>ポルシェ(Porsche)

リアワイパーはもう古い?ポルシェが放つ「ワイパーいらずの究極のリアウィンドウ洗浄」に関する特許が異次元すぎた

ポルシェ

| かつてマクラーレンは「超音波」で水滴を飛ばす特許を出願したことがある |

この記事のポイント(30秒でわかる要約)

  • ポルシェが「空気の力」でリアガラスを掃除する新技術の特許を申請
  • 物理的なワイパーを排除し、走行風を操る「アクティブエアロ」を採用
  • 美しさと軽量化、そして走行性能を同時に高めるポルシェらしい「過剰なまでのこだわり」

ついにリアワイパーが消える?ポルシェの「複雑すぎる」解決策

スポーツカーファン、特にポルシェオーナーにとって、リアウィンドウのワイパーは長年の「悩みどころ」。

というのも視界を確保するためには必要ではあるものの、せっかくの美しい流線形を台無しにし、重量も増えてしまうから。

L1180468

そして世の中には「シンプルに解決すればいい(KISS原則)」という言葉があるとおり、ポルシェのエンジニアはその原則に従って「ワイパーを取り去り、代わりに”走行中の空気を操って”汚れを物理的に寄せ付けない、あるいは吹き飛ばす」というドイツ流の超絶技巧を編み出しています。

参考までに、ポルシェのパーソナリゼーションプログラム「エクスクルーシブ マニュファクチュア」「ソンダーヴンシュ」の起源は「ある顧客が、リアウインドウにワイパーを取り付けてほしいと依頼したこと」に始まるそうですが、「技術の進歩」が別の形を取り「同様の要望を」解決するということにもなりそうです。

ポルシェは常に「顧客の夢を形にする」クルマを作ってきた。最初の特別注文は「リヤワイパーをつけてほしい」、それがいまの「エクスクルーシブ・マニュファクチャー」にまで発展
ポルシェは常に「顧客の夢を形にする」クルマを作ってきた。最初の特別注文は「リヤワイパーをつけてほしい」、それがいまの「エクスクルーシブ・マニュファクチャー」にまで発展

Image:Porsche | ポルシェは常に顧客の意見を聞き、それが忠誠心の高いファン層を構築することに | 実際のところ、これまでには多彩なワンオフモデルが製造されている さて、ポルシェは業界屈指 ...

続きを見る

詳細:空気で「見えないバリア」を作る驚きの仕組み

今回、『CarBuzz』によって発掘された特許(名称:Motor Vehicle and Method for Operating a Motor Vehicle)によると、ポルシェはパナメーラのような車両に「エアガイド・エレメント」と呼ばれる可動式のパーツを装備することを想定しています。

L1016263

この技術の核となるのは以下の2点で・・・。

  1. パッシブ(受動的)な防汚: ガラスの周囲に空気の層を作り出し、水滴や泥、ゴミがガラス面に接触するのを防ぐ
  2. アクティブ(能動的)な洗浄: すでにガラスが汚れている場合、可動式のフラップが角度を変え、強い走行風をガラス面に直接導くことで、汚れを「掃き出す」ように吹き飛ばす

つまり、走行風そのものを「目に見えないワイパー」として利用するという発想ですね。

特徴:アクティブ・エアロダイナミクスのスペック

このシステムは単なる掃除道具ではなく、ポルシェの走行性能向上にも寄与する多機能なデバイスとして設計されています。

項目内容・特徴
主要機能アクティブ・エアガイド(可動式導風板)によるガラス洗浄
設置場所ルーフ後端、テールゲート上部、またはガラスのサイド
駆動方式走行速度や汚れの状態に応じた電動アクティブ制御
メリット1デザイン性: 物理的なワイパーアームが消え、外観がスッキリする
メリット2軽量化: 重いワイパーモーターや配線、ウォッシャータンクを削減可能
メリット3走行性能: 導風板がリアスポイラーとして機能し、ダウンフォースも発生させる
L1019062

なぜポルシェはここまで「ワイパー」を嫌うのか?

一般的なハッチバックやSUVにリアワイパーが必要なのは、走行時に車両の後ろで空気が渦を巻き、路面の汚れをガラスに巻き上げてしまうから。

しかし、ポルシェは「機能が形を決める(Form follows function)」を地で行くブランドで、彼らにとってワイパーは、空力特性を乱す「抵抗」であり、美しいリアビューを阻害する「ノイズ」なのかもしれません(しかもリアオーバーハング上の高い場所に位置する重量物でもある)

今回の特許は、「走れば走るほど視界がクリアになり、さらにダウンフォースも得られる」という、スポーツカーメーカーとしての執念が生んだ産物と言えるでしょう。

L1290107

ただしこの特許には一つだけ大きな弱点があり、それは「走っていないと機能しない」こと。

渋滞中や大雪の中では、結局ドライバーが外に出て窓を拭く必要があるのかもしれず、それでも「止まっている時のことより、走っている時の最高を追求する」姿勢こそが、ポルシェがポルシェたる所以なのかもしれませんね。

L1430072

この技術は市販化されるのか?

今回判明したのはあくまで特許段階であり、次期パナメーラやタイカンに即採用されるかは不明です。

しかし、ポルシェは過去にも911の可動式スポイラーなど、空力に関する特許を次々と具現化してきたという実績も。

ワイパーのない滑らかなリアガラスから、高速域でスッとせり上がる導風板——。そんな光景が見られる日は、そう遠くないのかもしれません。

合わせて読みたい、ポルシェ関連投稿

ポルシェ
ポルシェが内燃機関に革命をもたらす?「6ストロークエンジン」の特許を出願し、6つの行程のうち2回で「爆発」を起こすことで効率性を大きく向上させる方法を提案

| いくつかの課題は残されるが、それでも多くの問題を解決できることも事実である 何より、ポルシェが内燃機関を諦めていないことが朗報である  さて、ポルシェはなんとしても内燃機関を生き残らせようとしてお ...

続きを見る

ポルシェ
ポルシェが内燃機関の「出力向上」「クリーン化」を実現するため”ウォーターインジェクション”に関する特許を出願。2つの問題のうち1つをクリアしているが

| 市販車にこの技術を採用するのは非常に困難ではあるが | ポルシェであればその困難を乗り越える可能性も見えてくる さて、自動車業界では保有特許件数ナンバーワンとも言われるポルシェですが、今回「ウォー ...

続きを見る

ポルシェ
【特許情報】ポルシェ911ターボにMT復活?スーパーチャージャーっぽい「新型電動ターボチャージャー」システムが明らかに

| 既存のハイブリッドシステムはMTと組み合わせることが難しい | ポルシェが新たな「ハイパワー化」「電動化との融合」に活路を見出す 数日前、ポルシェは「より多くのMT(マニュアルトランスミッション) ...

続きを見る

参照:CARBUZZ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->ポルシェ(Porsche)
-, , , , ,