| ヤマハの目的は”モーターのサプライヤーとして生き残る”こと |
ヤマハが突如「エレクトリックモーターの試作開発受託を開始した」と発表。
つまり様々な自動車メーカーが、ヤマハにモーターの試作を依頼したり、開発や生産を委託したりという業務を想定しているということになります。
そしてこのモーターについては出力35~200kW(約270馬力)と幅が広く、水冷、油冷両方に対応。※永久磁石埋込型同期モーター(IPMSM)式
ヤマハいわく、「ヤマハの電動モーターユニットは業界最高クラスの出力密度を有し、ヤマハらしいエモーショナルなパワーユニットの創造を目指して開発された」。
つまりコンパクトで高性能、感情に訴えかけるようなユニットであり、これはヤマハが掲げる長期ビジョン「モビリティの変革=Transforming Mobility」を目指す活動の一環だそう。
ヤマハは4輪から撤退済み
そして疑問に思うのが「なぜ試作開発受託なのか」。
つまり自社でこれを搭載したクルマを作ればいいのにということですが、ヤマハは「4輪から撤退」を表明していて、つまり4輪に関しては今後車体を作らずに「サプライヤー」に回る、という意思の表明なのかもしれません。
ヤマハが重大発表。「4輪プロジェクトをすべて終了させる。クルマは我々の未来とはなりえず、今後も参入することはないだろう」
今回ヤマハはプロモーション動画も公開していて、その中で登場するのが「アルファロメオ4C」。
これはカーボンモノコックシャシーに1.75リッターターボエンジンを搭載するミドシップスポーツですが、もともと積まれるエンジン、そして付随するコンポーネントをまるごと「モーターとバッテリー」に置き換え、EV化を行っています。
現在まさに自動車業界は大きな変革機を迎えており、自動車メーカーはもちろんサプライヤーも(変化への)対応を迫られているということになり、その中でヤマハは”モーターのサプライヤーを目指す”という大きなチャレンジを行ったと言ってよく、しかし随分前から「eビーノ」など電動スクーターの開発や発売を行ってきたところを見るに、「計画通り」なのかも。
今回のアルファロメオ4Cについてはどの程度まで「EV化に際しての改造」が行われているのかはわかりませんが、動画を見るに「最小限」に留められているようにも感じられ、つまるところ「簡単にEVへとコンバートできる」ユニットを開発することもヤマハのひとつの目的なのかもしれません。
そして動画では実際に走行する様子も収められており、今後は「既存ガソリン車のパワーユニットをモーターに置き換える」というビジネスの大きな可能性も(ヤマハという大企業が先鞭をつけてくれたことで)感じさせてくれます。
VIA: Yamaha Motor Global