロイヤルポップ」の展開など、積極的に「新しいファン層を形成し、次世代の顧客ベースを構築しよう」という姿勢が伺えます。
時計好き・クルマ好きを魅了する「ハイテク素材」のトレンド
自動車業界において、とくにハイパーカーやスーパーカーでは美しく加工されたチタンやアルミニウム「パーツとして」露出させ、あるいは「物理スイッチとして」配置することで機能美をアピールするというのが近年のトレンドとなりつつありますが、これと全く同じ手法がこの時計にも取り入れられています。
文字盤の裏側、およびサファイアクリスタルのケースバックからは、手作業で丁寧に面取り(アントラージュ)やマイクロブラスト加工が施された最新ムーブメント「キャリバー2982」の幾何学的なブリッジを堪能することができ、これは「性能には関係がないが、所有するオーナーを満足させる」仕掛けでもありますが、クルマにせよ腕時計にせよ、「機能だけではない」素材選びや加工技術が「真のラグジュアリー」へと結びつくこととになるのだと考えられ、とくに「ロイヤル オーク コンセプト フライング トゥールビヨン YOON & VERBAL」はメカニカルな美しさを愛するすべての大人にとって、最高のディテールを持つ1本として認識されることとなりそうですね。

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結び
オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク コンセプト フライング トゥールビヨン YOON & VERBAL」はブランド同士のネームバリューを掛け合わせただけのプロダクトではなく、それは、数百年の歴史を誇るスイスの至高の職人技(サヴォアフェール)が東京のストリートから世界を揺るがすクリエイティブな感性と真剣に向き合い、3年の歳月をかけて本質を研ぎ澄ました結果生まれた「未来のクラシック(名作)」。
世界限定150本という狭き門のため、実際に手に入れることができるオーナーは世界でも一握りですが、この時計が放つ「無駄を削ぎ落とし、本質に光を当てる」というエネルギーは、これからのラグジュアリー・ライフスタイルの指針となる重要なメッセージを秘めているようにも思います。
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