｜ クルマが欲しいというだけではなく、社会的に貢献したいという意識の高さもあるようだ ｜
シボレー・コルベットは新型（C8）ではミドシップへとスイッチすることになりますが、現行（C7）コルベットは当初言われていたように「C8と併売」ではなく、C8発売に伴い「生産終了」。
そしてその”最後の”C7コルベットが競売にかけられると報道されていたのがつい最近で、そして今回は実際にバレット・ジャクソン主催のオークションに出品されて落札され、その価格が約3億円であった、というニュースが報じられています。
C7コルベットは売れ残っていると言われていたが？
なお、C8コルベットの発表日や、C7コルベットの生産終了がアナウンスされた後もC7世代のコルベットを「買い急ぐ」傾向は見られず、むしろ2年分くらいの在庫が残っている、と言われていたくらい。
よってC7コルベットの人気はさほど高くなく、今回の「3億円」という価格には驚いたということになりますが、同じく「最後」のモデルがオークションにかけられた例だと「ダッジ・ヴァイパーと、チャレンジャーSRTデーモンとの2台セット」があり、こちらの落札価格は1億1000万円。
これを鑑みても、いかに今回のコルベットの落札価格が高いかということがわかりますね。
高額落札は富裕層の「義務」
なお、今回のオークションにおける収益金はもちろんチャリティー（戦争にて心身ともに傷を受けた人々、そしてその家族の支援）に回されることになるとのことで、やはり興味があるのはこの金額を支払う人。
報道によればのの「最後のコルベット」を落札したのはダンとミッチの「スナイダー親子」。
この親子はこれまでもダッジ・ヴァイパー30台を含む「アメリカンマッスルカー100台以上」を集めている人物だそう。
ダン・スナイダー氏によると「アメリカンマッスルにおける重要なクルマを落札できたのは大きな特権だ。このクルマはアメリカのクラフトマンシップ、パワー、エンジニアリングの素晴らしさをあらわしている。しかし、アメリカンマッスルは滅びゆく種でもある。しかし個人の自由を求めハイウェイをひた走り、地平線を目指すというアメリカン・ドライビング・エクスペリエンスを絶やしてはならない。保護すべき種なのだ」とのこと。
なお、そうは言っても「単に欲しい」といういうだけでこの金額を拠出することは難しく、しかしその背景にあるのは「社会貢献」の精神だと思われます。
アメリカはなんだかんだ言って助け合いの精神が強く（移民の国だからか）、助けるだけの力があれば、困っている人に手を差し伸べるべきだと考え、実際にそう行動する人が多いようです。
ハリウッド映画を見ていても「自己犠牲」が重要なテーマとして描かれていますし、お金を持っている人はお金を使い、それで経済を回さないという考え方から「お金持ち向けの買い物ツアー」が支持されるほど（メジャーリーガーの奥様で組織されるツアーもあるらしい）。※日本でお金持ちが消費すると叩かれるだけですが
そういった背景もあり、今回のコルベットの「高額落札」に結びついたと考えられますが、とにかく驚きの額ではありますね。
ちなみに最近はこういった「高額落札」が相次ぎ、つい先日も新型トヨタ・スープラの第一号が「2億7000万円で落札した」オーナーへと引き渡されたばかりですね。
コルベットの「フロントエンジン」の歴史は本当に幕を閉じてしまう
コルベットというと1954年の登場以来、ずっと「FR（フロントエンジン、リアドライブ）を貫いてきたクルマ。
途中何度かはミドシップ化の機会があったと言われるものの、結局は今に至るまでFRを貫いており、それがとうとう「終わってしまう」のはちょっと寂しいような気もしますね。
やはりぼくは、「コルベット」というと、C3世代以降の「長大な」ノーズを持つクルマを連想してしまいます。
なお、シボレーはミドシップ版コルベット発表を目前にし、「FRの」コルベットを偲ぶ動画も公開。
こちらが「最後の」コルベットを紹介する動画。
ブラックのボディカラーとレッドのアクセントを持つZ06です。
そしてオークションの様子を納めた動画。