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アストンマーティンは新型ヴァンキッシュに「ハードコア」「オープン」モデルを追加の意向。なぜそこまで急ぐのか、そうしなければならないワケ

2019/03/21

マーケットを掌握するには「様子を見ている」時間はない

アストンマーティンは衝撃の「ヴァンキッシュ・ヴィジョン・コンセプト」を発表していますが、何が衝撃かというと「ミドシップ」。

これまでヴァンキッシュはずっとフロントエンジンレイアウトをキープしていたものの、なんと新型ではエンジンがミッドマウントされるということを意味し、これは「コルベットに続くFRからミドシップへのスイッチ」例となりそう。

ヴァンキッシュは次期主力モデルとしての位置づけ?

そして新型アストンマーティン・ヴァンキッシュは2022年発売と言われますが、今回早くもアストンマーティンCEO、アンディ・パーマー氏がヴァンキッシュの派生モデルについて言及しており、通常の「ヴァンキッシュ」に加えてサーキット思考のハードコアモデル「ヴァンキッシュAMR Pro」、オープンモデルの「ヴァンキッシュ・ヴォランテ」を投入する計画があると発表。

アストンマーティンはこれによってマクラーレン720S、そしてそのうち登場するであろう「LT」、フェラーリF8トリブートとやはり登場が予想されるハードコアモデル、ランボルギーニ・ウラカンEVOとその”ペルフォルマンテ”、それらのオープンモデルに対抗するということになりそうです。

現在のところ新型ヴァンキッシュのスペックは不明ではあるものの、アンディ・パーマーCEOは「ヴァンキッシュに搭載されるV6エンジンはV12エンジンを半分に割ったもの」とコメントしており、つまり現在DB11に積まれる5.2リッターV12ツインターボエンジンの半分の排気量や出力を持つということが予想できます(ボアアップ等で排気量が上げられるかも)。

さらにこのV6ツインターボエンジンはハイブリッドシステムと組み合わせられることになりますが、同じパワートレーンはヴァンキッシュの兄貴分となるハイパーカー「AM-RB003(ヴァルハラ)」にも搭載される、と言われています。

そしてアンディ・パーマーCEOは「2020年代中頃に登場する”DB12(DB11の後継モデル)”は新型ヴァンキッシュと共通するデザインを持つことになると述べていますが、同時にDB12はグランドツアラーだとも語っているので、DB12は「フロントエンジンのまま」だと思われます。

つまりは「フロントエンジンだろうが、ミドシップだろうが」今後のアストンマーティンはヴァルキリーに端を発するデザイン言語を持つということになりますね。

アストンマーティンはヴァルキリーを投入した後に「AM-RB003”ヴァルハラ”」「ヴァンキッシュ」を立て続けに投入し、そしてヴァンキッシュにはハードコアモデルやオープンモデルが矢継ぎ早に登場(AM-RB003にも”AMR Pro”はラインアップされそう)するということに。

さらにヴァンキッシュに似たデザインを持つDB12もそれらに続くという計画を持っているワケですが、今までのアストンマーティンのペースからするに「あまりに急」。

こういった「ひとつの頂点を起点にした展開戦略」は、ポルシェのエレクトリック化も同様ではあるものの、「初期のモデルがコケると、そのあとの計画が全部パー」になるリスクがあるのは間違いのないところ。

もちろんポルシェもアストンマーティンもそれは承知の上でこういったストラテジーを採用しているのだと思われ、つまり現代の自動車業界は「そこまでリスクを踏まないと勝てない」ということなのかもしれません。

つまり、パイロットフィッシュ的にテストモデルを発売し、その動向を見てから次の展開を(予め用意していた複数選択肢の中から)決定するという方法では遅い、ということですね。

BMWも「8シリーズ」において、「クーペ」「カブリオレ」「グランクーペ」「M8」と同時に開発しており、しかしはじめに発売したモデルが売れなければ相当なリスクを背負うことに。
しかし、それをわかっていても「やらねばならない(猶予がない)のが今の競争が激化したマーケットなのでしょうね。

VIA: Top Gear

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