ランボルギーニ・ウルスのコピーが中国で発売。調べてみるとベンツの合弁相手が首謀者のようだ

｜　中国のパクリは年々巧妙になってきている　｜

中国の自動車メーカー、Huansu Autoがランボルギーニ・ウルスっぽい「Xシリーズ C60」を販売開始。
このHuansu Autoは中国におけるメルセデス・ベンツの合弁相手「北京汽車（BAIC）」と「Yinxiang Motorcycle Group」との合弁による「Beiqi Yinxiang Automobile」が保有するブランド、とのこと。
なおBeiqi Yinxiang Automobileは、調べてみると箱バンやトラックなど商用車を生産している重慶にあるメーカーのようで、C60は北京汽車のプラットフォームを使用して製造されるようです。

ちなみに北京汽車のウエブサイトにはBeiqi Yinxiang Automobileの記載はなく、あまり表に出したくない、そしてバレたときに切り捨てることができるように、と考えているのかもしれません。

中国におけるパクリも巧妙になってきていて、デザイン的に「どこまでがセーフで、どこからがアウトか」を理解してコピーしていると思われる場合もあったり、今回のように「バレたらしっぽを切れる」会社を作ってパクっていると思われるケースもあり、ここまで来ると「もうどうしようもないな」と思ったり。

価格はランボルギーニ・ウルスの1/20以下

このXシリーズC60については6月より北京や上海などの都市部で販売されていて、エンジンは2リッターターボ195馬力（EVではない）、5シーターというパッケージング。
価格は180万円～250万円くらいとされています（ランボルギーニ・ウルスは中国では5300万円くらい）。

ちなみに製造を行うBeiqi Yinxiang Automobileのほかのクルマは「いかにも中国」っぽいものばかりでさほど「パクリ感（レクサスっぽいものはある）」はなく、オシャレさも皆無。
つまり今回のXシリーズC60だけが「他のラインアップと全く異なる」性質を持ち、となるとBAICが意図的にパクっている可能性、そしてBAIC本体でパクるとバレたときに面倒なので、いざというときはすぐに逃げたり責任を転嫁できるよう「第三者」を装った会社を使ってパクらせていると考えるのが妥当かもしれません（察するに、中国の自動車産業も競争方になってきていて、経営の苦しくなった自動車メーカーを見つけてはうまい話を持ちかけている）。

中国というと「外国企業のパクリ」が多いように思いますが、実は中国企業が中国製品をパクることも多々あります。
また、中国人は外国人を騙すというイメージもありますが、中国人が中国人を騙すケースも多数。
よってぼくらが中国を信用できないように、「中国人が最も信用していないのは中国人」であるのは滑稽な事実ですが、「トカゲの尻尾切り」のように同朋を利用するのは本当に恐ろしいことだ、とも思います。

↓こちらが本家のランボルギーニ・ウルス

正直良くわからないのはこういった「パクリ」を購入する人の心境で、これだけ情報が行き届いた現代であれば「元ネタを知らずに購入する」ということはまずなさそう。
となると「パクリとわかっていて」購入することになりますが、メンツを大事にする中国人からすると「パクリを購入したと周囲に思われる」ことは恥にならないのかと考えたりするわけですね（一部でコピーを恥だとする風潮はあるようだ）。

↓ちなみにこちらが発売された実車

メルセデス・ベンツはもうBAICと手を切ったほうがいい

なお、このランボルギーニ・ウルスのパクリもたどってゆくと「北京汽車（BAIC）」つまりメルセデス・ベンツの現地パートナーになるわけですが、最近報じられているとおり、この北京汽車は合弁相手であるメルセデス・ベンツ「Gクラス」をパクったクルマ、BJ80を発売。※ちょっとジープの要素も入ってる

↓これはギルティ

つまりパートナーであるメルセデス・ベンツにまったく敬意を払っていないということになり、こういった会社と付き合うことはメルセデス・ベンツにとってまったく利益にならないのでは、とも思います。
ただ、「反日デモ」の際に日本企業が中国から引き上げるのが難しかったように、法規上、また契約上「手を切りたくても切れない」のかもしれません。

↓絶対ギルティ

このあたりまさに中国の「恐ろしさ」とも言えますが、手を組む相手を間違うと大変なことになるかもしれないというひとつの例ではありますね。

↓こちらはメルセデス・ベンツGクラス

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VIA:CARNEWSCHINA