| スーパーカー風ルックスのスーパーEV |
何かと話題の多い、元アストンマーティン/BMWのデザイナー、ヘンリク・フィスカー氏が世に送り出すEV「イーモーション(EMotion)」がラスベガスで開催されるCESにて公開。
USAトゥデイによると、一回の充電あたり走行距離は約640キロ、価格は129,000ドル(1500万円くらい)。
出力は700馬力、駆動方式は4WDを採用する、とのこと。
先進装備も満載
ここまではさほど驚くものではありませんが、注目に値するのは「ホイールサイズが24インチ」ということ。
オフローダーではなく、むしろスポーツカーとも言えるシルエットを持ちますが、にもかかわらず24インチサイズのタイヤ/ホイールを持つということは「コンセプトカーのようなボディとタイヤとのバランスを持つ」とも考えられそう。
そのほか5つのQuanergy社製によるセンサーと自動運転を持ち、4つのゾーンに別れた電子式可変スモークガラスが採用される模様。
ボディ自体はカーボンファイバーとアルミで構成され、サイズはテスラ・モデルSとほぼ同等。
最高速度は時速260キロだとされています。
バッテリーはリチウムイオンを採用し、9分の充電で約205キロ分の容量までチャージできると報じられますが、将来的にはソリッドステート・バッテリーの搭載も検討している、とのこと。
ヘンリク・フィスカーって誰?
ヘンリク・フィスカー氏はBMWではZ9、アストンマーティンではDB9やヴァンテージのデザインを行った人物。
その後自身の会社を立ち上げ、「フィスカー・カルマ」をリリースしています。
これはPHEVとなり、レオナルド・ディカプリオ氏はじめ多くの著名人が購入したものの、致命的な欠陥があったとされ、その後中国企業へ会社ごと売却。
現在、この「フィスカー・カルマ」は名称を「カルマ・レヴェロ」と変えて市販バージョンを再度リリースしています(生産拠点は以前と同じカリフォルニア)。
そしてヘンリク・フィスカー氏はまた別のプロジェクト「サンダーボルト」を立ち上げるものの、こちらが「アストンマーティンに似ている」としてアストンマーティンがヘンリク・フィスカー氏に対して訴訟を起こし、これはアストンマーティンが自社のかつてのデザイナーを訴えた、ということに。
ただフィスカー氏は「似たような車ばかりをデザインする」人物なので、アストンマーティンをパクる意思はなく、単にアストンマーティンでもサンダーボルトでも「自分の好きなデザインで車を作ったらそうなった」というだけなのかもしれません。
その後「フォース1」という車の計画を同氏が公開するも、これに対してやはりアストンマーティンが訴えを起こし、さすがに怒ったヘンリク・フィスカー氏がアストンマーティンを相手取って訴訟を起こすという泥沼に。
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ただし問題は「ここから」で、今回発表されたフィスカー・エモーションのリヤビューは上の画像の通り。
あれ?と思うかもしれませんが、これは先日発表されたばかりの「アストンマーティン・ヴァンテージ」そっくり。
ただし時系列的にはEモーションのプロトタイプのほうが先に公開されており、むしろ今回はアストンマーティンのほうが「後」。
ただし今回は泥仕合を見せた両者が何も反応しておらず、おそらくどこかで「何らかの合意」がなされたのではないかとも考えています。