| 例を見ないジェットエンジン発電システム |
1350馬力のエレクトリックハイパーカーを発表した中国のテックルールズ(Tech]rules)が、その中核となる「タービン・リチャージング・エレクトリック・ビークル(TREV)」技術の量産準備が整った、と公表。
これはタービンを回して電力を発生し、その電力をバッテリーに充電するというもので、つまりは「レンジエクステンダー」ではあるものの、その発電量が非常に大きいために「大きな電力を消費する」スポーツEV/ハイパワーEVにも対応できるのが特徴です。
実際にテックルールズはこのシステムを「6モーター、1350馬力」というハイパーEV「REN」に搭載して走行させていますが、このRENは0-100キロ加速3秒以下、最高速度330km/hという性能を誇ります。
タービンはバイオ燃料にも対応
こちらがそのタービンジェネレーター(発電機)で、つまりはジェットエンジンのようなもの。
日産ノートe-powerやBMW i3のように通常のガソリンエンジンを回して発電したり、マツダが取り組んでいるようにロータリーエンジンにて発電を行うという考え方を持つメーカーもあるものの、さすがに「ジェットエンジン」には対抗できないと思われ、コストはともかくとして、かなりな優位性を持つと考えても良さそうです(充電ができなければ、現在のバッテリー技術だとニュルブルクリンク3周程度でバッテリーが消耗してしまう)。
このタービンはガソリンのほかディーゼルにも対応できるとしており、画像の大きなタービンは「107馬力」を発生するもの。
もちろんこのタービンは直接駆動力に貢献するわけではないので107馬力でも問題はなく、しかしテックルールズはもっとコンパクトな「20馬力版」も製造する予定だと発表しています。
というのも、「REN」を発表した後に多くの自動車メーカーから問い合わせが入り、このタービンジェネレーター提供の要望が相次いだため。
テックルールズは「タービンのみ」を他社に販売する意向
よほどのハイパワーなクルマでもない限りは107馬力のジェネレーターは必要がなく、よって20馬力まで縮小してコストを抑えることができれば、シティコミューターのような小型車にも搭載できるサイズと価格になる、ということのようですね。
そしてテックルールズは「2019年から生産が可能だ」としており、今後はこのタービンを搭載するスタートアップが多数登場することになるのかもしれません。
テックルールズは、テスラ成功を受けて雨後の竹の子のようにニョキニョキ出てきたEVスタートアップのひとつですが、その中でも着実に進歩を遂げ、実際に市販までこぎつけた数少ないメーカーの一つ。
現実的に納車がされたかどうかはわかりませんが、2年前にジウジアーロ・デザインにてスーパーカーを発売していることで知られます(この前のコンセプトカーは別会社のエンブレムを装着して路上を走っているのが目撃されている)。