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マツダのデザインは来年から新次元へ突入。あらゆる観点から従来と異なる「職人技とデジタルとの融合」

2018/06/27

| マツダのデザインは新しい次元へ |

マツダが来年に導入する新型車より、新たなデザイン言語を用いる模様。
これは「今までの伝統から抜け出し、あらゆる観点において新しいアプローチを採用したもの」だと報道されています。
マツダのデザイン本部、”アドバンスドデザインスタジオ アドバンスデザイングループ”にてシニアデザイナーを務める松井貴宏氏によると「マツダはこれまでデザインを行う際にクレイモデルを使用してきたが、近年ではより複雑なデザインを実現するためにデジタル技術を用いるようになっている」とのこと。

デジタル技術をデザインに導入

そして松井氏によれば、「新しいデザイン言語」について「クレイモデルとデジタルデザイナーとの共同作業によって進められるものとなる」。
「クレイモデル」とは文字通り粘土で制作する模型のことで、デザイナーが描いた「二次元」を「三次元」へと変換する際に用いるもの。
デザイナーが自ら制作する場合もあり、別にクレイモデラーが存在する場合もありますが、マツダの場合は「”デザインに魂を吹き込む”クレイモデルのスペシャリスト、寺内 範雄氏」が在籍しており、オフィシャルサイトでも紹介されています。

↓こちらはマツダ・ブランドスペースに展示のクレイモデル

なおイタリアではデザイナーがクレイモデルを制作するのが通例であるようで、エンツォフェラーリのデザインで知られるケン・オクヤマ(奥山 清行)氏も自身の著書「ムーンショット デザイン幸福論」でその難しさについて触れていますね。



職人技術とデジタル技術との融合が”鍵”

マツダでは今後、上述のように「クレイモデラーとデジタルデザイナー」との共同作業を行うことになりますが、松井氏によれば同時にこれは両者の「競争」であるとも。
クレイモデルでは実際に肉眼で見たときの「美しさ」を再現するのに優れ、一方でデジタルによるデザインはよりシャープで彫刻的な設計が可能になるため、「これらの組み合わせ」が重要ではあるものの、お互いの立場からの議論が必要だという意図なのだと思われます。
人にしかできない”感性を刺激する”部分や、逆にデジタルでしか到達できない”人の常識を凌駕する構造”といった領域があり、それらの利点を最大限にまで高める必要がある、というのがマツダの考える「新しい手法」だと言えそうですね。

なおこういった「デジタルによる設計」の普及が可能としたのはレクサスLC500に採用されるような複雑な造形ですが、こういった複雑な設計は最近だとBMWやアストンマーティンにも見られるようになっており、今後さらなる拡大の可能性が大きそう。

IMG_0857

ちなみにマツダでは、こういった「競作」として生まれたのが「ヴィジョン・クーペ」だとしており、これの制作には2年を要した、と説明しています。
加えてマツダは「塗装もデザインの一部」だと考えているのはかねてより知られるところで、「ソウルレッドプレミアムメタリック」「マシーングレー」を採用して「反射」を意識したデザインを行っていますが、このためにヴィジョン・クーペでは0.01ミリ単位でのボディライン修正を重ねたとされ、ここはやはり「熟練クレイモデラーの出番」だったのでしょうね。

実際のところ松井氏は「現段階ではクレイモデルのほうがデザインにおいては優れる」とも語っており、今後もマツダの「職人」のさらなる活躍、そして「職人とデジタルとの融合」が期待できそうです。

なお、「来年発表の新型車」とはアクセラ(マツダ3)を指すと思われ、そして「kaiコンセプト」に採用されたデザインそのものが「新しいデザイン言語」をあらわしている、ということなのかもしれません。

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