| ヨットマスターは他のロレックスとは性格が異なる |
ふと「ロレックス・ヨットマスターは”買い”ではないか」と思ったわけです。
ヨットマスターは外観こそサブマリーナに似ていますが、潜水用ではなく船上(文字通りヨット)にて使用することを考えているので防水性能は100メートルに制限(これはサブマリーナに比べてメンテナンス費用が安上がりであることを意味する)。
なおヨットマスターは1992年に登場していますが、その時は「ヨットを持っている人」を対象としていたために18KYG(いわゆる金無垢)モデル「16628」のみで発売という異例のスタート。
その後リッチなセレブがカップルで装着することを想定してボーイズサイズ、レディスサイズを追加。
今でもロレックスのラインアップでは非常に珍しい「メンズ/ボーイズ/レディス」の3サイズが揃うモデルです。
その後1999年にステンレスモデルとプラチナ(ホワイトゴールドではないのがミソ)のコンビという、見た目はステンレススティールに見えるが実は高価という「ロレジウム(16622)」が登場。
さらには2012年にモデルチェンジを果たしてRef.116622となり、キャリバーこそ3135と代わりはないもののパラクロムヒゲゼンマイが採用され、インデックスにはクロマライトが採用に。
同時にブルーダイアルが登場しています。
セレブ向けの腕時計ということでベゼルはサブマリーナとは異なり文字が浮き出た立体的な加工が施され(現在のブマリーナは文字が凹んでいるが、ヨットマスター発売当時のサブマリーナのベゼルはアルミに印刷されただけの文字だった)、高級感も抜群。
ヨットマスターは一見地味でありながら実はプラチナとのコンビであることや、シンプルなカラー構成を持つこと、サブマリーナのスポーティさとは異なる落ち着きを持つことを考えるとかなり魅力的なモデル。
デッキシューズにショートパンツ、ポロシャツの襟を立てたきこなしがピッタリきそうです。
ヨットマスターはいろいろな意味で「ロレックス初」の試みを行ってきていますが、さらに「初」なのがラバーベルトの採用(ピンクゴールドモデルのみ)。
これはラバーの中にステンレスのブレードを仕込んで破断を防ぐという質実剛健が売り物のロレックスらしい構造を持ち、ほかメーカーに遅れての採用となったビハインドを一気に盛り返すだけの作りをもっています。
ベルト裏面はケースにフィットするカーブを持ち、そのカーブ部分はベルトのメイン部分に比べて薄く柔らかく(フィンのようになっている)、ぴったり腕にフィットする構造が採用され、これもほかメーカーのラバーベルト採用腕時計に大きく差をつける仕様でもありますね。
ベゼルはセラミックですが、ゴールドやコンビモデル同様のエンボス加工となっているのも一つの特徴。
ただ、このピンクゴールドモデルは非常に高価なのでちょっと手が出ず、従って狙うのはステンレスとプラチナのコンビモデル「ロレジウム」。
もちろん中古を狙いますが安いものだと70万円台からあり、サブマリーナの中古と比べてもかなり割安と言えます。
現行モデルは年式が新しく(2012~)機械的にも安心でき、前期モデルになるともう一つ安い(-10万円くらい)価格帯に突入しますが、売る時の差額を考えるとここは購入時に高くとも現行モデルを狙いたいところ。
なおヨットマスターの中古はベゼルのサテン仕上げ(光沢のない、文字がない)部分が傷つきやすく、ここは購入前に要チェック。
ちなみにヨットマスターⅡというモデルもありますが、こちらは本格的な協議に対応したレガッタクロノグラフを持ち、かつ44ミリサイズとなっています。
見た目のエキゾチックさ、高級感やセレブ感はもちろんこちらのほうが上ですが、価格もぐっと(1.5倍くらい)上がりますね。