| どう考えても、これ以上に成功し株価を押し上げた新型車はほかに存在しない |
Forbesによると、アメリカ人の71%がテスラ・サイバートラックに「否定的」とのこと。
サイバートラックは発表前の予想を大きく超える奇抜なスタイリングで登場していますが、これについては非常に大きな話題を呼び(近年、ここまで話題になったクルマはほかにない)、すでに予約注文は25万台を超えたとも報じられています。
にもかかわらずアメリカでは71%の人々がこれを歓迎していないということになり、米調査会社PiplSayによれば、その理由としては「使い方が見えない(16%)」「バカげている(11%)」「そもそも興味がない(27%)」など。
けっこう高い比率で「興味がない」という人がいることになりますが、否定的な意見を述べた人の代表的なコメントとしては「実用性を無視した、金持ちのお遊び用」「防弾仕様なんて意味あるの?」「それよりも全体の価格を下げろ」というものが目立つと述べています。
テスラはもともとお金持ちのためのクルマ
なお、ここでぼくが思うのは、もともとテスラは「お金持ち用のクルマ」だということ。
現段階でEVはどうやっても高くなり、コンパクトクラスのガソリン車同等の性能を持つEVだと「価格は倍」くらい。
そして、どうやっても高くなるのであれば、いっそのこと高級車にしてしまおうと考えたのがテスラで、つまりは「クルマの維持費を気にするような人々」ではなく、「新しいもの、他の人が持っていないものに進んでお金を払う富裕層」に向けたものだと考えています。
おそらく、テスラを嫌う人々は、こういった「ブルジョワ思想」が許容できず、本来EVとはもっとミニマムなものであるべきだと考えているのかもしれません。
【動画】なぜ人々はテスラを憎悪するのか?現実世界ではテスラを傷つける人多数、ネット上ではヘイト投稿の対象に。テスラ女子が問題を提起する
ただ、こういった「何にでも批判する人」は往々にして存在していて、こういった人々は何をやっても批判しかしないので、そもそも気にする必要はない、ともぼくは考えています。
たとえばかわいい動物の動画をUPしたとして、単に「かわいい」と捉える人々もいれば、「動物虐待」「動物を商業的に利用している」と捉える人もいるわけで、こういった物事の見方の差はどうしても埋めることはできないのかもしれません。
近年ではSNSの普及によってすべての人々が「評論家」になってしまっていて、自分の立場はさておき、人のやることに好き放題言うといった風潮があるわけですが、それを考えると、今後の「調査」自体も項目そのものを見直す必要が出てきそう。
それはさておき、ぼくとしてはそんな状況の中で、逆に29%も支持者がいるということのほうが驚きで、この29%の人々がテスラの未来を作るということは間違いなさそう。
実際のところ、テスラの株価はサイバートラックを発表した後に異常な上昇を見せていて、3ヶ月前に比較すると「倍」。
つまりは「いかに批判する人々が批判しようとも」投資家は前向きに捉えているということになり、投資家たちも「文句ばかり言う」人々を支持していないということになりますね。
サイバートラックはそもそも株価対策
なお、イーロン・マスク氏は株価に対してかなり神経質で(それは彼のツイートにも見て取れる)、これまでにも株価のために様々な言動を取っています。
そして、うがった見方をするならば、「発表時に窓が割れた」件についても、自動車メディア以外でもこぞって取り上げたことで「サイバートラックを知らなかった人、興味がなかった人」に対してその存在を知らしめることになり、それを考えると「リカバリーできる失敗」として意図的に演出したんじゃないかと思うことも(炎上マーケティングに近い、想定済みリスク)。
さらにはサイバートラックそのものが「話題作り」のためのデザインを持っているのは間違いなく、逆にこれを「実用的なサイズで、実用的なデザインで、防弾装備もなく、バッテリー容量を下げて安価な」トラックとして発売したときに「いったい誰が話題にするのそれ・・・」ということに。
そういったEVは「文句を言われるまでに」関心を持ってもらえないのは間違いなく、よって「文句を言われるのも話題性のうち」で、そう仕向けるのも戦略のひとつ。
よってイーロン・マスクCEOは「文句を言う人をうまく活用し、サイバートラックを拡散させた」とも考えており、むしろ利用されたのは文句を言う人々だとも考えられそうです。
VIA:Forbs