| 見た目も大きく変わり、これまでの「直線」から「曲面」へ、そしてより滑らかに |
ポルシェがWEC(World Endurance Championship=世界耐久選手権)で戦うレーシングカー、「911RSR」のニューモデルを公開。
ベースは992ではなく911.2GT3 RSとなり、エンジンは排気量が拡大されて911史上最大の4.2リッターへ(ということは、市販モデルのGT3系に搭載されるエンジンも4.2リッターまでは拡大できる?)。
出力は515馬力と「控えめ」ですが、これはリストリクターによって制限されているため。
ここでその詳細を見てみましょう。
「先代では多くの改善点が見つかった」
ポルシェGTモータースポーツ部門のトップ、パスカル・ツルリンデン氏によると「我々は攻撃の手を緩めない」。
先代の911RSRには多くの改善点が見つかったといい、新型911RSRでは主にドライバビリティ、燃費、耐久性、整備性については大きく改善された、とのこと。
実際に、今回発表された911RSRは先代に比べて95%が新設計されたといい、そのまま継続したのはヘッドライト、ブレーキシステム、クラッチ、シート、サスペンションパーツのいくつかといった程度だそう。
トランスミッションは6速シーケンシャル、もちろん駆動輪は後輪のみ。
ポルシェはすでに今年3月、6,000キロ30時間をノントラブルで走り切るという結果を残していると述べ、耐久性については大きく改善されているのは間違いなさそうですね。
なお、実践におけるデビューは2019年9月1日にシルバーストン・サーキットにて開催されるFIA世界耐久選手権の開幕戦だそうですが、これまでの911RSR同様、高い戦闘力を見せてくれることになりそうですね。
なお、ポルシェは991世代の911RSRについて、2017年モデルから「ミドシップ化」。
つまりリアエンジンからミドシップへと驚愕の変更を遂げることになり、これによって911RSRの戦闘力は大きく向上した、と言われます。
運動性能が向上した理由としては、もちろん重量配分が最適化されたこと、そしてエンジンが前に移動することでリアディフューザーの設計自由度が増し、ダウンフォースも増大したこと。※992世代の911(市販モデル)は、これまでに比べてミドシップに近いレイアウトを持つと言われるが、911RSRからの技術的フィードバックがあったのかも
よって最新の911RSRもミドシップレイアウトを引き継ぐことになると思われますが(詳細は公開されていない)、95%が新設計と言われるとおり、見た目は大きく変化しています。
まず、エキゾーストはこれまでの「リア」から「サイド」出しに。
これを見ても、やはりエンジンはミドシップだと考えて良さそう。
ホイールはBBS製のセンターロック、そしてエアバルブの位置を示すマーキングも。
フロントフードの形状も大きく変わり、これまでの「直線的」なルーバーから、うねるような曲線を持つ構造へ。
リアディフューザー形状も大きく変更。
意外と「左右」の幅は狭く、フィンはフロントフード同様、これまでの「直線」から「うねった」デザインへ。
なお、ディフューザー後端には「折返し」が見られますね。
ドアハンドル下には謎のホイールが3つ(これまでの911RSRにはない)。※昨年までの911RSRのスペックはこちら
こちらはコクピット。
ネットはじめ、セーフティ関連デバイスがドライバーを守ります。
ステアリングホイールのセンターには各種データを表示するモニターを装備。
かなり大きなモニターですが、ダッシュボードのセンターにも別のモニターが見られます。
スイッチ類は相当に多く、F1マシンなみということがわかりますね。