| メルセデス・ベンツは過去にもハコフグをモチーフにしたコンセプトカーを発表したことがある |
ラスベガスにて開催されている家電見本市”CES”にて、メルセデス・ベンツが「Mercedes-Benz Vision AVTR(メルセデス・ベンツ・ヴィジョン・アバター)」を発表。
その名からもイメージできる通り映画「アバター」にインスパイアされたもので、オフィシャルフォトはアバターの舞台となった惑星パンドラ、そして「あの木」をフィーチャーしたものに。
メルセデス・ベンツいわく、このヴィジョン・アバターは「未来のクルマがどうなるかというイマジネーションをかきたてるものだ」と語り、「人とクルマ」のみならず「自然」とも結びつけるコンセプトカーである、と語っています。
メルセデス・ベンツ・ヴィジョンAVTRはこんなクルマ
メルセデス・ベンツ・ヴィジョンAVTRのルックスは一連のメルセデス・ベンツのコンセプトカーを連想させるもので、たとえばフロントグリルは「ヴィジョンEQS」のようなデザイン(パンドラの生物のように、目が二対以上あるわけではない)。
うねるようなフェンダーも同様ですね。
リアには開閉可能な「エラ」。
これは33枚あり、生物が呼吸するように「動く」とのこと。
もちろんパワートレーンはピュアエレクトリックで、バッテリーはグラフェンベースの「オーガニック・セル」。
このバッテリーは100%リサイクル可能であり、フル充電にかかる時間は15分、一回の満充電あたり走行可能距離は700キロ、モーターは各輪に1つづつ配置され、出力はトータルで470馬力だとアナウンスされています。
タイヤはバルーン状(青い部分は光る)。
サイドには大きな透明の窓があります。
ホイールやテールランプ、リアバンパーには「線」が見られますが、この「線」もメルセデス・ベンツがコンセプトカーに好んで用いるものですね。
こちらはサイドのウインドウが「オープン」となった状態。
このウインドウは前後や上下に開くわけでもなく、かつ車体に格納もできないと思われ、どうやって「開閉」するのかは不明。
おそらくこれはは数百年先のクルマをイメージしていると思われ、現状では「未知の」方法を採用しているのだと思われます。
ヴィジョンAVTRは従来のインターフェースを持たない
そしてヴィジョンAVTR最大の特徴は外装ではなく「内装」に。
車内には乗員を包み込むかのようなシートが確認でき、しかし現代のクルマに見られるアクセルやブレーキ、ステアリングホイールといったデバイスは皆無。
ただしこれは「自動運転」をイメージしたものではなく、センターコンソールにある丸いデバイスの上に手を乗せ、「思考」によってクルマをコントロールすることになるようですね(ちょうどアバターで、動物に乗るときに髪の毛を動物とつなぎ、リンクさせたように)。
インテリアの素材は環境に対して優しいものをセレクトしており、ペットボトルや衣類から再生されたマテリアル、そしてウッドがメイン。
センターコンソールからダッシュボードにかけては大きなディスプレイが装着されています。
メルセデス・ベンツAVTRはかなり奇妙なコンセプトカーだと言えますが、過去にメルセデス・ベンツは「ハコフグ」をモチーフにした「バイオニック・カー・コンセプト」を発表したことがあり、その落ち着いたブランドイメージとは裏腹に、実際はかなりアグレッシブな自動車メーカーなのかもしれません。
SONYはサプライズにて「クルマ」を発表
そして同じくCES会場ではソニー(CES)が「ヴィジョンSONY(Vision-S)」と題されたピュアエレクトリックカーを発表。
これはCESが自動車分野において研究を進めている技術を示すためのコンセプトカーであり、現段階では市販の予定ナシ。
CMOSイメージセンサー、ソリッドステートLiDAR含む33個のセンサーを備え、車両の外にある障害物や人を検知できる他(レベル2自動運転機能を保有)、車内の人やモノを感知できるようですね。
そのほか「360度リアリティオーディオ」を備え、これは文字通り車内の360度すべてをサウンドで満たすというもの。
なお、このプラットフォームは「新規に開発されたもの」とされ、一説によるとトヨタGRスープラやメルセデス・ベンツGクラスの製造を行っているオーストリアのマグナ・シュタイヤー製とも言われています。
パワーユニットは200kWの出力を誇るエレクトリックモーター、0-100Km/h加速は4.8秒、トップスピードは239km/h。
開発パートナーはボッシュ、コンチネンタル、エヌビディア、クアルコムだとアナウンスされています。