｜ アルファロメオはA~Cセグメント、マセラティはDセグメント以上とプレミアムスポーツカーに集中するようだ ｜
アルファロメオ、マセラティを擁するFCA（フィアット・クライスラー・オートモビル）は先日PSA（プジョー・シトロエン）との合併に合意したと報じられたところですが、今回第三四半期の報告とともに、アルファロメオ、マセラティとも「計画の変更」が発表されています。
このうち変更範囲が大きいのはアルファロメオで、「8C」「GTV」の計画が撤回に（正確に言うと、撤回が発表されたわけではなく、今後の計画からその姿が消えた）。
かつての予定だと、8Cはカーボンモノコックシャシーを採用し、さらにはエンジンをミッドシップマウント。
エンジンは排気量不明ながらも「ツインターボ」だとされ、フロントホイールはエレクトリックモーターで駆動し、つまり「4WD」。
システム合計で700馬力を発生し、これによって0-100キロ加速は「3秒以下」だとされていたスーパーカーですね。
一方GTV＝Gran Turismo Veloce（グランツーリスモ・ヴェローチェ）は重量配分は前後50：50、600馬力のハイブリッドカーとなり、4シーター（となるとフロントエンジン？）、4輪トルクベクタリングを備える、とされていたスポーツカーです。
アルファロメオの中期計画はこう変わった
以前の計画だと、この二台のスポーツカーに加えてコンパクトSUV、エレクトリックSUVを追加する予定であったものの、最新の計画では8C、GTVが姿を消し、2021年にはジュリアとステルヴィオのフェイスリフト、2021年にコンパクトSUV、2022年にB-UV（バッテリー駆動のSUV？）が投入されるという計画に。
ただ、この計画変更はPSAとの合併合意前に考えられたものと思われ、場合によってはここからさらに変更の可能性も。
しかしながらPSAはスポーツカーに注力する意向を持たず、よって合併によって8CやGTVプロジェクトが復活するというのも考えにくい、と思います。
マセラティの中期計画はこう変わった
そしてマセラティの方は「タイムテーブル」が変更されたくらいで、内容自体はほぼ同じ。
以前の計画だとアルフィエーリは2022年登場とされていたものの、最新の計画だと2020年に前倒し。
ただし以前までは「アルフィエーリ」と明確に記されていたものが「オールニュースポーツカー」という呼称に変更されていて、アルフィエーリの名が消えたのもまた事実。
そして嬉しいのは、前回の計画だと「消滅」する運命にあったグラントゥーリズモ、グランカブリオが2021〜2022年にかけてフルモデルチェンジを受けるということ。
よって、これまでマセラティは「スポーツカーレンジはアルフィエーリ（とそのオープン）のみ」になるはずだったものの、今後は「アルフィエーリ（とそのオープン）、そしてグラントゥーリズモ、グランカブリオ」というラインアップに。
そのほかの計画だとギブリ、クワトロポルテ、レヴァンテは2020年にフェイスリフト、2021年には新型DセグメントのSUV、2022年にはクワトロポルテ、2023年にレヴァンテのフルモデルチェンジを計画しているようですね。
今回の変更を見るに、アルファロメオはセダンとSUV、コンパクトに注力し、マセラティスはスポーツカーと上位セグメントのSUV、セダンに特化するという印象を受け、グループ内での棲み分けも考慮しているよう思います。
FCAはテスラから技術を購入？
そして新しく出てきたウワサが「FCAとテスラとの提携」。
これはBusiness Insiderのアナリストが見解として述べたもので、FCAが第三四半期の報告にて「テスラとの関係性」について触れたことに基づいている模様。
内容としては「PSAとの合併がうまくゆけば、その次はグループ全体でエレクトリック化を進めることになり、その状況においてテスラとの協業は意義がある」と述べたとレポートしています。
ただしテスラCEO、イーロン・マスク氏がこれに応じるかどうかは疑問であり、仮にいったん合意に至ったとしても、予定通り計画が進むかどうか、そして途中で翻意しやしないかという心配もあって、テスラとの提携はなにかと（PSAとFCAの）経営陣を翻弄するかもしれませんね。