| ポルシェの「走り」、アウディの「先進性」、メルセデス・ベンツの「高級感」のいずれにも太刀打ちできない |
BMWが「i6」を発売とのウワサが浮上(画像はiヴィジョン・ダイナミクスのレンダリング)。
Autoblog.itによると、このi6はアウディe-tron GT、メルセデス・ベンツEQS、ポルシェ・タイカンを直接のライバルとするピュアEVで、8シリーズ・グランクーペにも似た4ドアクーペになるだろう、とのこと。
現段階での予想スペックだと、ベースグレードは2モーターを備えて544PS(フロント204PS/リア340PS)を発生し、ハイパフォーマンスバージョンとして680馬力版の投入も予想されています。
EVは供給過剰に?
そこでいつも思うのが、「各社ともこんなにEVを発売して大丈夫なのか」ということ。
このi6は上述のとおりポルシェ、メルセデス・ベンツ、アウディに対抗するものではありますが、ちょっとEV増え過ぎでは?という気もしますよね。
ただ、現在北米や欧州ではメルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズ、アウディA8よりもずっとテスラ・モデルSの販売が多いといい、かつ欧米だと規制にて大きなエンジンを搭載したクルマが販売できなくなっているのもまた事実。
よって”大きな高級車”でも今後「2リッター」など小排気量エンジンを積む可能性も高く、であればそういったハンパなガソリンエンジン搭載車より「ハイパワーなモーターを積んだ高級車」のほうが消費者にとって新鮮に見えるかもしれませんね。
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加えて、各メーカーとも「CO2排出規制」のためにEVを販売したいであろうことは間違いなく、今後EVはどんどん(加速度的に)増えてゆくことになりそうです。
ただ、これまでの自動車市場の流れと(EV化とは)決定的に異なる部分もあって、今までの「高級化」「ハイパワー化」「SUV」といった傾向は消費者が求め、それに自動車メーカーが答える形で進められてきたもの。
しかし「EV」については必ずしも消費者が求めているわけではなく、規制やその他モロモロの事情によりメーカー主導にて発売されるものであり、ここが「消費者不在」、ひいても笛吹けど踊らずといった状況を呼んでいるのかもしれませんね。
BMW i6のライバルはこんなクルマ
そしてBMW i6がターゲットとしていると言われるのはこういったクルマたち。
まずはポルシェ・タイカンですが、相当数の予約を集めていると言われ、ジャガーI-PACEなど最近発売されたEVの中ではブッチギリの人気を誇ります。
やはりポルシェならではの高い走行性能が受けているのでしょうね。
そしてアウディe-tron GT。
現時点ではコンセプトモデルにとどまり市販モデルは公開されていないものの、市販モデルも相当にアグレッシブなデザイン、そして先進性を持つクルマとなりそう。
メルセデス・ベンツEQSは「メルセデス・ベンツらしい」優雅さそして高級さを兼ね備えたクルマとなりそう。
こちらも今のところ「コンセプト」となるものの、実際に走行するプロトタイプも目撃されていますね。
こういったところがBMW i6のライバルとなりますが、「走りのポルシェ」「先進性のアウディ」「高級感のメルセデス・ベンツ」にどうBMWが対抗するかというのが焦点となりそう。
なお、現時点で発売されているクルマの「内装」を見てみるとBMWのポジションがよく現れていて、先進性だとBMWはアウディに劣り、高級感ではメルセデス・ベンツに敵わず、なかなか強みを発揮できないという事情があると認識しています。
よってなんらかの「武器」がBMWに求められるのは間違いなく、それがないと「BMWを積極的に選ぶ理由」が見つからないということになるのかもしれません。