ロータリーエンジンほどメリットとデメリットが顕著なエンジンもそうそうない
いつもためになる動画を公開してくれるユーチューバー、Engeneering Explained氏。
今回はロータリエーンジンを3Dプリンタで再現し、その構造を紹介してくれています。
なお、このロータリーエンジンはマツダRX-7に積まれる13Bをそのまま1/3サイズにスケールダウンしたもの。
同氏は以前にも、スバルに搭載される水平対向エンジンを3Dプリンタにて製作し、そのメリットを解説していますね。
なお、現在に至るまでロータリーエンジンを実用化したのはマツダのみ。
これまでもメルセデス・ベンツやアウディがその実用化に向け開発を行うも、いずれも途中で実用化を断念しています。
もとはドイツのフェリクス・ヴァンケルという人が開発した技術で、そのため欧州では「ロータリーエンジン」というより「ヴァンケルエンジン」を呼ばれることが多いようですね。
ロータリーエンジンは構造的に、「おにぎり型」のローターがハウジング内を回転することで「出力」を発生。
これはピストン運動をクランクシャフトを介して回転へと変換し、それを出力とする通常のガソリンエンジンとは全く異なる構造を持っています。
ロータリーエンジンは通常のガソリンエンジンのように、「ピストン運動をクランクシャフトを介して回転に変換し、出力する」のではなく、おにぎり型のローターを回転させることで、その回転力をそのまま出力するもの。
ピストン運動がないので振動や騒音が少なく、構造が簡易・小型かつ軽量で、同じ出力であれば排気量が小さく済むことが特徴ですが(よって280馬力ながらも、マツダRX-7/FD3Sは1300cc鹿排気量がない)、組み立てが難しい、劣化が激しいという問題も。
なお、組み立てについてはRX-7までは「手組み」、RX-8はオートメーションによる生産となります。
反面、排気ガスがあまりクリーンではないというデメリットもあり、そのためにこれを動力源としたクルマをつくるのは非常に困難。
現在マツダはこれを動力源として採用することをいったんは置いておき、これをEV用のレンジエクステンダーとして活用する方向性に転じています。
レンジエクステンダーとは「レンジ(距離)」を「エクステンド(延長)」させるという意味で、主にEVに対して「発電機代わりに」積まれるもので、たとえばBMW i3だとオプションで(BMWのスクーターに搭載されている)エンジンを発電用として搭載可能。
ロータリーエンジンだと小型軽量、かつ振動が少ないという点においてEVに搭載するには「うってつけ」と考えられ、現在マツダはこのレンジエクステンダーにロータリーエンジンの生き残る道を見出しているようです。
加えて、「公的」にはロータリーエンジン搭載スポーツカーの発売を認めていないものの、マツダ全車としてこれを「発売したい」という意向があり、よってエンジニアたちはこの可能性をまだ捨てず、研究を行っているとも言われていますね。
VIA:Egneering Explained Youtube